クリスマス「今週の日曜日は、一緒に出掛けられないからな」
食事を終えると、ルチアーノは唐突にそう言った。
「えっ」
突然の報告に、僕は間抜けな声を上げてしまう。そんなこと、これまでに一言も聞いていなかったのだ。二日前になってから言われたら、驚くに決まっている。
「君には残念だけど、任務に呼び出されちゃったんだ。神の代行者の仕事には、クリスマスなんて関係ないからね」
そんな僕をよそに、ルチアーノは淡々と言葉を続ける。仕事だなんて言われたら、僕には断ることなどできなかった。
「そうなんだ……」
今週の日曜日は、クリスマスイブである。ルチアーノと出会ってから二回目のクリスマスだから、僕はそれなりに張り切っていた。ケーキを予約したり、出前の予約をしたり、プレゼントを用意したりと下準備をして、後は当日を迎えるだけになっていたのだ。
4625