85_yako_p カプ入り乱れの雑多です。昔の話は解釈違いも記念にあげてます。作品全部に捏造があると思ってください。 ☆quiet follow Yell with Emoji Tap the Emoji to send POIPOI 434
ALL タケ漣 鋭百 カプなし 天峰秀 大河タケル 100本チャレンジ モブ 牙崎漣 花園百々人 想雨 カイレ クロファン C.FIRST 眉見鋭心 天道輝 ミハレナ ダニレナ 既刊 伊瀬谷四季 蒼井享介 蒼井悠介 W 若里春名 華村翔真 Altessimo 神楽麗 都築圭 古論クリス 葛之葉雨彦 レジェンダーズ 北村想楽 百鋭 秀百 薫輝 THE虎牙道 タケ漣ワンドロ web再録 誕生日 くろそら 途中 秀鋭 卒業 ケタザザ 短歌 プロデューサー 円城寺道流 叶納望海 御田真練 超常事変 渡辺みのり 癒残 堅真 ウォリアサ R18 街角探偵 わからん 九十九一希 四季漣 親友 輝薫 書きかけ 黒紅 道漣 DoS幻覚 ドラスタ 桜庭薫 BoH 春隼 サイバネ 山下次郎 寸劇 左右わからん しのかみしの 東雲壮一郎 ハイジョ レナート ミハイル S.E.M じろてる 旬四季 北冬 東雲荘一郎 秋山隼人 悠信 神谷幸広 アスラン そらつくそら 四季隼 140SS 黒野玄武 冬美旬 冬春 ゲーム部 ジュピター 卯月巻緒 四季秋四季 85_yako_pDONE薫輝。『花、雪、泡』のお題で書きました。いろいろめちゃくちゃだけど、この世界ではそういうことです。(2023/5/1)いつか夏の空に、同じ雪を見せて 花を吐く人間は大勢いるが、涙が雪に変わる人間はあまりいない。人前で泣く機会というものがこの年になると失われてくるものだから、僕が知らないだけで身の回りに当たり前に存在しているのかもしれない。だが、少なくとも僕が認識している範囲では僕の周りにそのような人間はいない。 この現象は涙雪症を呼ばれている。そう、たんなる現象だ。病の類ですらないのだから、本来は花吐き病──嘔吐中枢花被性疾患と同列に語るのがそもそも間違っている。犬が好きか、猫が好きかの論争と同じくらいくだらない。それでもこの現象が嘔吐中枢花被性疾患と同列に語られる理由は、たんに美しいだとか、ロマンチックだとか、そういうくだらない感傷からきているんだろう。元医者として病気と現象が同列に扱われるのは少しばかり思うところがないわけではないが、かといってその感情は言語化するには実態がなさすぎた。つまり、どうでもよかっただけだ。 4676 85_yako_pDONE超常の薫輝(癒残)いちゃついてます。 100本チャレンジその38(2023-02-02)魔法の手のひら「癒宇」 「なんだ」 「手、握ってくれよ」 テーブルに突っ伏したまま残が癒宇に投げかける。コーヒーで満たされたマグカップからはとうに湯気が失せており、癒宇がそこに視線をやっても残は意識を向けようとすらしない。 「疲れた、から」 いつものように──いや、いつもよりも相当多くの思念を読み取った残はそのまま癒宇のいる保健室にやってきた。とうに下校時間は過ぎており、きっと、誰も来やしない。 何もかも投げ出すようにだらりとテーブルに横たわった残の腕は伸ばされることはない。ただ、少し広げるように手のひらを癒宇に向けて、残は彼の反応を待っている。 「……残」 「ん?」 癒宇の言葉には諦めにも似た重い吐息が滲んでいた。癒宇は一度だけ自分の手のひらを見つめたあと、残の指先ではなく彼のラズベリー色の瞳をはっきりと見て、言った。 1006 85_yako_pDONE薫輝。消失マジックの逆です。出現マジックであってますか?100本チャレンジその2。(2021/11/25)消失マジックの逆 消失マジックの逆って、出現マジックでいいんだろうか。定期的に、それを見せられている。 会場は夢の中。主演は桜庭。俺はパジャマで観客席に座り、たったひとりそのショーを独占していた。 桜庭は星屑のようなラメの入った、タキシードにおとぎ話を混ぜたような服を着て、大きなシルクハットを手に持っている。そうして、シルクハットから、ありとあらゆるものを取り出してみせる。 昨日はハサミを出してもらった。そうすると、現実世界にハサミが現れるって寸法だ。何も、俺の引き出しに送り主不明のハサミが増えるわけではない。そのままの意味なのだ。現実世界にハサミが生まれる。さらに言おう。桜庭がシルクハットから取り出すまで、『現実世界にはハサミがない』 846 85_yako_pDONEお題「幸福」で書いた輝と薫のBL(便宜上薫輝にしてます)支離滅裂な酔っ払い桜庭による理不尽トークです(2021/11/04)不合理ヒーローショー「例えば世界中の人間が幸せになったとする」 桜庭の言葉は唐突だった。それは桜庭が泥酔しているという事実があったとしても、星の見える夜に雨が降るようだ。 桜庭にまとわりついたアルコールの匂いは普段の彼からは考えられないほど重く、濃い。その理由の大半は俺にあって、原因は目の前の酒瓶だ。頂き物の酒はアルコール度数の高さに反して量が多く、それでいて飲みやすかった。調子に乗ったのは俺で、俺からコップを取り上げて代わりに酒を飲んだのが桜庭だ。桜庭はたまに俺の前で気を抜くものだから、気がついたら男二人でソファーに沈み込んでいた。水を飲もうと立ち上がろうとすれば桜庭は瞼をあけて、唐突に口をひらいて言ったのだ。 前提の言葉だったから続きを待った。桜庭は酒でおぼろげな目をこちらに向けて言った。 3601 85_yako_pDONEたばこと薫輝(2019/01あたり……?)ちょっとそこまで 三月の、寒い夜だった。 空気も、風も、星も、冷たく瞬いていた。星を眺める間もなく踏み入れた通りは街灯がいくつも光っていて、その人工的な明かりの下をお互いに言葉もなく歩いていた。 こういうとき、僕が何も言わないのはいつものことだ。だけど、天道が黙っているのは珍しかった。 こちらを振り向かないのも、珍しかった。ただ、数歩先を無言で歩く背中についていった。 柏木は、いなかった。こういう日が少し増えたように思う。 車も、人も、猫も通らない道路の端の方、天道がくるりとこちらに振り向いた。街灯に照らされた鼻の頭が、寒さで真っ赤になっている。 頬の色を変えず、天道は言った。 「なぁ、俺が桜庭のこと、好きだって言ったらどうする?」 2720 85_yako_pDONE薫輝(2018/10/24)カレイドスコープ夢を見た。現実と地続きのようなそれは、一目で夢だとわかるようなものではなかったが、脳は正しくこれが夢だと理解していた。明晰夢というやつだろう。 意識が浮上した時、そこは寝室だった。真っ暗なはずのそこは、なぜかぼんやりと薄暗い。夢特有の都合の良さに、妙に現実味を帯びた時計の秒針が響く。カッ、カッ、カッ、と。 眠った時と寸分変わらない景色に、何故だか君だけがいなかった。二つ並んだ枕は片方だけがぽっかり空いていて、見慣れた赤い頭がないことに少しだけ苛立った。夢に腹を立てても仕方がないが、夢なのだから望み通りに世界が回っていたっていいだろうに。 夢の中だが意識はある。手は思い通りに動いた。体を起こしても、違和感はない。もしかしたら、現実なのかもしれないと思うほどリアルな夢だ。 3543 85_yako_pDONE薫輝。(2018/02/24)共に生きるということ。塩と胡椒をしただけの肉が、じゅうじゅうと焼ける家庭的な音。 その音を聞きながら桜庭薫はため息をつく。 何故、自分が食事を作っているのだろう。自身と、彼との二人分の食事を。 きっかけはほんの些細な雑談だった。 「桜庭って、料理できなかったら一人暮らし大変じゃねぇの?」 ちょうど桜庭のフォークがレタスを突き刺した瞬間。 確か、天道が作った食事を二人で囲んでいたときに、天道が何の気はなしに言ったこの言葉。 「バカを言うな。僕は人並みには食事くらい作れる」 料理ができないだろう、という前提の発言に少しムッとして返せば、そこにあったのはキラキラとしたラズベリー色の瞳だった。 「そうなのか」 裏切られるなんて思ってない、信頼の色。 1046 85_yako_pDONE薫輝 1