85_yako_p カプ入り乱れの雑多です。昔の話は解釈違いも記念にあげてます。作品全部に捏造があると思ってください。 ☆quiet follow Yell with Emoji Tap the Emoji to send POIPOI 434
ALL タケ漣 鋭百 カプなし 天峰秀 大河タケル 100本チャレンジ モブ 牙崎漣 花園百々人 想雨 カイレ クロファン C.FIRST 眉見鋭心 天道輝 ミハレナ ダニレナ 既刊 伊瀬谷四季 蒼井享介 蒼井悠介 W 若里春名 華村翔真 Altessimo 神楽麗 都築圭 古論クリス 葛之葉雨彦 レジェンダーズ 北村想楽 百鋭 秀百 薫輝 THE虎牙道 タケ漣ワンドロ web再録 誕生日 くろそら 途中 秀鋭 卒業 ケタザザ 短歌 プロデューサー 円城寺道流 叶納望海 御田真練 超常事変 渡辺みのり 癒残 堅真 ウォリアサ R18 街角探偵 わからん 九十九一希 四季漣 親友 輝薫 書きかけ 黒紅 道漣 DoS幻覚 ドラスタ 桜庭薫 BoH 春隼 サイバネ 山下次郎 寸劇 左右わからん しのかみしの 東雲壮一郎 ハイジョ レナート ミハイル S.E.M じろてる 旬四季 北冬 東雲荘一郎 秋山隼人 悠信 神谷幸広 アスラン そらつくそら 四季隼 140SS 黒野玄武 冬美旬 冬春 ゲーム部 ジュピター 卯月巻緒 四季秋四季 85_yako_pDONEファッショナブル道漣。友人へ捧げました。(2021/07/09)4匹の勇者猫と真っ赤なピエロのパイナップル(mikan). 正直、嫉妬している。年下の恋人に執着して、あろうことかその友人──16才の少年相手に嫉妬をしてしまっている。 自分は寛容な方だと思っていた。なるべく漣には自由にしていてほしいし、束縛する気は毛頭ない。そのつもりだったがこんなに些細な、漣に言わせたらくだらないと一蹴されそうなものごとにこだわるとは。 漣はよく人から服をもらう。 自分もジャケットをあげたことがあるが、たいていは四季からもらった服を着ている。確かに四季はセンスがいいし、その季節に着やすい服を選ぶし、ちゃんと漣のために動きやすい服を見繕う。それでいて四季からもらったと一目でわかるような個性もある。この個性が問題なのだ。正直に言うと、恋人をほかの男に染め上げられているようで、ほんの少しだけ気になってしまう。本当に少しだけ、だ。それでも一度気にするとそれは意識に度々浮上してしまう。 5331 85_yako_pDONE道漣。意気地なしな大人の道流です。クイズに正解したフォロワーに捧げました。(2021/07/06)全問不正解「らーめん屋」 さっきまで寝っ転がっていた漣が音もなくそばによってきてぴたりと寄り添った。じとりとした上目遣いでこちらを見て、無言で何かを待っている。 これは漣が最近覚えた遊びだ。自分たちTHE虎牙道がテレビに出るようになって知った遊び。もっとも、本人が遊び以外の意味を見いだしていたとして、それは自分にはわからないのだが。 漣は最近、自分にクイズを出してくる。 漣はクイズを知らなかった。いや、問いかけは当たり前にしていただろう。しかし、それを勝負のように扱うことを初めて知った。 漣はクイズ番組を知らなかったのだ。 知ってるか、知っていないか。それがそのまま勝負になるのだと知った漣は、しかしそれをタケルに仕掛けることはなかった。 1554 85_yako_pDONE道漣。劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライトを見てもらったお礼に書いた。推敲してない。(2021/07/07)六畳一間ホームシアターバトル「円城寺さん、これ」 タケルから差し出された袋の心当たりはなかった。大きさは台本よりは小さいほどか。バラエティの台本よりも一回り薄い。 きょとんとしていたら、困惑はタケルにも伝播してしまった。タケルもきょとんとしたあとに、困ったような、苦いコーヒーを口にしたときのような表情をする。 「えっと……アイツから聞いてないのか?」 「……漣が?」 要約するとこうだ。 タケルと隼人、そして恭二の三人で映画の話をしていたらしい。とても面白い映画で、タケルはDVDを買ったそうだ。 あそこが面白かった。ここが熱かった。そんな話に花を咲かせていると、ふらりとやってきた漣が聞いてきたらしい。 「それ、おもしれーのかよ?」 5033 85_yako_pDONE七夕と道漣(2019/07/03)星の川に愛を願う バレている。この腹の奥底に溜まった泥は隠せていると思うけど、上澄みの部分はきっとバレている。証拠と呼ぶには心許ないけれど、「らーめん屋」と呼ぶ声が、二人きりの時だけ少し甘ったるくなる。ような、気がする。 初めは無意識だったけど、思い返してみれば始まりに心当たりがある。 秋の日だ。晩飯の時だ。タケルと漣、二人の皿に肉が平等に入るように取り分けていたら、肉が一つ余ってしまった。 そのとき、二人の皿よりも肉が少なかった自分の皿に肉を入れればよかった。いや、いれるべきだった。だが、自分の手は自分の物ではない皿の片方にしれっと肉をいれ、ほとんど無意識に、だけど意図的に、その皿を漣の前に差し出した。 その日の夜、眠る前に少し考えて、少し考えて考えるのをやめた。タケルには次の食事と時に肉を多めにやればいい。それで平等だ、と。 2888 85_yako_pDONEレバニラと道漣(2019/10/25)レバニラ食べる道漣ちゃん らーめん屋ってわかりやすい。 底のところにある感情が見えないやつだって思ってたけど、底が見えない理由なんて単純なんだと思い至った。きっと、らーめん屋の腹んなかが底なしなだけ。ないもんは見えない。そんだけ。 そんな底のない真っ暗闇からこぽこぽと生まれるあぶくとして目に見えるようになった感情は、本当に単純で笑ってしまう。髪をタオルで拭う指先だとか、メシをよこしてきた時の嬉しそうな目だとか、電気を消したあとに必ず言ってくる「おやすみ」の声だとか。隠す気もないどろどろの好意はチビへのそれとは違っていて、まあ、気分は悪くなかったが物事ってのはハッキリさせたい。 「らーめん屋、オレ様のこと好きだろ」 見抜かれて、びっくりするんだろうって思ってた。でも、向けられたのは満面の笑み。 4468 85_yako_pDONE焼き芋と道漣ちゃん タケルくんを添えて(2020/03/09)焼き芋食べる道漣ちゃん「らーめん屋……いや、これがデザートって無理あんだろ……」 「おいオマエ、円城寺さんがせっかく買っておいてくれたんだぞ。……食べきれなくてすまない、円城寺さん」 「いや、これは自分が買いすぎたんだ。気にしないでくれ」 たくさん食べてくれてありがとうな。懐かしいアナウンスに釣られて買ってきた焼き芋は、半分以下まで減っている。でも、九本も買ってしまったんだ。子供の腕くらいある大きな焼き芋はあと三本残っていた。あと一本ずつ、とはいかない。ただでさえたらふく食べた後のデザートに出したんだ。ここまで減ったのは二人がよく食べるからにほかならない。 焼き芋がこんなにあるのに、でっかいハンバーグを焼いて、ご飯を五合も炊いてしまったんだ。歯止めが効かない、というのは違う気がするが、二人にはいくらでも食べさせたくなってしまう。きっと、今まで自分にたらふく食わせてくれた人たちもこういう気持ちだったに違いない。 2338 85_yako_pDONEネイルと道漣(2020/03/19)透明なマニキュア 誤解を恐れずに言うのであれば、自分は漣の見た目が好きだ。 誤解をされたくはないので補足をするが、もちろん中身が一番好きだ。ただ、内面から滲む漣の素直さだとか、凛とした芯の強さだとか、タケルの居ない時に見せる気怠げな様子だとか、そういう自分が好ましいと思う部分をきれいに表してみせる外面も好きだというだけの話。きれいなものが好きな人間は多いだろう。自分はもれなくその一員で、漣の美しさを気に入っている。 ただ、漣はそうではないから自分の美しさをいつだって蔑ろにしてみせる。きれいなものはきれいなままでいてほしい。きれいなものは、もっともっときれいでいてほしい。 それを自分の手で、もっときれいにできたら。これはどういう感情なんだろう。形はわからないけれど自分にはそういう欲求があって、漣はそれを叶えてくれている。 5383 85_yako_pDONEサボテン育てる道漣(2019/10/26)サボテン育てる道漣ちゃん らーめん屋の家に物を置くことが増えた。台本、プレゼント、着替え。きっと人よりは少ない持ち物の居場所が、あの物置のような寮から暖かい畳の上に移動していたことに気がついた時には、何かが決定的に変わってた。その何かがわからないまま、日々は流れる。 サボテンをもらった。別にいらなかったけど、くれるって言うからもらってやった。まんまるくて、手のひらで握ったら隠れそうな弱っちいやつだったけど、それを許さないと言うように全身を武装してる様が気に入った。 片手で持てる小さな小さな鉢は、当たり前のようにらーめん屋の台所に置かれた。ほっといてもらーめん屋が世話すると思ったが、それを言うよりも早く、らーめん屋が「サボテンに話しかけてやるといいらしいぞ」とか言い出した。オレ様が面倒を見るのは決定事項らしい。 1775 85_yako_pDONEクレープ食べる道漣(2020/03/01)クレープ食べる道漣ちゃん 最近は忙しくて三人の予定が合わない。個人の仕事だって増えたし、それぞれの交友関係も広がっている。当たり前に一緒にはいられないのだ。 ところが漣と一緒にいる時間はうんと増えた。ふらふらとしていた漣が、居場所を我が家に決めてくれたからだ。それは保護者を気取った「うちにいてほしい」という言葉ではなく、一人の男として口にした「一緒にいてほしい」という一世一代の告白を漣が受け止めてくれた結果だった。一緒にいてほしいと伝え、特別に好きだと伝えた。返事らしい返事はないが、こうしてこの安アパートに居着いたということは嫌ではないのだろうと自惚れている。 タケルにはそれを伝えた。その上で、タケルの事だって大切だということも。ただ、愛しているのは漣なのだと。 2449 85_yako_pDONEお風呂に入る道漣(2019/11/06)お風呂に入る道漣ちゃん タイヤキを八つも買ったのは、ばあさんが食べ切れるなら買うといいと言ったから。なんでも、八つ買えば『フクビキ』ってのができるらしい。 「一番いいのが当たるとね、温泉に行けるわよ」 そう言ってタイヤキを九つ袋に入れたばあさんが手渡してきたのは、緑色の紙っ切れ一枚。これがあれば『フクビキ』ができる。何をするのかはわからねーが、オレ様は最強大天才だから、一番なんざ余裕だろ。 商店街の入口、机に置かれたよくわかんねーものをくるくる回したら緑色の玉がでてきた。これで温泉に行けるのだろうか。よくわかんねーけど、祝福するようにベルが鳴る。ベルの音より大声でオッサンが言う。 「おめでとう! じゃあこれ、温泉……」 温泉。 2244 85_yako_pDONE鯨の話をする道漣(2020/04/30)孤独の海で会いましょう はぁ、と大きく肺が動く。吸ったのか、吐いたのか。自分のことがあやふやになって、漣の呼吸しか聞こえない。自分がどこまでも希釈されて、精液と一緒に漣の中に流れ込んでしまった錯覚に溺れていく。 ぽすりと布団に倒れ込んで、向かい合う形になった漣の瞳が開くのを待っていた。自分よりも荒い息、朱に染まった肌、乱れた髪。先程まで欲を煽っていたすべてが愛おしく思えてしかたない。正しく数分間、ぼやりと開いた瞳が一瞬揺らいだ後、普段の力強さを取り戻す。「らーめん屋」、とかすれた声が鼓膜を揺らした。 名前を呼ばれて、形が戻る。世界の形か、自分の形か。どちらかのパズルがピタリとはまり、豆電球が支える薄明かりやつけっぱなしだったテレビの音が戻ってきた。クジラは歌う。波に融ける。思い出した事がある。 1391 85_yako_pDONE道漣。フェチの話です。(2021/01/20)幸福までのプロセス ジリジリという聞き慣れた声でオーブントースターが時間を刻む。さっきドーナツをひとつ入れたっきりの腹がくぅ、と鳴った。 冷えた空気に漂う蒸気に気がついた円城寺さんがヤカンをコンロからおろす。この家の暖房はコタツに出番を譲り、クーラーとして活躍する日を待ちわびているんだろう。壁ひとつを隔てて伝わる冬の空気から逃れるように、アイツはなにも言わずにコタツに入ってずっと動かない。 オレンジのゼリーみたいな炎がザクザクとしたドーナツの表面をカリカリに焼いている。レンジのなかでは砂糖のかけられたドーナツのぺたぺたした部分が溶けていて、熱と一緒に甘い匂いが見慣れた空気に混ざり合っていた。 こういう食事の作法は円城寺さんと知り合ってから初めて知った。惣菜を皿に出したりだとか、ちょっといい飲み物を準備したりとか、まずはコタツをあたためてからとか、そういう、儀式にも似たそういう準備。なにか相応しい環境を整えて、なにかとんでもなく些細なものを食べる、って行為。 5785 85_yako_pDONE道漣。 85_yako_pDONE道漣 85_yako_pDONE道漣 リクエスト「手料理」(2019/02/12)看病イベント 任せるんじゃなかった。申し訳ないが、そう思った。 小さな袋麺が一つ、ちょうどよく収まる鍋。その中身は何を使ったんだろうか、緑の絵の具と紫の絵の具を絞り出したような、混ぜても混ぜても混ざり合わない分離した色がマーブル色をなしている。ときおり浮かぶあぶくは限界まで膨れてから弾けていくから、その様から粘度があると触りもしないでわかる。 このめまいは熱のせいではあるまい。三十九度に発熱した頭でそんなことを考える。 「おら、とっとと食え」 「……いや、自分は」 「アァ? 誰のために作ってやったと思ってんだよ」 それは自分のためだろう。それが痛いほどにわかるから、困っているのだ。 恋人が風邪を引いた自分を看病してくれる。憧れるシチュエーションだが、自分には無縁のイベントだと思っていた。だって、相手はあの漣だ。 1782 85_yako_pDONE道漣(2019/09/21)いらない 居場所なんて、いっこあればじゅーぶん。 色は似てない。大きさがちょうどよくて、なんだか懐かしい感じがした。そんでふかふかで、いい匂いがする。 これはオレ様のもんだって決めた。チビはそっちのを使え。そういえば呆れたようにチビが口にする。「好きにしろ」 蝉の声が聞こえる少し前、らーめん屋が引っ張り出してきたブランケットはオレ様が寮に置きっぱなしにしているブランケットに少し似ていた。よく考えたらそれはふかふかだったから、似てるってのは勘違いだったのかもしれない。オレ様のそれはごわごわで、汚くて、野良猫の毛並みみたいだったはずだから。 この時期に眠るのなんて、布一枚あればじゅーぶん。腹を隠してそれでおしまい。らーめん屋の家は寝心地がよかった。フウリンが何のためにあるのかはわからなかったけど、これを聞くとらーめん屋は涼しくなるって言って、チビが同意した。音で涼しくなるわけねえだろ。変なの。 2598 85_yako_pDONE道漣。(2019/10/21)夢に置き去り 円城寺道流は上機嫌だった。牙崎漣は不機嫌だった。恋仲と言っても差し支えない二人は、相反する感情の渦中にあった。 更に言うのなら、道流は酔っていた。三次会が終わった時点で道流が電車を利用できる状態ではないと判断した、彼に師匠と呼ばれる人間がその巨体をタクシーに押し込んだ。師匠――プロデューサーは自分がついていかなくても大丈夫かと何度も問いかけて、道流はその心配を笑い飛ばして一人で帰宅した。それは決してアパートの階段を上るだけなら泥酔した自分にもできると判断しての行動ではなく、ただ全身を支配する多幸感に後押しされた根拠のない自信だった。 そんなもんだから、道流は鍵を持っているにも関わらず玄関の扉をガンガンと叩き、家の中で眠りの浅瀬にいた漣を起こして鍵を開けさせた。そうして開いた扉を背に道流は「れ~ん~」と猫なで声を出し、にへら、と笑いながら漣が逃げ出す前に抱きついて、その米袋八つ分の体重を遠慮なく彼に投げ出した。ぐえ、と。漣の口から漏れた悲鳴に返されてのは謝罪ではなく笑い声で、したたかに打ち付けた背中の痛みとその陽気な声に、ただでさえ募っていた漣の苛立ちは最高潮に達した。 2167 1