4匹の勇者猫と真っ赤なピエロのパイナップル(mikan).
正直、嫉妬している。年下の恋人に執着して、あろうことかその友人──16才の少年相手に嫉妬をしてしまっている。
自分は寛容な方だと思っていた。なるべく漣には自由にしていてほしいし、束縛する気は毛頭ない。そのつもりだったがこんなに些細な、漣に言わせたらくだらないと一蹴されそうなものごとにこだわるとは。
漣はよく人から服をもらう。
自分もジャケットをあげたことがあるが、たいていは四季からもらった服を着ている。確かに四季はセンスがいいし、その季節に着やすい服を選ぶし、ちゃんと漣のために動きやすい服を見繕う。それでいて四季からもらったと一目でわかるような個性もある。この個性が問題なのだ。正直に言うと、恋人をほかの男に染め上げられているようで、ほんの少しだけ気になってしまう。本当に少しだけ、だ。それでも一度気にするとそれは意識に度々浮上してしまう。
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