はじめてのソーダ味「アンデルセン、半分食べない?」
真っ二つに割ったアイスの片割れを差し出してマスターが言った。
元々二人で分けて食べる仕様であるらしいソーダバー。何の嫌がらせかは知らないが、俺には縁がないにもほどがある食べ物だ。
「俺はいらん。マシュにでも分けろ」
このクソ暑いのにそんな頭の茹ったイベントに首を突っ込んでいられない。
「じゃあ食べたい人にあげようかな」
俺がマシュをわざわざ指定した甲斐もなく、マスターは近くにいたサーヴァントにアイスを分け与えるのだから、まったくもって何も分かっていない。……揃いのソーダバーを口に運ぶ二人の姿が目に入る。
「――気が変わった、お前のを一口よこせ」
「えっ……!」
掠め取るようにソーダバーに齧り付く。
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