秘密の味 恋の歌にも時期がある。出会いの春。恋人達のクリスマス。甘い甘いバレンタイン。それと、別れの冬。
ホワイトデーに愛の歌がいまいち流行らないのはなんでだろう。街角に流れる恋の歌にふと視線をあげたら、チョコレートを持って不敵に笑うアマミネくんが大きなポスターになって貼り出されていた。得意げに、そのくせ人懐っこい笑顔で笑いながらチョコレートをもらうアマミネくんというものは、女子達が色めき立つには充分だ。世はバレンタイン。アイドルは大忙しだ。
去年、僕たちにバレンタインの仕事はなかった。それがぴぃちゃんの戦略なのかたんに仕事がなかっただけなのかはわからないけれど、ありがたいことに今年は僕にもアマミネくんにもマユミくんにもお仕事がある。みんなバラバラだったのは少し寂しかったけど、一緒に仕事をした同年代の子とも僕は仲良くなっていて、この事務所で過ごした月日の積み重ねを実感した。
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