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    あき。

    佳芙司(kafukafuji)

    CAN’T MAKE【エリオ腐R】一進一退のお付き合い始めたばかりのオスアキ。書き続けるの飽きたので区切りのいいところでおしまい。
    恋人はじめ(オスアキ)あれ? と思った時には遅かった。
    たった今自分は何を言ったんだったか。思い返してアキラは瞬く間に顔を真っ赤に染め上げた。ぱくぱくと口を開いては閉じ、言葉にならない声が口から零れ落ちる。

    「あー、や……そのっ、お、俺は……っ!」

    言い訳しようとアキラは必死になって言葉を探ったが何も見つからない。熱が頬に集中してまともに頭が回らない。どうしようもなくなって両手で顔を覆うしか出来なかった。

    「うううう……」

    ヘナヘナとその場に蹲って回想する。どうしてあんな事を言ったんだ、うっかりにも程がある、馬鹿か俺は。頭の中で自分に文句を言う。しかし後悔してももう遅い。言ってしまった事は取り消せないのだ。

    「アキラ」

    思ったよりも近くから聞こえてきた声に驚いて勢いよく顔を上げると、更に思っていた以上に近くにオスカーの顔があった。じっと目を覗き込むように見られ、思わず後ろに身が引けた拍子にバランスを崩して尻餅をついた。その瞬間オスカーに肩を掴まれたアキラはなんとか背中から倒れずに済んたが、オスカーの顔を見上げる格好になって息を呑む。
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    DONEブラアキ。冬制服(ジャケット)の話。
    目隠し帽はご免だからな ニューミリオンにも冬は訪れる。先日の雨以降、大きく気温が下がり到来した寒波は街中の景色をガラリと変えた。薄手のカーディガンやコートを羽織っていた市民たちは毛皮やダウンに身を包み、厚手の衣類で体積を増やしながら身を縮めて歩いている。勿論エリオスも例外ではなく、今日からは皆、外出時は暖かなジャケットを着込んでいた。

     その日のブラッドは珍しくパトロールに参加する時間が取れ、司令室での会議を済ませたあと、サウスセクターのブリーフィングルームへと足を向けていた。
     エリオス内は廊下も含めて空調が管理されているため、屋内は快適な温度が保たれているが、外ではそうもいかない。ブラッドは同室の寒さに弱い部下のことを脳裏に過らせる。昨夜、彼にリトルトーキョーで買ってきた「貼るホッカイロ」という使い捨てのウォーマーパッドを贈ったのだが、今朝早速ジャケットの中に貼りつけて「とても暖かいです」と笑顔を見せていた。思い出して笑みがこぼれる。今年のオスカーはルーキーを指導する立場だ。寒さに震えていては威厳もないだろう。そう思い、対策を考えてみたのだが、あんなにも喜ばれるとは思わなかった。これなら彼も今年の冬を乗り切ることが出来るだろうと、ブリーフィングルームの扉の前に立つ。
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