6/4azm3月の終わりの話「速度はいい。飛び立つときの羽の角度を意識しろ」
「イエッサー! わ、さっきより速い!」
「羽と踏み込みのタイミングを合わせろ」
「イエッサー!!」
三月最後の午前中。私はグラウンドでアミィ様に飛行訓練を見てもらっていた。アミィ様は手元のボードにいろいろ書き込んでいる。
私が外周を終えて戻ったら、アミィ様がふと思い出したように顔を上げた。
「明日は登校日だったな」
「はい。研修報告をしてきます」
止まらない汗を拭きながら答える。昼休みにシャワー浴びよ。
「明後日には辞令を渡す。ハメを外し過ぎないように」
「イエッサー!」
まあ、マルバス先生と進路の相談して、久しぶりに友達と喋るくらいの予定しかない。ヘムとドルーガも登校日でいないし、そんなに遊びすぎるようなことはないと思う。
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