masasi9991 @masasi9991 妖怪ウォッチとFLOとRMXとSideMなど平和なのと燃えとエロと♡喘ぎとたまにグロとなんかよくわからないもの ☆quiet follow Yell with Emoji Tap the Emoji to send POIPOI 420
ALL デググラ 道タケ漣 妖怪ウォッチ 久々綾 かぶもも レクセル RMX クラテパ ヴァルフェン レオクリ ゼロクス ZXA 創作 ジクイア masasi9991DONEレッドがアクセルくんを拾った直後の話殻のベッド メンテナンスルームに散らばったガラス片が、気流に煽られた機体の振動に合わせて床の上を跳ね回った。開きっぱなしのドアから差し込む廊下の照明を受けた破片だけが白く照り返す。室内の電気系統は切れているらしい。 「怪我はないか?」 「そこのベッドから逃げ出したヤツ以外には」 物陰から顔を出したメンテナンス担当の技術士が肩を竦めた。なんでも、メンテナンスポッドで目覚めたヤツは突然暴れ出すと、技術士の静止も聞かずにどこかへ逃げていったそうだ。 ビーカー型のポッドはレプリロイドの拘束具としてもそれなりに機能する――と、常識的に認識していたが、あいつに対してはそうでもなかったらしい。そこら中に散らばっているのは、内側から破壊されたポッドのガラス片だ。 1056 masasi9991DONEおでんを食べてるデググラあつあつおでん「あちちち」 「ちゃんとフーフーしたか?」 「うううん。あふあふ。む?」 熱いけれども一度口に入れてしまったものは仕方がない。それにうまい。出汁のよく染み込んだ餅巾着をがぶっとかじって、中のおもちを伸ばしつつ一口食べる。うまい。そしてアツアツ。はふはふだ。 そんなおれのほっぺたを、ひんやりした指がピタリと触った。 「火傷してないか。赤くなってる」 グランツの指がこしょこしょしながら動いて、おれの下唇をふにっと触った。やっぱりひんやりとしていて、おでんのあつあつにびっくりした唇に気持ちいい。 「むむむむ……。うん! 大丈夫だ。熱いのは得意なんだ! それより、おまえの手は冷たくなっているな」 「あはは。火傷を冷やすのにちょうどいいだろ?」 525 masasi9991DONEいちゃいちゃしてるデググラ見えるところに このへん、な気がする。指で触れてみると少し熱を持っているような感覚があるから。でも自分じゃちょっと見えないな。鏡の前で後ろ髪をたくし上げてみたところで、自分のうなじを見ようにも限界がある。 感覚だけは確かにあるから、ひたすらもどかしい。 鏡がもう一枚あれば見えそうではある。手鏡か何か、部屋に取りに戻ろうか。でももう服も脱いでしまったしな。 「おばんです! グランツ! わひゃっ」 「あれっ?」 脱衣所のドアを勢いよく開けて、デグダスが入ってきたかと思ったらすぐに回れ右をして出ていった。 ドアの上の部分のすりガラスに、向こう側にいるキミの頭がぼんやり透けて見えている。赤毛の後ろ髪だ。あっちを向いて、モジモジしているらしい。 1460 masasi9991DONE朝の土ガマ日頃の朝の まったく腑抜けた顔をしておる。こやつの顔など見飽きたものだと思うてはおるのだが、見るたびに新しく驚いてしまう。自然と閉じられて開く気配のない目元もそうだ。呼気にあわせてぴくりぴくりと動く小鼻もそうだ。だらしなく開かれた口元もそうだ。覗き込めば唇の奥でどろんとした舌がてらてらと光っているのまでも見えるし、それも呼気や鼓動にあわせて蠢いていることもわかる。そうして口を大きく開いている分、頬は丸く緩んでいる。 吾輩が知る限り、これは本来野山に生きる本性を持つはずなのだが。こうも無防備で眠りこけても良いものか。他人事ながら心配になる。いや、他人どころか敵同士であるはずだ。それが敵地にあってこのようにだらしなく、ぐったりと朝寝をして、いつまでも起きない。 782 masasi9991DONE暑い日の現パロ久々綾食欲がない 久々知先輩が床に落ちている。これは珍しい。 安アパートのドアを開けた瞬間に内側から生ぬるい風が吹いてきた。なんだこれ? 当然ながら外の方があっついし湿度も高くてかなり不快だ。だから僕も室内を求めてここまで来たんだし。現代人の住居なんだからクーラーぐらい大抵は付いているから、と。 なのにドアを開けてまず最初に浴びたのが、外よりはマシかもしれない程度の生ぬるい空気。なんで? 事件? わけがわからないけど取り敢えず家に入る。で、狭い玄関でサンダルを脱いで……先輩の靴、あるな。居るんだ。と思って視線を部屋の方に向けたとき、床に落っこちてる先輩を見つけた。 なんにもないのに床に落ちている。例えばそこにトラップとがあるっていうなら、わからなくもない。天井に穴が開いてたりしないと天井を見上げる。開いてない。つまり上の階の廊下に開いた落とし穴からこの廊下に先輩は落ちてきたってわけじゃなさそうだ。そうだったら面白いのに。 1614 masasi9991DONE探索中のレクセル崩れる! 静寂だった。無闇に辛気臭く、屋根すら吹き飛んだ埃っぽい瓦礫の中に風が吹き込み、砂埃が舞う音まで聞こえる程度には。 さっきまでは。 雪崩を起こした瓦礫の最後の一片がオレの頭の横をガコンガコンとけたたましく音を立てながら落っこちてった。耳に反響するほどにやかましい。 「……てめえ、オレが避けなかったらどうなったか、わかってんのか?」 「うん。レッドなら避けないって信じてたよ!」 オレを下敷きに瓦礫の上に着地しておきながら、悪びれもせずにそいつは言う。まだ、オレの膝の上にいる。こいつが現れただけでとんでもねえ騒がしさだ。一体どこから飛んできたんだ? 呼びかけられて振り返った時には、既に避けるか避けないかの二択を迫られる瞬間だった。それも真っ昼間の逆光の中だ。余地はない。どんな思考回路と身体能力してんだか、常に見当が付かない。 712 masasi9991DONEちょっと昔の土蜘蛛さんと大ガマさん侵入 天井から落っこちてきた。なんだこいつは、と訝しんで覗き込む。がしかし、こいつは罠か、と遅れて気付いた。白い玉のような砂利の床に落ちた小指の先ほどの黒い粒には、足が一、二、三……八本生えている。おれは慌てて後ろに飛び退いた。 そいつはぴょんと飛び跳ねた。蜘蛛は跳ねない。糸をを掴んで、糸を伝って、飛び上がったのだ。だからぶらんぶらんと弧を描いて揺れる。糸の半円よりは飛び出せない。だのにおれは大袈裟に飛び上がっちまった。 やっちまったなァ、と居心地の悪さに舌打ち。随分大袈裟に驚くもんだって、あいつは今頃笑っているだろう。嫌味な含み笑いだ。おれからあっちは見えちゃいないが、見えてなくとも目に浮かぶ。きっといつもの座敷で茶菓子でも齧りながら一人で笑っているに違いない。 623 masasi9991DONEおやすみなさいのデググラ狭くて困ってる 寝袋に入るときには順番が決まっている。おれが先に入ると、キミが入れない。まず先にキミにゆっくり入ってもらって、その後に横の隙間にお邪魔させてもらう。 採掘での野宿のためにこの間買った二人用の寝袋、売り文句は「ゆったりサイズ」だったけど、キミと一緒に入るとその売り文句は完全に誇大広告になってしまった。寝返りを打つのも一苦労。だけどその分暖かいから、悪くはない。洞窟にしろ山にしろ、この季節のキャンプは冷えるから。 「お邪魔いたします!」 「あははっ、それじゃ逆だ。キミはもう入っているんだから、それを言うのはおれの方だ」 「それもそうだな。ということはおれが言うのは……いらっしゃいませ!」 「あっはっは! それもどうかと思うぜ! ふふ、お邪魔します」 1329 masasi9991DONE媚薬すごろくの続きのデググラ「媚薬を飲んで興奮した身体をどうやって静める?」 1245 masasi9991DONEなんかゲームをしているレクセルゲーム「ずるい」 「こんなんで本気になるなよ」 「だってさ、レッドの方が手、大きいし。操作しやすいから有利なはずじゃん」 「だがこの手の空間認識能力はお前の方が優れてる、だろ?」 「そうだよ。だからボクがこんなに負け続けるの、おかしいよ。ちょっと手が大きいからってずるくない?」 「手の大きさだけで勝ってるってワケじゃない。こういうのは勘と経験がものを言うんだよ、特にこの手のゲームはな」 「経験とか言ったらボクはいつまでもレッドに勝てないじゃん!」 「そうかもな」 「んんんん。もう一回! もう一回だけ勝負して!」 「そりゃいいけどよ、お前ここまで四回……五回か? 負けた分の賭けはどうするつもりだ」 「う。それは後で払うよ。ていうか何させるつもりなのか聞いてないし」 618 masasi9991DONE土ガマの朝朝寝 なんだかんだの一晩が明け、眠ったような眠っていないようなわずか一瞬の微睡みから目を覚ます。だがこの時間を一瞬だと思っていたのはおれ一人だけだったようで、日はとっくに真上へと上がっている。縁側から伸びる影の短さでそれがわかる。背を向けて座っている。そんなに面白いものが、その視線の先にあるのだろうか。おにゃ、いつもの通りの庭先しか見えないが。 目覚めてそのまま、身じろぎもせずにその背中と影を観察する。それこそそう面白いものでもない。まったく見慣れただけの背中だ。おれが起きたというのに気付きもしない。気付いていても、振り返らない。そういう薄情な素振りをする野郎だ。おそらくそれが硬派だなんだと思っている、時代遅れの野郎なのだ。 803 masasi9991DONEおやすみのあとのデググラ子守唄 なんとなく、眠れない。どこか体調が悪いってわけでもなく、ただ落ち着かない。明日も早いから早く寝たいという気持ちだけはあるんだが。どうにも、目を閉じても。 そんな焦りに反して、ベッドの中は相変わらずどうしようもなく心地が良い。キミが隣に居るからだ。だからブランケットの中に潜り込んで、目をつむっているだけで、悪くはない気分。このまま朝まで眠れないままでいてもいいのかもしれない、と思い始めているのも良くないか。 ベッドの中で、キミの穏やかな寝息と心臓の音に合わせてシーツとブランケットが静かに揺れている。キミの暖かな体温の方に向かって寝返りを打って、腕に寄りかかった。 これは腕だな。目を閉じていても触れたらわかる。太くて暖かくて柔らかくて、少しもじゃもじゃの毛が生えている。ベッドの上の方に置いてきてしまった枕の代わりに、キミの二の腕にぎゅっと顔を押し当てた。 1089 masasi9991DONEいちゃいちゃしているデググラマシュマロ?「おまえがそんなにおいしい! と言うのなら、そのマシュマロは間違いないな」 「あれ、知らなかったのか? おれはマシュマロだけは手放しに大好きなんだ」 「そうなのか!? 知らなかった!」 もにゅもにゅしている。グランツのお口に放り込まれたマシュマロが、もにゅっと噛まれている。そしてグランツのほっぺももにゅもにゅとしている。 山で食べるマシュマロは格別だ。海もいい。洞窟でもいい。草原でもいい。家の外で、焚き火などをしつつ食べるのがいい。 本当のところ、採掘の休憩ついでに焚き火で焼いて食べようと思って持ってきたのだが、グランツがそのままもにゅもにゅ食べ始めたでの、その手があったかと思いおれもそのまま食べている。 962 masasi9991DONE周囲に迷惑をかける土ガマ面倒な男「よう」 と短い一言で挨拶を済ませた彼は、何気ないフリをして視線を部屋の奥へと向けた。 「大ガマちゃんがあたしに用があるなんて珍しいわね」 「でも無いことでもねぇだろ? いつものように先に使いを出しておいた筈だぜ」 「もちろん頼まれたものはできてるわよ。でもそれこそいつもみたいに使いでも走らせればいいじゃない」 「おれもちょっとここに用があったんだ」 「で、アテが外れた」 頷きはせず、やや拗ねたように口をとがらせた。いつものウルサイ鳴き声は身を潜めているよう。そういう態度は物珍しいわね。そして玄関に立ったまま、帰ろうとしない。 「女郎蜘蛛、さっきおれがここに来るのが珍しいと言ったが、それよりもっと珍しいことがあるだろうよ」 974 masasi9991DONEクリスマスのデググラhttps://poipiku.com/955041/5864891.html の続きいい子にしてたから サンタクロース役はあっという間に片付いてしまった。ロッタナもロックもベッドに入っていい子にしていたから――彼らの寝室に入った瞬間に、「あれっ?」という小さな囁き声が聞こえたけれど。 きっとあれはロックの声だったんじゃないかな。ロッタナの方は勘がいいから、例年と違うサンタ役に驚く前に、事情を察してくれたのだろう。まあともかくそんなイベントは起こったものの、その後すぐに二人ともちゃんとベッドの中でぐっすり眠っているかのような様子で、おれが枕元の靴下にプレゼントを入れるのを黙って待っていてくれた。 あっという間だ。でも案外、緊張するもんだってのがわかった。喜んでくれるだろうか? ――おれが選んだプレゼントじゃない。デグダスが選んだんだから間違いない。だけどサンタ役がおれで良かったのかどうか。おれなんかでちゃんと務まっただろうか。本物のサンタクロースじゃない――本物がいないことは幼い子供でも知っているとしても、こういうのは家族でやるイベントなんだろうし。 2894 masasi9991DONEクリスマス準備中のデググラ今夜の支度 まだ落ち着かない。ちょっと気を抜いたら、思い出して笑ってしまう。いけないな、笑って手元が狂うと危ないし、何よりもうこんな時間だ。騒ぐと下の階で寝ている二人が起きてしまう。ま、元々まだ寝ていないとは思うが。 「大丈夫か? 元に戻るだろうか?」 「元通りは無理だろうな。おれの裁縫の腕を信用しないでくれよ」 「しかしおれがやるよりずっと上手だ!」 ベッドに座って作業をしているおれの手元を、キミが心配そうに、そして申し訳無さそうに、さらに大焦りで覗き込む。 二人してベッドの上に座っているが、おれたちこそ今夜はまだ眠る気はない。ただ想定外の裁縫の仕事に、ちょうど適した場所が他になかっただけだ。それに裸のキミは、ブランケットにでもくるまって暖まってもらわないと。 2249 masasi9991DONEおやすみ後のデググラまぶしい 目を閉じて真っ暗でも、キミの隣りだとなぜだか少し眩しいような気分でいられる。少しおかしい感覚かもしれないな。夜も遅くて、寝室のランプも消して、二人で黙って目を閉じて、眠りに落ちる瞬間を……多分、待っているんだけど、眠らずにこのまま目を閉じているだけでも充分満ち足りている。 昔のおれは、夜ってのはどこかに取り残されたような気分になるから好きじゃなかった。今は全く違う。夜は好きだ。昼間離れてても、夜にはこうしていられるし。 ベッドの中を手探りで、キミの身体をまさぐる。キミは結構寝相が悪いから、毎晩色んなポーズで眠っている。おれはそんなキミの身体のあちこちを触りたい。それじゃ変態みたいだな。でもそれが本心だから仕方がないか。触りたいのは腕も足も背中も、色々だ。今日は腕がいい。隣に並んでとても近くで寝ているんだけど、今は特にキミの腕が恋しい。だからベッドの中で少し探さないといけない。どうせ目を開けても暗闇だから、目は閉じたまま。 1351 masasi9991DONEお祭りのデググラ危険な食べ物「あ」 「どうした? ポカンとして。おれの顔に何か付いているか?」 「ふふ、顔……じゃないな。いや、顔か。デグダス、ちょっと笑ってみせてくれ」 「わっはっはっはっは! なんだか照れるな!」 「あっはっはっはっは! じゃなくて、ニコッと」 「ニコッ」 「そう。……ぷっ。あははっ、やっぱり歯に青のりが付いてる」 「えっ!? それはお恥ずかしい!」 慌てて口元を隠したキミは、モゴモゴとくぐもった声を出した。手で隠した下で頬がムニムニと動いている。 「取れたかな?」 「取れた」 「よかった」 安心したのか胸をなでおろし、もう一度ニコッと笑ってこっちを見た。うん、いつも通りの白い歯だ。 「焼きそばは危険な食べ物だな」 「でもお祭りと言ったらコレじゃないか?」 772 masasi9991DONE人間界でなんかしてる土ガマ氷 グラスの肌を水滴が滴り落ちた。中の氷が溶けて崩れ落ち、いかにも涼しげな音を立てる。その向こうに腕組みの人影。生白い肌、生白い額、澄ました目尻、きつく結んだ口元、冷たいアイスコーヒーのグラスの背景としては案外よく似合っている。いささか古風な出で立ちも、まあ、悪くはないものだ。 「飲めねぇのになんで頼んだんだよ」 「知らぬ。横文字ばかりでこれが一体何んなのかもわからぬ。お主が遅れて来たのが悪い」 「へえへえ。ま、そういうことにしてやろうか。勿体ねえからそいつはおれがもらうぜ。代わりにあんたの好きそうなものを注文してやる」 「遊びに来たのではないのだぞ」 「まぁねえ、でも今しばらくは、オレらの出番じゃなさそうだ」 582 masasi9991DONEおめかしするデググラちゃんと鏡に映らない「いつもおまえを頼りにしてしまってお申し訳ないと思っているのだが、どうしても自分一人ではうまくできないんだ」 「『お』もいらないし『申し訳ない』も必要ないさ。おれが好きでやってるんだ」 「ウーム、グランツはおしゃれさんだものな。裁縫師になっても、きっと素晴らしい服や服……それに服なんかを作っていたのだろう」 「キミにおれが好きな服を勝手に着せてるだけなんだから、一から作る裁縫師とはわけが違うと思うぜ」 「そうだろうか? しかし考えてみれば料理も上手だから料理人もできそうだし、宝石を使ったアクセサリーへのセンスも素晴らしいから錬金術師もアリだな。腕っぷしも強いから傭兵の道もある」 「一体誰の話をしているんだ?」 1313 masasi9991DONE採掘しているデググラとくべつな足音 足音を立てずにそっと近づいて、キミの背後に陣取る。ピッケルをおおきく振りかぶって、カーンと高い音を立てて打ち付ける。カーン、カーン、と何度も。力任せにやっているように見えて、実のところとても繊細な動きだ。鉱脈の流れをしっかりと腕に受け止め、次はどこにどれだけ力を加えるべきかを瞬時に判断している。 採掘師ってのは泥臭い仕事のように思われるが、実際は地中に眠る貴重な鉱石の塊を真っ二つにしちまわないよう、常に繊細な仕事が求められている。 今日もピッケルを振り上げては下ろすキミの動きは実に見事だ。ピッケルを支える腕の筋肉は力強く緊張して膨れ上がり、身体を支える腰と足は巨岩のように地面に突き立って、どれだけ激しくピッケルを打ち込もうとピクリとも動かない。首筋に汗が浮かんで、背骨の横を流れ落ちてタンクトップの襟首に吸い込まれる。洞窟の壁に掲げたランタンがキミの肉体だけを照らしている。 1719 masasi9991DONE楽しそうなデググラ大きさの差「うーん、それじゃ少し小さすぎるんじゃないか」 「そうかな? 充分でっかくしてるつもりなんだが」 「いやいやまだまだ、おまえはそんなものじゃないはずだ!」 「んふっふっふっふっふ、そんなに期待をかけられてしまうと……アハハっ。期待ってのは違うか」 「当たらずとも遠かわず……だ! 大きいに越したことはない。おれも大きいほうが大好きだ!」 「あはっ、正しくは遠からず、だな」 「ん? カラスだったか?」 「ふっふっふ。確かにキミのは見事な大きさだ。相変わらずでっかいな! そんなサイズ、おれに入るかどうか」 「ンむふっ、まあ自慢ではないが、大きさには自信がございます!」 「ふふっ。キミは手もデカいしな」 「あ! そうかわかったぞ! ではおれがグランツに貸してあげようじゃないかこの手を! つまり、おれがグランツに、でっかいおにぎりを作ってやろう!」 912 masasi9991DONE採掘後にいちゃいちゃしているデググラおいしそうな キミが今日の戦利品を広げながら、じーっと考え事をしている。今日は宝石が多かった。掘り出されあた後に、きれいに丸く磨き上げられたライトブルーの一粒がある。ちょっとしたいたずらを思いついた。 「それ、うまそうだな。その握ってるやつ」 「んっ?」 ちょうどキミはその一粒を手のひらの上に乗せたところだった。話しかけられてびっくりしたのか、その一粒をぎゅっと握りしめる。 「どれだ? おいしそうなおにぎりは?」 「おにぎりは昼に山頂で食べてしまったじゃないか。あははは、あれも確かにおいしかった!」 「そういえばそうだった! うーん、あれはおいしかった。デッカイおにぎりを朝からにぎった甲斐があったな」 「採掘だけじゃなく山もかなり登ったわけだし、疲れている分なおさらだったな。明日の弁当もおにぎりにしようか」 1492 masasi9991DONE朝からいちゃいちゃしているデググラ 2635 masasi9991DONE深夜のデググラ成功だけど失敗 夜遅くに帰ってきてすぐに、ソファに倒れて眠ってしまった。今日の仕事は激しかったらしく、おれに「おかえり」と「おはよう」をどうにか言うだけの体力しか残っていなかったようだ。それじゃどっちも逆じゃないかと吹き出しそうになったが、近所迷惑なので思いとどまる。なにしろ真夜中だ。 ソファの上、慌てて受け止めようとしたおれの上で、キミがスヤスヤと安らかな寝息を立てている。弱く灯したリビングの明かりの中でキミの可愛い寝顔を見て、規則正しい寝息を聞いて、他になんにもない。いい夜だ。おれもこのままここで寝てしまおうかなんて思わなくもない……けど、キミに押しつぶされてるおれはともかく、仕事終わりの汗のたっぷり染み込んだ作業着のままのキミが風邪をひきかねないから。 1894 masasi9991DONEお風呂に入ろうとしているデググラ 1534 masasi9991DONEドーナツを食べるデググラドーナツひとくち「むむっ、かけすぎてしまったか!?」 「ドーナツってこんなもんじゃないか」 「そうか? 食べにくくはないか?」 むむむ、と唸って口をへの字にする。確かにキミはうっかり砂糖をかけすぎたのかもしれない。でもドーナツってのはこんなものだ、ってのも一理あるんじゃないか。そして食べにくいってのも、どんなドーナツでも一緒だ。 「あはっ。口の周りを砂糖だらけにして食べるのが、ドーナツの醍醐味だろ?」 「言われてみればそれもそうだ。罪な食べ物だなぁ」 「あっはっはっはっは。ま、とにかく食べちゃおうぜ。もうおあずけはなしだ、待ちきれない」 「ああ!」 砂糖をまぶしている間もキミは幸せそうな顔。かけすぎた! と慌てた困り顔も、それはそれでイイ顔だった。おれが食べにくいんじゃないかと心配してる顔まで、全部たまらない。 1090 masasi9991DONEドーナツを食べようとしているデググラドーナツ揚げたて なんて嬉しそうな顔をするんだろう。家のドアを開けた瞬間から、ただいま! とキミは大きな声で言って――そのとき家に帰ってきたのはおれの方だったんだが、キミはいつものうっかりをした。 「あっはっは。それを言うならおかえりだろう?」 「あ! そうだった! おかえり、グランツ!」 「ただいま。なんだかいい匂いがしてるな」 「わかるか? むふふ。食いしん坊さんめ」 「台所の方からいい匂いがする……ってことは、キミがなにか美味しいものを作ったわけだ。あってるだろ?」 「名探偵だな」 「ふふっ、おれは食いしん坊だから、キミの作るものはなんでも大好物なんだ。揚げ物かな?」 「そうだ」 キミはスキップで台所の方に戻る。キミの大きな歩幅でスキップしたらほんの二、三歩の距離だが、たったそれだけの距離でもキミはしっかりとしたステップを忘れない。そして台所のカウンターの中から手招きする。 1036 masasi9991DONE温泉でいちゃいちゃしているデググラ二人専用「なあ、そっち行ってもいいか?」 「おう。ちょうどここに座りやすい岩がある!」 おれが手招きするとグランツがパッと笑って、お湯の中に顔を半分沈めてすいすいっと泳いでやってくる。楽しそうだな! おれも泳ぎたい、がグランツはもうこっちにやってきてしまった。 「おれがそっちに行けばよかったなぁ」 「あっはっは! それじゃダメだな。おれがこっちに来た意味がない」 「うん?」 泳いできたグランツは、おれの腕の中にすっぽり入った。お湯から顔を出しておれの鼻先にそのお鼻をちょん、と。お湯の中でお鼻もポカポカになって、ピンク色だ。ううむ、近すぎてよく見えないが、暖かいのは間違いない。 「おれがここに来ちゃダメだったか?」 1289 masasi9991DONEいちゃいちゃしてるデググラ 1602 masasi9991DONEエッチ前デググラ 1351 masasi9991DONEいい夫婦の日のデググラいい夫婦の日「今日はいい夫婦の日らしいぜ」 「ほおーう」 商品棚の上にある掲示板にそんなことが書いてあるのを見つけて、なんとなく読み上げた。今日はいい夫婦の日ということで、記念日割で魚が安いらしい。まあ単にセールの口実として掲げているだけで、特に意味なんかないんだろう。 でも、そうか。今日はいい夫婦の日か。キミはなんて反応するだろうか? 何の気なしに言ったようなフリをして、反応を伺う。 キミは今日の割引のかまぼこを手にとって、じっと見つめている。 「うーむなるほど。白、ピンク……そうだ! ショートケーキだ!」 「あははっ。色が似てるからか?」 「そうそう。こんなふうに名前を入れてもらったり、顔を描いてもらうのはどうだろう」 1090 masasi9991DONE朝からいちゃいちゃしているデググラその翌朝のこと ふと目が覚めて、なんて気持ちのいい夜だったんだ! と胸をウキウキさせながら背伸びをして布団から身体を起こす。ちょっと名残惜しい暖かさがお布団の中に残っている。まだ少し暗い朝、まだ起きる時間にはちょっと早い明るさのお布団の中を覗き込むと、グランツが丸まって眠っている。 空気に触れた肩が少し寒いと言わんばかりでぷるっと震えた。そしてさらにお布団の奥へもぞもぞと潜り込む。 悪いことをしてしまった! そう思ってめくったお布団を慌てて元に戻す。いや元通り以上にしっかりくるんで包んでおいた。これで安心。 いやしかし、そうは言っても、これじゃグランツの顔が見えない。まだ起こすには早い時間ではあるかもしれないが、でもせっかくだし。せっかくの……いつもと特に、変わらない朝だ。いつもどおりによい朝だ。しかし特にぐっすり気持ちよく、眠れた朝だ。昨日はぐったり疲れて眠ったからな。 1564 masasi9991DONEおいしいものを食べようとしているデググラ板チョコは苦手 大きな背中がうーんうーんと唸っている。絵に描いたような悩み方だ。キミ見ているお店の看板は、店の名前が山盛りの白砂糖で描かれている。近付いただけで甘い匂いが。 キミを悩ます甘いものはいったいどんなものだろう? 興味を惹かれてそっと近付いて覗き込んでみると、そこに並んでいたのはチョコレートだった。 「どれにするんだ?」 「ワッ」 声をかけたら飛び上がりそうなぐらいにびっくりされる。丸い目がいつもより真ん丸だ。その大きな背中でチョコレートについて一生懸命考えていたってギャップが、最高にかわいい。 「どれにしようか、というか買うか買うまいか、というか」 また腕を組んで悩み始める。昼下がりのマーケットどのお店も客は少なくまったりとしている。しかしここみたいな甘いものの店は例外だ。デグダスと同じように、商品の前で悩んでいる客が他にもチラホラ。甘いものの魔力ってやつらしい。 1449 masasi9991DONE飲み会の席でいちゃいちゃしているデググラ飲みすぎ注意「デグダス!」 とおれに呼びかける声がすぐに聞こえた。お店のドアを開けてすぐ、むしろ開けた瞬間、もしかしたら開けるちょっと前だったかも? なんにせよ非常にありがたい。こえの方向を見れば、すぐにグランツが見つかった! 「こっちだ! あっはっは。報告書、思ったより早く片付いたんだな? お疲れ様、デグダス」 「うむ。今日はもう喉が乾いて喉が渇いて! はやく冷たい麦ジュースを飲みたくて急いでやっつけた! ……でもあとで一緒に確認してくれ」 「ああもちろん」 グランツの横がちょうど空いていたから、そこに座らせてもらった。賑やかな飲み会のテーブルには麦ジュースのグラスがいくつも並んでいる。それにたくさんの料理も。しかしおれの分はない。まあ遅れて来たのだから仕方がない。 1581 masasi9991DONE大やもりと土ガマの普通のバカバカしい日大やもりのとくになにもない日「ああ暇だなァ。これといってやることもねえし、やりたいことはあるが今はその時じゃねえし……だからといってこの今を無駄に過ごすってのも、なあ」 「帰れ」 あ。しまった、返事をしてしまった。今日は絶対にこいつのことは無視しようと心に決めていたのに。延々と話しかけてくるからつい反応してしまう。でもこれはオレの精神力とか決断力とか意思とかそういうのが弱いせいじゃない。近くでなんか喋ってる奴がいるってだけで、無視するのもエネルギーを使うんだ。 こいつそこんとこわかってんのかな。わかってなさそう。何も考えてなさそう。 「なあ、有意義な時間の潰し方ってモンは、ここにはねぇのか?」 無視しよう。もう一度、決意を固める。 2158 masasi9991DONEいちゃいちゃしてるだけのデググラあまがみ お鼻がこちょこちょする。しかしそれもなんだか悪くない。それどころかそのこちょこちょ感がうれしいような、楽しいような、ドキドキするような。それにちょっと眠たくなる、が他の気持ちの方が勝ってこのフカフカのソファの上で寝落ちということだけは免れている、というような今日このごろなのだ。 ソファのフカフカに二人で座っているととても暖かいというのも、眠気を誘う。グランツがおれにぴったりくっついているのでさらに暖かい。そしてさらにもっとくっつくように、おれもグランツを抱き寄せる。グランツはその体勢でめいっぱい背伸びをして、おれの鼻をがじがじしている。いったいなぜだ? よくわからないが、いくら噛まれても痛くない。あまがみというやつだ。がじがじの途中にペロペロもしている。つまりそれがこちょこちょの正体だ。 979 masasi9991DONEキスしてるデググラ masasi9991DONEセックス同意書の話( https://poipiku.com/955041/4131800.html )の続きのレクセル最中描写はなしまだ続く 1041 masasi9991DONE土蜘蛛さんと大ガマさんの出会ったときの話悪い妖怪 鬱蒼と茂った深い山の奥だ。あまりにか細い獣道を見るにつけ、人も獣もまともに寄り付かぬと見て取れる。 その場所によくない噂があるのは知っていた。それを重々承知でやってきた。根も葉もあるのかどうかは知らないが、噂なんぞは怖くない。むしろこちらが恐れ追い立てられる側なのだ。そこに潜むのが妖怪変化の類ならばはらからだ。話の通じる相手であれば、と断り書きを入れようが。もしも話せぬような相手であれば……まあよい。まずは会って考えてみようではないか。仮にここがだめでも、幸いこの国は広い。まだ彷徨うあてがある。 ……などと考えて歩く折、何かに追われているのを察した。 命を付け狙うといった苛烈な様子ではない。獣道の草を踏む怪しい足音。草木を分け入って、吾輩とそう変わらぬ速さで歩いている。付かず離れず、こちらの様子を伺っているようだ。 2246 masasi9991DONEおやすみ前にいちゃいちゃしているデググラごきげんなので 今日はごきげんな日だ。もう寝る時間だというのがもったないくらいの素晴らしい胸のワクワク。眠りたくない。しかしこうしてお布団の中に沈み込んでいるこの時間も含めて、今日というとってもいい日の一部なのだ。 少し冷えるような秋の夜だがお布団の中はとてもとても暖かい。あと少し重い。胸の上にグランツが乗っかっているのだ。そしてこの重さがまた、非常にちょうどいい。安心する重さだ……、とても暖かいし。それはさっきも考えたか。しかし何度考えたっていいじゃないか。おれの胸の上に乗っかってゴロゴロしているグランツは暖かくてちょうどいい重さで、とてもすごい。 こんないい日の夜に、本日の採掘で見つけた宝石のカケラを指につまんで覗き込んでいる。爪の先より小さなトルマリンの原石は売ってもあまり高い値は付きそうになかった。この小ささなのに中心に黒鉄鋼らしき不純物も入っているし。しかしそれが何かの目のような、優しい形にも見える。特にこうしてランプに透かしてみていると、なおのことだ。キラキラ。どこかで見たことのある青いキラキラが、ランプの灯りを静かに反射している。 1664 masasi9991DONEレッドの昔話とアクセルくんこわいはなし そこは廃墟というか、これから廃墟になるんだろうと予測されている場所だった。まだヒトがいなくなって数日しか経っていない。ほとんどの場所についさっきまで誰かがいた、みたいな形跡が残っている。 機能が生きている設備も珍しくないし、ボクが前を通りがかったら「調理が完了して十三時間が経過しました。中身を取り出すか温め直すか選んでください」なんて喋りだした自動調理器もあって、正直そのときはかなりびっくりしてちょっとジャンプしてた。単独行動してるときでよかった――けど待ち合わせの場所に戻るまでかなり緊張した。 あれはそこに住んでたヒトが機械の中の燃料も食材も置きっぱなしで避難したってことみたい。調理器はいつもの通りタイマーに合わせて動いただけ。そんなことはわかってる。 1006 masasi9991DONE出会う前の土蜘蛛さんと大ガマさん観察 この大きな生き物は、やたらめったら動き回っていて落ち着きがない。朝日が登る前に突然出てきたかと思えば何もせずにまた巣に戻っていき、何だ何だと思っている間に巣の別な出口からどこかへ出ていった。気配でわかる。うろうろとほっつき回るのは鳥や魚と変わりゃしないが、妙なのは獲物を取っているわけでもないようだ、ということだ。 食うものも食わずにあっちこっちへ動いている。あの大きな生き物は変な奴だ。それは蜘蛛か人かに似た影の形をしているが、獲物も取らずに動き回っている蜘蛛なんか見たことがないし、人というのは確かに一見なんの意味もなく動き回っていることが多いけど、それでも獲物を取るし、食うものを食っている。だからそれは蜘蛛でも人でもないようだ。 1750 masasi9991DONE経験値が足りないアクセルくんのレクセル経験値の不足「変な格好だな」 「……は? 他に言うことあるんじゃないの」 さすがに呆れた。この反応は、予想できなかったわけでもないけど……どうせそんなところだろうと冷静に考えてみればわかってたけど、だからってムカツクことはムカツク。 だってもうちょっと他に言い方っていうか、あるじゃん。イメージに合わないとかさ。ボクってどっちかっていうと清純派なわけじゃない。だからこういうのはイメージと違うとかって言うのならさ、わかるよ。でもそれもギャップがあっていいと思うんだよね。 って思うんだけどさ、それ以前の問題。 「正気か? お前がその貧相な身体でそれを着ようって? 愉快なこと考えるモンだな」 「愉快じゃなーいー! ちゃんと想像してみてよ、絶対似合うから」 876 masasi9991DONE朝からいちゃいちゃしているデググラお返しはこのあと 眩しい朝の気配を感じて寝返りを打った。まだ眠っていたい。今朝は本当に眠い。キミが起こしに来てくれてこんなに嬉しいのに、起こしに来るキミを待つ時間も楽しみたいってのに、今朝は眠くてたまらない。昨晩、ぐったり疲れて眠ったからかな。疲れ切って熟睡した感覚とほんのり残るけだるさがきもちいい。 が、だけど、起きないと。 「グランツ。今日は、お元気……かな?」 そっとめくられたブランケットから、キミの声とキミのにおい……それに窓から入る光を遮るキミの形の大きな影が入ってくる。朝食の匂いや、屋根でさえずる鳥の声なんかも。 キミが起こしてくれてるんだから、起きないと。早く起きたいってときに限って身体は言うことを聞いてくれない。キミだって疲れてるはずなのに、おればっかり寝坊してるなんて……。 1329 masasi9991DONE土蜘蛛さんと大ガマさんとホラーっぽいもの車両内にて ふと気付いたら電車の中だった。ここはどこ? ――学校に行く途中、電車の中。私は誰? ――私は――私だ。別に疑う余地もない。いつもの私だ。名前も経歴も特にこれといっておかしいと感じるところはない。私は私。ここは電車の中。私はまるで今生まれたばかりのようにふと目を開いて、ふとここは一体どこなのか、今はいったいいつなのか、私は誰だったのか、と何もかもが初めてであるかのようなことを考えたけれど、どれもこれも答えは簡単だった。 寝ぼけているみたいだ。きっとそう、お昼寝で熟睡しすぎてママに叩き起こされた夕方に似ている。どうして自分がここにいるのか、わからない。自分が何をしていたのかわからない。結果だけを目の当たりにしている感じ。耳に入れたイヤホンから好きな曲が流れている。この曲を初めて聞いたのはいつ――ずっと昔――今? いつスマホの再生ボタンを押したんだろう? ワイヤレスイヤホン、お小遣いで買うには高かった――どうして手に入れたんだっけ。おばあちゃんが――だったっけ。電車の揺れる音と音楽が混じっている。聞いた、ことがある、電車の音とこの曲の――そんなの考えたこと、あっただろうか。寄りかかった電車のドアのガラス窓に、私が映って、映って、映って、映って、これは誰? 1335 masasi9991DONE朝からいちゃいちゃしているデググラ笑うのが上手 ベッドの中で半分目が覚めている。なんとなく眩しいような気分。 半分、開いてるような閉じてるような瞼の裏に映るのは、まだカーテンが閉まっていて薄暗い寝室だ。それでもカーテンの隙間から入る朝日の白さが眩しい。それで目が覚めてしまいそうなくらい。 もうすぐデグダスが起こしに来る頃だ。それまでに全部目を覚ましてしまうのは勿体なくて、改めてベッドの中に頭まですっぽりと潜り込んだ。我ながらなんだか変なワガママだけど。寝ぼけているのかな、と寝ぼけた頭で考える。わからないな。 わかるのは一階の台所で朝食を作っているキミの気配ぐらい。その気配が廊下に出てきた。階段の方に向かっている。階段を登ってる。もうすぐだ。ドキドキする。嬉しくて胸の奥の方が落ち着かない。毎日の些細なことに、いつでも何度も幸せで、慣れない。 1748 masasi9991DONEいちゃいちゃハロウィンのデググラ 45678