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    なりひさ

    @Narihisa99

    二次創作の小説倉庫

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    POIPOI 188

    なりひさ

    DONEガンマト「時の砂」その後の蛇足。弟子に会いたくて未来へ来ちゃったバルゴート
    なにこれ修羅場じゃん ポップは焼きたてのパイを持ってルーラで降り立った。アバンの料理教室で作った自信作である。折角なのでマトリフと一緒に食べようと温かいうちに持ってきた。
    「師匠ぉ〜ガンガディアのおっさん〜お邪魔するぜ」
     呼びかけながら入り口をくぐる。しかしいつもなら返ってくる返事がなかった。人の気配はするのに返事が無いとは、来るタイミングが悪かったのだろうか。ポップはそろりと奥を覗く。
    「えっと、これどういう状況?」
     ポップは目の前の光景に頭にハテナをいくつも浮かべながら訊ねた。
     まずガンガディアがマトリフの肩を抱いている。優しく、というより、まるで取られまいとするようにきつく掴んでいた。ガンガディアは額に血管を浮かべてガチギレ五秒前といった雰囲気だ。そのガンガディアに肩を抱かれたマトリフは諦念の表情で遠くを見ている。そしてその二人と向かい合うように老人が座っていた。ポップが驚いたのはその姿だ。その老人はマトリフと同じ法衣を着ている。かなりやんちゃな髭を生やしており、片目は布で覆われていた。その老人がポップへと視線をやると立ち上がった。
    2209

    なりひさ

    DONEガンマト+ポプ。ガンガディアはマトリフから愛されてるの気付いてねえなって話
    かわいい弟子と「師匠〜!」
     元気のいい声が洞窟まで響いてきた。その声の主はマトリフの愛弟子である。私はそっとマトリフを見た。マトリフは読んでいた本から顔を上げると、頬杖をついて不機嫌そうな顔を作った。
    「なあ師匠〜いるか〜?」
    「うるせえな。いることくらいわかってんだろ」
     ポップは何冊もの分厚い魔導書を抱えて洞窟へと入ってきた。魔導書を机に置くと私に向かって人好きのする笑顔を向けてくる。私は小さく手を上げて応えた。
    「助けてくれよ師匠〜。この呪文なんだけどさ」
    「なんだよ……おめえ、またこんな古代呪文引っ張り出してきたのか……」
     大魔道士二人は顔を寄せ合って一冊の魔導書を覗き込んでいる。ポップはパプニカの宮廷魔道士をしており、時折こうして魔導書片手にマトリフを訪ねてくる。ポップは古代呪文を研究しているらしく、マトリフに呪文の助言を求めにくるのだ。短くても数時間、長ければ数日間は二人でああでもないこうでもないと議論を交わす。マトリフは面倒臭いなどとぼやきながらも、この時間を楽しみにしていた。私は二人の邪魔をしないようにとそっと席を外した。
    2016