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    menhir_k

    @menhir_k

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    menhir_k

    TRAININGア一クにとって工ノレクが世界の縮図なら、工ノレクからの誤解が解けるということは世界からの誤解が(何れ)解けることを示唆していて、それはア一クにとって数少ない報いだったのかなと書き終わってから思ったし、だとしたら工ノレクからア一クへの誤解は報いに至るために必要なものだったのだなぁという謎の気付き(全て仮定と言う名の妄言)
    「サヨナラ」ダケガ人生ダ 2 微かな呻き声が聞こえて、足を止める。不規則な明滅を繰り返す蛍光灯に照らされた廊下には、アークしかいない。それでも、物々しいシルバーノアの駆動音にかき消されてもおかしくないほどのか細く小さなその声を、確かにアークの耳は拾った。拾ってしまった。タイミングの悪さにうんざりする。
     アークは、あまり意識しないようにしていた傍らの扉へと視線を遣った。鉄製の自動扉だ。ロックのかかった扉の向こうの部屋は、最近行動を共にするようになったハンターの少年に与えたものだ。呻き声はこの中から聞こえた。間違いない。
     少年の——エルクの境遇は、大まかにだが知っている。彼から直接聞いたわけではない。だからと言ってアークから積極的に訊ねるわけにもいかない。エルクの過去はそれほどまでにデリケートで過酷だった。そんな彼が、扉一枚隔てたその向こう側で悪夢にうなされている様子は想像に難くない。だからと言って、そう多くの言葉を交わしたことのないアークが、容易に踏み込んで良い領域でもないように思えた。だから、うんざりしたし面倒だった。
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    menhir_k

    TRAINING前から3番目のクロディ(開き直り)
    多分ほんとに最後の追加分 光の勇者が現れた。久しぶりにクロス大陸の首都を訪れると、そんな噂を耳にした。
     噂の出所は首都クロスから程近い鉱山の町だった。すぐに、鉱山の町サルバに住む馴染みの顔が浮かぶ。町長の息子だ。幼馴染みと言っても差し支えないのかも知れない。勇者などと称される人物が現れたということは、それなりの荒事が起きたということだ。もう随分と会っていない彼の安否が少し気になったが、訪ねる気にはなれなかった。


     そう時を置かず、また勇者の話を耳にした。同郷の少女の口から、再会したその日の夜に聞かされた。彼女——レナの話によると、共に旅をしている青年が噂の勇者らしい。
     昼間、レナと共に訪ねて来た顔ぶれを思い出そうと記憶の底を攫う。紋章術師の女は覚えている。外見も言動も派手な女だった。だが、青年の方は印象に残っていない。髪はブロンドか栗毛色だった気がするが、瞳の色に至っては全く記憶にない。レナはレナでその青年に対して酷く腹を立てているようで、先ほどから彼の話で持ち切りだ。お陰で噂の勇者が本当にただの青年であるという知りたくもないことも知れた。
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    menhir_k

    REHABILI最終ターン!一応アシュクロアシュ最終ターン!!アシュトンのターンタターンッ!!!
    章を断ち君をとる ハーリーを発ったアシュトンは、南へ急いだ。途中、紋章術師の集落に補給に立ち寄る。緑の深い村はひっそりと静まり返り、余所者のアシュトンは龍を背負っていないにも関わらず白い目を向けられた。何処か村全体に緊張感のようなものが漂っているようにも感じられる。以前訪れたときも、先の記憶で龍に憑かれてから立ち寄ったときにも、ここまで排他的ではなった筈だ。アシュトンは首を傾げながらマーズ村を後にした。
     更に数日かけて南を目指す。川を横目に橋を渡り、クロス城の輪郭を遠目に捉えたところで不意に、マーズ村で起きた誘拐事件を思い出した。歩みが止まる。誘拐事件を解決したのはクロードたちだ。マーズ村の不穏な空気は、誘拐事件が起きている最中だったからだ。どうしよう。戻るべきだろうか。踵が彷徨う。来た道を振り返っても、マーズは見えない。もう随分と遠くまで来てしまった。今戻っても行き違いになるかも知れない。それに、ギョロとウルルンを放って置くことも出来ない。龍の噂はハーリーにまで広まっていた。アシュトン以外の誰かに討ち取られてしまうかも知れない。時間がない。
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