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    しんした

    @amz2bk
    主に七灰。
    文字のみです。
    原稿進捗とかただの小ネタ、書き上げられるかわからなさそうなものをあげたりします。

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    POIPOI 87

    しんした

    DOODLE生存if七灰。
    どの季節も好きな灰原くんのとある冬の朝の一コマ。
    寒さに弱い七海の七灰https://poipiku.com/1088919/11161850.htmlの続きです。
    手癖で書いたのでずっと甘ったるい感じですが、こういう生存if七灰が好きです。
    冬も好きだなぁって思ってる灰原くんの七灰.





    四季の中でどれが一番好きかと問われたら、回答には少し迷ってしまう。
    春は暖かくて外で遊びやすい。桜や菜の花や有名どころを筆頭に名前も知らない野花も道端で咲き誇るから、目に入る景色がカラフルになるから気分が明るくなる。
    夏はイベントが盛りだくさん。プールに夏祭り、海水浴にキャンプ。学生の頃は夏休みの宿題が少し憂鬱だけど、どこまでも青い空と眩しい太陽はそれを吹き飛ばすくらい、パワーを持っていると思う。
    秋は言うまでもなく美食だろう。美味しい物に溢れていて、食べても食べても、食べたいものは無くならない。食いしん坊からすると一番魅力的な季節かもしれない。
    そして、冬。
    景色は少し寂しくなるけれど、その分空気は澄んで、陽も短くなるから他の季節より夜空の星がよく目に入る。クリスマスにお正月とイベントごとにも欠かないし、食べ物だってあったかい鍋物や濃厚なシチューにチーズたっぷりのグラタンなんて、他の季節よりなんだか豪華になるような気もする。
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    しんした

    DOODLE呪専七灰。
    寒さに弱い七海のとある冬の朝の一コマ。
    付き合ってちょっと経ってるふたりです。
    甘えんぼの七海(でももうちょっとちゃんとしたいと思っている)と包容力がめちゃ広い灰原くんが好きです。

    気が向いたら生存if七灰の続きも書きたいです。
    寒さに弱い七海の七灰.





    冬はあまり好きではない。
    低温の中ではどうしても身体は動きににくくなるくせに、体温調整の為に消費カロリーは増えてしまう。それに、冬季うつと呼ばれる季節性感情障害から生じる人間の陰気は、呪術師にとっても大いに関係してくる部分である。生理的な面からも精神的な面からも、効率を考えると恒温動物である人間も進化の過程で冬眠というシステムを取り入れるべきだったのだ。
    なんて馬鹿げた理論を展開したくなるくらい、冬は憂鬱な時期だった。
    けれど。今年の冬は、今までと少し違っていた。





    ふと、意識が浅いところまで浮上した。
    頭はまだ目覚めきっていないが、キンと冷たい空気が鼻を抜けて反射的に身体がこわばった。どうやら、しっかり被っていたはずの掛け布団がずれているらしい。高専の寮は築年数が古く、木造ということもあって隙間だらけ。本格的な冬が訪れてからというもの、隙間風と底冷えの影響で朝方に吐く息が白くなることも日常茶飯事だった。
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    しんした

    DOODLE原作から数年後の10/31の夜に渋谷を見回っていた悠仁が不思議な二人組を目撃するお話。
    七灰のつもりで書いていますが、2/3は成人した悠仁が学生と任務についている場面で、七灰は最後の方ちょっと出てくるだけなのでカプ感はめちゃくちゃ薄いです(でも七灰です)。
    本文後に補足という名の言い訳があるので暇つぶしにでもしていただけると幸いです。
    ※あんまり読み返していないので諸々すみません。
    かつて子どもだったあなたたちへ.





    雑居ビルの屋上の縁に立っていた虎杖は、人でごった返すスクランブル交差点を見下ろながらポケットの中で微かに震えた携帯端末を手探りで取り出した。
    「はいはーい。どした?」
    着信相手は今年呪術高専に入ったばかりの学生だった。一年生三人で比較的人通りがマシな南口周辺を回っているはずだが、定期連絡には少々早い。
    「うん、うん……あー、それはお前らだけじゃ厳しそうな感じだな」
    どうやら低級呪霊の気配を追っていったところ、思っていたよりも多くの呪霊が巣食っている場所へ入ってしまったらしい。
    「おしっ、今からそっち向かうわ!位置情報送ったらとりあえずいけそうな範囲だけ祓っといて。あっ、無理はしなくていいからな!マジで!」
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    しんした

    DONE呪専七灰。
    いつもしている実技での勝負のペナルティがいつもと違ったお話。
    組手のシ—ンを考えていたら謎に長くなりました。
    あまり読み返してないので誤字脱字等は目を瞑っていただけると嬉しいです。
    七灰ワンドロワンライ38.『勝負』.




    二人きりの学年。他学年との合同授業もあるにはあるが、基本的には座学も実技も灰原と二人で受ける。
    それに不満を持ったことはなかった。ただ、体術のペアが常に同じというのは正直刺激が足りなくなるものだった。
    「これさ、負けた方が一週間自販機のジュース奢りってどう?」
    周りからノリが悪いと言われがちではあったが、それでも十代真っ只中。変わり映えのない授業にちょっとした遊びがあってもいいだろうと、とある体術の授業の終わり際に挑戦的な笑顔でそう提案してきた灰原へ七海が頷き返したのは、入学してまだ間もない頃だった。


    勝敗の結果で何をするのかについては交互で決めていた。
    大抵は敗者が勝者へ食べ物を奢ること。ジュースやお菓子なら一週間分、昼食なら三日分。遠出の任務が決まっている時はご当地グルメになったり、灰原の提案で手作りの夕食が賞品になったこともあった。(ちなみにその時は七海が勝ったので灰原の数少ない得意料理である大盛りの焼きそばになった)
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    しんした

    DONE花火大会で七灰に遭遇したモブの小話です。
    軽い気持ちで書き始めたら長くなってしまいました。
    モブの自我が強めかもしれませんが、七灰には直接関わらないです。最初ちょっとモブの話があるので、さらっと読み飛ばしてもらっても大丈夫だと思います。
    七灰ワンドロワンライ35.『花火』.





    最近ちょっといい感じになっているバイト先の先輩に誘われてやってきた花火大会。
    本当にここが東京?と信じられないくらいの田舎だったけれど、駅前から続くお祭りの出店も都心にはない懐かしさがあって楽しかったし、結構いい雰囲気になっていたと思う。
    しかし、花火が見えやすいという神社の敷地内の端っこで場所を確保した時、さっきの通りで最近流行っているスイーツの屋台を見つけたからと、私は一人ポツンとその場に残されることになったのだ。
    さっき色々食べたから大丈夫ですと言ったが、張り切っている様子の彼は遠慮しないでと聞き入れてくれなかった。ちなみに、その屋台のスイーツは私が今一番ハマっているものだ。
    それに、実は先輩が同じバイト先の私の友達に、私の好きな物のこっそりリサーチをしていたことも、先輩の携帯のメモ画面にその一覧が載っていることも私は知っている。(勝手に見たわけではなく先輩が迂闊だから見えたのだ)
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    しんした

    PROGRESS8月東京の七灰原稿進捗③です。
    灰原くんを亡くしたあとの七海が、灰原くんが残した言葉を読み返すなかで灰原くんへの想いと向き合うお話。ほぼ七海の独白・回想ですがハピエンです。

    七海の独白ターン最終話の半分くらいを抜粋しました。
    次の章で再会するので早くいちゃいちゃさせたいです。

    ※推敲はしていないのでおかしな部分はスルーしていただけると助かります。
    8月七灰原稿進捗③四.拝啓



    二つ折りにした便箋を名前しか書いていない封筒へ入れる。
    きっちりと糊付けで封をしたら、同じ封筒だけが入った引き出しへと仕舞う。
    机の浅い引き出しの中には、出す宛てのない手紙が増えていくばかりだ。
    それでも。
    私は、筆を執ってしまうのだ。





    帳が上がると、七海の頭上に青空が広がった。
    砂埃を払うように呪具を軽く振る。そこそこの呪霊だったが、想定していたよりも早く祓えたようだ。古びた雑居ビルの階段を降りると補助監督は少し驚いた表情で出迎えてくれたが、七海は「お待たせしました」といつも通りに声をかけた。
    呪術師へ出戻って一年。
    あのパン屋を出て五条へ連絡を取ってからの日々はとにかく慌ただしかった。卒業ぶりに顔を合わせた五条に「いつかこうなると思ってたよ」と笑われながら、呪術師へ復帰する手続きを済ませた。勤め先へ退職届を出した時は上司から随分と引き留められたが、もう決めたことなのでと押し通した。(入ったばかりの新人には悪いとは思ったが、かなり細かく引き継ぎをしておいたので大目に見てもらいたい)
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    しんした

    PROGRESS8月東京の七灰原稿進捗①です。
    灰原くんを亡くしたあとの七海が、灰原くんが残した言葉を読み返すなかで灰原くんへの想いと向き合うお話。ほぼ七海の独白・回想ですがハピエンです。
    でも七海がひとりなので書いていて辛いので進捗upしました。

    推敲はしていないのでおかしな部分はスルーしていただけると助かります。
    8月七灰原稿進捗①一.Re:Re:Re:Re:無題



    二年の夏。
    残暑の厳しい、いつもと変わらない何でもない八月のある日。
    灰原が、死んだ。





    開けっ放しだった窓から吹き込む風の肌寒さに、七海は手元の文庫本から顔を上げた。
    今日は午後から自習だった。自習といっても課題は出るのだが、期限までに提出すればどこで何をしていてもいいと言われたので、さっさとプリントを片付けて寮の自室へ戻っていた。
    文庫本に栞を挟んだ七海は椅子から立ち上がって、ふわりとカーテンがなびく窓際へと足を向けた。
    どうやら、しばらく積んだままでいた本の世界にすっかり浸っていたらしく、カーテンの向こうの空は随分と陽が傾いていた。昼間の日向にいるとまだ少し汗ばむ時もあるが、季節は着々と歩みを進めていたらしい。太陽という熱源を失いつつある秋の夕暮れ時の空気が、ワイシャツの薄い生地を通り抜けて身体を冷やしていく。
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    しんした

    PROGRESS3月インテの七灰原稿進捗です。
    生存if30代後半の七灰が古民家で暮らすお話。
    暮らし始めたところまで書けたので、とりあえず暮らすぞーってなった部分までをあげました。
    生きるってどういうことかな、ということを多少真面目に考えて書いたつもりですが上手くまとめられているかは分かりません。七灰はいちゃいちゃしてます。
    推敲まだなのでいろいろとご了承ください。
    続き頑張ります。
    3月七灰原稿進捗②.




    呪術師という職業は一応国家公務員に分類されている。高専生時代から給料が支払われるのはその為で、呪術師のみが加入できる特別共済組合という制度もあり、規定年数納税すれば年金も支給されるし、高専所属であれば所属年数に応じた金額の退職金も支払われる。
    「うーん。まあ、別にお金に困ってるわけじゃないし、退職金のこととかそんな気にしなくてもいいよねぇ」
    デスクトップディスプレイに表示された細かな文字列を追っていた灰原は、椅子の背にもたれて小さく言葉を漏らした。
    真っ黒にも程があるブラックな呪術師という職業も、書類上だけ見ると就業規則や福利厚生など案外きっちりと定まっている。給料も一般的な国家公務員とは比較にならないくらいだ。(もちろん、呪術師の仕事内容を考えると当然のことだと思う)
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    しんした

    PROGRESS2023/12/3開催の七灰webオンリー『桜の下で待ち合わせ3』の展示作品です。
    1月のインテで発行予定の新刊『午前0時のいただきます』の冒頭1話。
    呪専七灰が夜食を作って食べるだけのほのぼの本です。
    webオンリー終了後も展示している予定ですが、推敲していないので所々変更箇所があるかもしれません。
    七灰webオンリー3展示作品『午前0時のいただきます』冒頭1話夜食というものは、どこか特別感がある。
    真っ暗な台所の明かりを小さく点けて、大きな音を立てないよう、こっそりと冷蔵庫や棚を漁る。何を食べるか、何なら翌朝咎められないか。調理しなくても食べられるものにするか、手をかけて出来立てを食べるのか。
    ほんの少しのスリルと背徳感。それを超えた先に待っている、他の食事とは違う美味しさ。育ち盛りなら、誰しも一度は経験したことがあるに違いない。
    そんな特別な時間を、誰かと共有したならば。
    一体、どんな気持ちになるのだろう。







    呪術高専へ入学して一週間。
    今までの生きてきた世界とは全く違う日常に、七海は随分と疲弊していた。
    曜日が一周してようやく学校生活の流れは掴めてきたと思ったところに舞い込んだ、初めての任務。内容はとあるショッピングモール内での蠅頭の祓除。四級以下の蠅頭であれば、入学して間もない一年に振るには丁度良かったのだろう。
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