七海ちゃんの憂鬱恋する乙女である七海ちゃんは悩んでいた。
「ギャルになるにはどうしたらいいと思いますか?」
普段なら同級生の男子に相談するところだが今回ばかりはそうはいかない。というわけで、一つ上の先輩三人衆に助力を願うことにした。
「また血迷った事言い出した」
「今度はなんだい?」
「どうせ灰原がらみだろ」
好き勝手言われるがその通りなので反論はできない。顔を真っ赤にして涙目になる七海に同性の家入が助け舟を出した。
「とりあえず、その質問が出てくるまでの経緯を聞こうか」
「…話せば長くなりますが…」
「いいって、ほら早く」
「では…」
***
先日。灰原と二人で行った任務先で偶然上層部の人間と出くわした。仕方なく当たり障りのない会話でやり過ごしているとそれが気に入らなかったのか嫌味を言われる。長ったらしい言葉を要約すると『若い男女が二人とは、痴情のもつれで揉められると困る』と。
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