にょつ 8(類side)
「最近、真面目に勉学に励んでいるそうだな」
「どうでしょう?」
「皇太子殿下が評価して下さっているそうだ。私も漸く安心するよ」
「……天馬くんが、ね…」
安心したように笑う父さんの言葉を聞いて、脳裏に天馬くんの顔が浮かぶ。
僕の家で夜会を開いてから一週間程が経った。あの日から、天馬くんの様子が少しおかしい。なんだか忙しそうにしていたり、時折そわそわとしている姿が見えた。僕が話しかけると、笑顔で返してくれることも増えた。以前まであんなにも警戒されていたのに、どういう事なのだろうか。悪い変化ではないのだけれど、少し落ち着かない。
「そこで、以前から話のあった縁談を進めようと思ってな」
「…え……?」
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