筋トレ 家に帰って荷物を置くと、真っ直ぐにリビングへと向かった。重い身体を引きずりながら、這うような体勢でソファに上がる。うつ伏せに寝転がると、僕は大きく息を吐いた。
「疲れた…………」
そのまま、何度か深呼吸をして息を整える。全身の筋肉が悲鳴を上げていて、今にも破裂しそうだった。明日の筋肉痛のことを考えると、余計に身体が重くなる。そんな僕を見て、ルチアーノは呆れたように言った。
「情けないなぁ。その程度でへばってたら、僕のパートナーは勤まらないぞ」
「その程度なんかじゃないよ! 休みなしのデュエル五連戦なんて、大会だってやらないでしょ!」
ソファの生地に顔を押し付けたまま、僕は大きな声で反論する。今日も今日とて、ルチアーノのスパルタ指導に巻き込まれていたのだ。デュエリストと言えどもほぼ一般人に近い僕は、遊星たちのような飛び抜けた身体能力を持っているわけではない。その不足を補うために、彼はとんでもないプログラムを持ち出すことがあった。
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