印象「やあ、○○○」
シティ繁華街を歩いていると、背後から声をかけられた。低いようでいて甲高い、不思議な響きを持つ子供の声である。くるりと後ろを振り返ると、赤い髪を後ろで結った少年が立っていた。前回会った時と全く同じ、白を基調にした洋服に身を包んでいる。
「あ、ルチアーノ。久しぶりだね」
少年に向き直ると、僕は弾んだ声で挨拶を返した。この不思議な男の子は、最近よく顔を合わせる常連である。どこからかふらりと現れては、僕をタッグデュエルに誘ってくるのだ。僕としてもデュエルは大歓迎だから、いつも二つ返事で受け入れていた。
「偶然近くを通りかかったから、君の姿を探してみたんだ。こんなにすぐに見つかるなんて、僕も中々にツイてるな」
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