元気の在庫「ガンガディア」
マトリフは言って両手を広げた。ガンガディアはマトリフを見下ろして首を傾げる。
マトリフは突然にやってきたと思えば、ガンガディアの目の前に立った。何やら思い詰めた顔をしており、どうしたのかと思っていたら、突然にガンガディアに向かって両手を広げてみせた。
「……何かね?」
ガンガディアはマトリフの行動が何を意味するのかわからず首を傾げる。ガンガディアを見上げながら両手を広げるマトリフの姿が、おおありくいの威嚇のポーズのように見えた。
はて、私はマトリフを怒らせることをしたのだろうか。ガンガディアは昨日のマトリフの様子を思い返してみたが、特段変わったことは無かったはずだ。
「……ハグだよハグ。抱きしめろ」
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