助かりたいだけ 牙崎漣を殺した。だって、永遠になってほしかったから。
生きてる人間は熱狂を生むけれど、私はよりにもよって担当しているアイドルに熱狂ではなく信仰を求めてしまった。だから殺して、永遠にしたかった。
私は生きている作家よりも死んでいる作家が好きだ。彼らは更新されることがないかわりに私を失望させることがない。生きている人間は信仰できないというのが私の持論で、未熟な人生で得た生きる拠り所だ。不変は信仰の拠り所になる。問題なのは私がそれを漣さんに求めたことだけだ。
事務所で殺した。止めてほしかったのかはわからないけれど、私が応接室で漣さんを殺している時、デスクには山村くんがいて給湯室では百々人さんがお茶をいれていた。
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