スキンシップにかこつけて
下半身に残る濡れた感触に新は静かにため息を吐いた。こんなにスッキリしない夢精はなかった。確かめたくなくて布団の中から出られない。
確かに夢には出て来たけど決してそういう意味じゃない。違うったら違うと頭を振って気を取り直す。
「……よし」
「新? 聞いてるか」
「……兄さん、いつからそこに」
「だから朝食が出来たと言ってるだろう、聞いてないな」
「わ、分かった。すぐに着替えて行くから出てって」
新の顔は赤くなったり青くなったりと大変だ。
変な声を上げて何だ、と呆れ顔の始を部屋から追い出して、もう一日が終わったような疲れが押し寄せる。実際はこれから一日が始まるのに。ああ、もう最悪だ、ため息しか出ない。
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