ポテトを食べるハイジョちゃん「お金持ちがファストフードを知らないみたいな幻想、やめてくださいよ」
「自分でお金持ちって言っちゃうかぁ」
「事実ですから」
五人席はないから、一つ椅子を借りてきて各々座る。四季くんが自分の席のことを、お誕生日席だと言っていた。なるほど、言い得て妙だと思う。
人もまばらもこの時間、時間が経っているであろうポテトは買ったばかりでもしなしなとしている。僕はわりとこれが好きだ。ふにゃ、として、油と塩の味。食べ盛り育ち盛りの僕らに必要なジャンクな栄養が、これにはギッシリ詰まってる。
「俺、見てみたかったんだけどなぁ。お金持ちが庶民に誘われて、マックのポテト初めて食べて感動するやつ」
「それ、オレもっす! ジュンっちが『これが庶民の食べ物ですか……』とか言うの、チョー聞きたかったっす!」
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