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DOODLE #mirmプラスazmと年下幼馴染🌸の話
めちゃくちゃ甘やかされてえな!!つって書いたものの、メフィとはまた違うほうに行きました。なんだろうね。
溶かされたのは、なに 休みの日の昼。ぼんやりとベッドから起き上がろうとしたとき、ス魔ホが鳴った。
『もしもしアザミくん!? 今日休み?』
「休みだが、来るな」
『今から行くね。愛してる』
「だから来るなと――切れた……」
ため息をついても無駄だ。昔からこっちの話をまったくなん聞かない年下の幼馴染だ。
どうして私はアレを好きになってしまったのだろう。アレの『愛してる』は、口先だけで、付き合ってすらいないのに。
寝直したい気持ちを抑え、起き上がる。身支度を終えて洗面所から廊下に出たところで呼び鈴が鳴った。
「こんにちは! お昼ごはん買ってきたよ!」
「はー、これだから。まあいい。上がれ」
「ありがとー」
ヤツは満面の笑みでズカズカと上がる。図々しいが、実家にいた頃からこうだし、たぶん死ぬまで変わらない。
1935『もしもしアザミくん!? 今日休み?』
「休みだが、来るな」
『今から行くね。愛してる』
「だから来るなと――切れた……」
ため息をついても無駄だ。昔からこっちの話をまったくなん聞かない年下の幼馴染だ。
どうして私はアレを好きになってしまったのだろう。アレの『愛してる』は、口先だけで、付き合ってすらいないのに。
寝直したい気持ちを抑え、起き上がる。身支度を終えて洗面所から廊下に出たところで呼び鈴が鳴った。
「こんにちは! お昼ごはん買ってきたよ!」
「はー、これだから。まあいい。上がれ」
「ありがとー」
ヤツは満面の笑みでズカズカと上がる。図々しいが、実家にいた頃からこうだし、たぶん死ぬまで変わらない。
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DOODLE #mirmプラスmfstと機嫌の悪い彼女🌸の話
めちゃくちゃ甘やかされるやつが読みてえな!つって書いたものの、普通に下品です。すみません。
俺の可愛い娘は、怒らせるともっと可愛い「うっわ、びっくりした」
俺、メフィストが帰宅してリビングの灯りをつけたら、ソファに女悪魔が突っ伏していた。
「……なんだ、君か。あ、魔イン来てたのか。ごめん、飛んでて気付かなかった」
「ん……」
ソファの横に座って覗き込んでも彼女――俺のかわいいかわいい女の子は顔を上げない。
改めて魔インを見ると、
『悪周期に入りそうなくらい疲れたから会いに行く。癒やしてね、ハニー』
と書かれていた。
「じゃあ疲れたダーリンに特別なお酒でも出そうか?」
「いらない。甘やかして」
やっと顔を上げた彼女は地獄の底みたいな声を出した。
「お酒より?」
「もちろん」
「ゴム無しでいい?」
「引っ叩くよ。そもそもメフィストに生殖機能ないんだからゴムとか使ったことないじゃん」
1564俺、メフィストが帰宅してリビングの灯りをつけたら、ソファに女悪魔が突っ伏していた。
「……なんだ、君か。あ、魔イン来てたのか。ごめん、飛んでて気付かなかった」
「ん……」
ソファの横に座って覗き込んでも彼女――俺のかわいいかわいい女の子は顔を上げない。
改めて魔インを見ると、
『悪周期に入りそうなくらい疲れたから会いに行く。癒やしてね、ハニー』
と書かれていた。
「じゃあ疲れたダーリンに特別なお酒でも出そうか?」
「いらない。甘やかして」
やっと顔を上げた彼女は地獄の底みたいな声を出した。
「お酒より?」
「もちろん」
「ゴム無しでいい?」
「引っ叩くよ。そもそもメフィストに生殖機能ないんだからゴムとか使ったことないじゃん」
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DONE #mirmプラスmfstと秘書🌸で映画を観る話
2/28気が合うってそういうことだ「そういうわけで、今夜はこれを観ます」
金曜日の夜。ごはんを終えたあとにメフィスト様が取り出したのは、最近人気の映画だった。
R18で、放送ギリギリのえっちなシーンが話題になっている。
「これを観て、気分を盛り上げてから寝室になだれ込みます」
「……はあ」
相変わらずバカなことを考えるんだなと思いつつ、言い出したら聞かないので言われたとおりに先に風呂を済ませる。
ソファに並んで座って、いざ再生!
「……おおう」
しょっぱなから、なかなかえっちだ。私の腰にメフィスト様の腕が回されて引き寄せられる。
「……ん?」
けど、なんか、こう? えっちなんだけど、それだけじゃない。登場悪魔がたまに意味深な動きをするから気になって目が離せない。
894金曜日の夜。ごはんを終えたあとにメフィスト様が取り出したのは、最近人気の映画だった。
R18で、放送ギリギリのえっちなシーンが話題になっている。
「これを観て、気分を盛り上げてから寝室になだれ込みます」
「……はあ」
相変わらずバカなことを考えるんだなと思いつつ、言い出したら聞かないので言われたとおりに先に風呂を済ませる。
ソファに並んで座って、いざ再生!
「……おおう」
しょっぱなから、なかなかえっちだ。私の腰にメフィスト様の腕が回されて引き寄せられる。
「……ん?」
けど、なんか、こう? えっちなんだけど、それだけじゃない。登場悪魔がたまに意味深な動きをするから気になって目が離せない。
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DONE #mirmプラスmfstと秘書🌸と隙を見られる話
2/27たまに見せる隙がかわいい「ふんふふんふふーん」
最近ずいぶん暖かくなってきて、家事がはかどる。とーってもはかどる。
「ふふふーん」
家中のホコリをはたいたり、天気がいいからカーテンや絨毯の大物を掃除しちゃうし、玄関とかベランダに水も流す。
「ふふふん」
あとはどこを掃除しようかなー。台所は明日一日ガッツリ時間をかけたいし……。
「たったらったたー」
鼻歌交じりで掃除道具の手入れをする。まだ日が高いし庭の手入れでもしてこようか。魔草を集めて干してもいい。
「よし、気分がいいうちに庭に行こう!」
そう独りごちて振り向いたら――メフィスト様がいた。
「え、わ、えっ……あの、いつから?」
「け、けっこう、まえ」
メフィスト様は口元を押さえて肩を震わせている。
881最近ずいぶん暖かくなってきて、家事がはかどる。とーってもはかどる。
「ふふふーん」
家中のホコリをはたいたり、天気がいいからカーテンや絨毯の大物を掃除しちゃうし、玄関とかベランダに水も流す。
「ふふふん」
あとはどこを掃除しようかなー。台所は明日一日ガッツリ時間をかけたいし……。
「たったらったたー」
鼻歌交じりで掃除道具の手入れをする。まだ日が高いし庭の手入れでもしてこようか。魔草を集めて干してもいい。
「よし、気分がいいうちに庭に行こう!」
そう独りごちて振り向いたら――メフィスト様がいた。
「え、わ、えっ……あの、いつから?」
「け、けっこう、まえ」
メフィスト様は口元を押さえて肩を震わせている。
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DONE #mirmプラスmfstと秘書🌸とリップクリームの話
2/26潤いを移す その朝、先に起きようとしたらメフィスト様がしがみついてくる。いつものことなので、引き剥がして起きつつキスをしたら、めちゃくちゃ痛かった。
「いったあ」
「ん……、どしたの」
思わずつぶやいてしまい、メフィスト様が起きてしまった。
「あ、すいません。その、キスしたら何か痛くて」
「え」
いつもはなかなか起きてこないメフィスト様がパッと起き上がる。
「なんで、どうして」
「そんなに慌てなくても。たぶん、メフィスト様の唇が荒れてるんですね」
メフィスト様は指で自分の唇を触って顔をしかめる。
「――ほんとだ」
「リップクリームってお持ちじゃないですよね。じゃあ、今は私のをお貸ししますね」
ベッドサイドに置いてあるリップクリームを手に取り、メフィスト様の頬に手を添える。
869「いったあ」
「ん……、どしたの」
思わずつぶやいてしまい、メフィスト様が起きてしまった。
「あ、すいません。その、キスしたら何か痛くて」
「え」
いつもはなかなか起きてこないメフィスト様がパッと起き上がる。
「なんで、どうして」
「そんなに慌てなくても。たぶん、メフィスト様の唇が荒れてるんですね」
メフィスト様は指で自分の唇を触って顔をしかめる。
「――ほんとだ」
「リップクリームってお持ちじゃないですよね。じゃあ、今は私のをお貸ししますね」
ベッドサイドに置いてあるリップクリームを手に取り、メフィスト様の頬に手を添える。
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DONE #mirmプラス帰ってこないmfstを待つ秘書🌸の話
2/25寂しさを埋める 今夜はメフィスト様がいない。13冠の集いのためにバベルに行っている。
ついていかなかったのは、他にも仕事が溜まっていたからだけど、こんなに遅くなるなら無理にでもついて行けば良かった。
夜ごはんを終えて、片付けも済ませた。それから30分おきに玄関へ行き、日付が変わる頃には諦めて玄関に座り込んでいる。
……この屋敷に一人でいることはあっても、こんな遅い時間まで一人きりなのは初めてだ。
寂しいし、不安がつのる。もちろんメフィスト様が帰ってこないとは思わないけど、事故とかトラブルとか、そういうことを考え出したらキリがない。
――外から、羽の音がした。急いでドアを開けるとメフィスト様がちょうど着地したところで。
881ついていかなかったのは、他にも仕事が溜まっていたからだけど、こんなに遅くなるなら無理にでもついて行けば良かった。
夜ごはんを終えて、片付けも済ませた。それから30分おきに玄関へ行き、日付が変わる頃には諦めて玄関に座り込んでいる。
……この屋敷に一人でいることはあっても、こんな遅い時間まで一人きりなのは初めてだ。
寂しいし、不安がつのる。もちろんメフィスト様が帰ってこないとは思わないけど、事故とかトラブルとか、そういうことを考え出したらキリがない。
――外から、羽の音がした。急いでドアを開けるとメフィスト様がちょうど着地したところで。
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DONE #mirmプラスmfstと秘書🌸となくなったアクセサリーの話
2/24無限に菓子を食べさせたくなる 風呂上りに厨房に行くと、秘書がカウンターの下に潜っていた。
「なにしてるのさ」
「メフィストさまぁ」
声をかけると、メソメソしながら出てきた秘書の顔はいつもとは違って悲しそうだ。
「どしたの」
「メフィスト様にもらったピアスが一個どっかいっちゃって」
よれよれしながら擦り寄ってきて、珍しいしかわいい。
俺があげたものを一つ無くしたくらいで、そんなにしょげなくても。
「また買ってくるよ」
「そういう問題じゃないんです! 気に入ってずっと着けてた、あれがいいんです!!」
かわいいことを言う。
どうやら、ずっと着けていたらピアスのキャッチャーが緩くなっていて、いつの間にか外れていたらしい。
「昼ごはんの後にはあったんです。それに今日は家を出ていないので、絶対にどこかにあるはずなんですよ」
864「なにしてるのさ」
「メフィストさまぁ」
声をかけると、メソメソしながら出てきた秘書の顔はいつもとは違って悲しそうだ。
「どしたの」
「メフィスト様にもらったピアスが一個どっかいっちゃって」
よれよれしながら擦り寄ってきて、珍しいしかわいい。
俺があげたものを一つ無くしたくらいで、そんなにしょげなくても。
「また買ってくるよ」
「そういう問題じゃないんです! 気に入ってずっと着けてた、あれがいいんです!!」
かわいいことを言う。
どうやら、ずっと着けていたらピアスのキャッチャーが緩くなっていて、いつの間にか外れていたらしい。
「昼ごはんの後にはあったんです。それに今日は家を出ていないので、絶対にどこかにあるはずなんですよ」
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DONE #mirmプラスmfstと秘書🌸と魔茶をいれる話
魔王の側近なら茶をいれるくらいするかなってことで
おサリがdrkrのためにいれたコーヒーに文句を言いながらおかわりするprちゃん様はいたと思ってるよ。
2/23茶葉が踊る「いつもコーヒーを淹れてもらってばかりだから、今朝は俺が用意します」
ある朝、食事を終えて片付けているとメフィスト様が、そう宣言した。
「そうですか?」
「魔茶の方が好きだよね。そっちにしようか」
「ありがとうございます」
メフィスト様が食器を積んだワゴンを押して食堂を出て行くので、慌ててついて行く。
「茶葉ってどこ?」
「こちらに。んー、じゃあ、これでお願いします」
茶葉とポット、カップ、ヤカンを出してカウンターに並べる。
私は朝ごはんの片付けだ。
……道具だけ渡したけど、大丈夫かな。いやいや、元は歴代魔王の補佐をされていたのだから、魔茶くらい淹れられるでしょ。
そわそわしながら皿を洗い、クロスを洗って干して、食堂のテーブルを拭いて戻ってきたら、メフィスト様が満面の笑みで待ち構えていた。
849ある朝、食事を終えて片付けているとメフィスト様が、そう宣言した。
「そうですか?」
「魔茶の方が好きだよね。そっちにしようか」
「ありがとうございます」
メフィスト様が食器を積んだワゴンを押して食堂を出て行くので、慌ててついて行く。
「茶葉ってどこ?」
「こちらに。んー、じゃあ、これでお願いします」
茶葉とポット、カップ、ヤカンを出してカウンターに並べる。
私は朝ごはんの片付けだ。
……道具だけ渡したけど、大丈夫かな。いやいや、元は歴代魔王の補佐をされていたのだから、魔茶くらい淹れられるでしょ。
そわそわしながら皿を洗い、クロスを洗って干して、食堂のテーブルを拭いて戻ってきたら、メフィスト様が満面の笑みで待ち構えていた。
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DONE #mirmプラスmfstと秘書🌸のアルバムの話
猫の日なのを忘れてたので、猫要素皆無です
2/22君の過去をなぞる ある日の夕方、秘書が荷物を受け取っていたので手元を覗き込む。
「それは?」
「実家からですね。なんだろうなあ」
彼女は箱を抱えてリビングに運びこむと、適当に開ける。中には紙束? 本? が詰まっている。
「あー、古いアルバムですね。そういえば、なんか連絡がきてました」
彼女がス魔ホをポチポチしている間に、勝手に中のアルバムを取り出す。
パラパラと捲ると小さな女の子がアイスをこぼして泣いている。
「――これ、君?」
「そうです。いつのかなあ」
彼女曰く、実家の大掃除をしたら出てきたから送ってきたと言うことだ。
「これが、たぶん最初かな? まだ羽が出せなくて、尻尾もしまえてないですね」
「かわいい……」
「赤ん坊ならそんなものでは? こっちは近所の公園かな」
997「それは?」
「実家からですね。なんだろうなあ」
彼女は箱を抱えてリビングに運びこむと、適当に開ける。中には紙束? 本? が詰まっている。
「あー、古いアルバムですね。そういえば、なんか連絡がきてました」
彼女がス魔ホをポチポチしている間に、勝手に中のアルバムを取り出す。
パラパラと捲ると小さな女の子がアイスをこぼして泣いている。
「――これ、君?」
「そうです。いつのかなあ」
彼女曰く、実家の大掃除をしたら出てきたから送ってきたと言うことだ。
「これが、たぶん最初かな? まだ羽が出せなくて、尻尾もしまえてないですね」
「かわいい……」
「赤ん坊ならそんなものでは? こっちは近所の公園かな」
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DOODLE #mirmプラスazm大佐と部下🌸が喧嘩→仲直りするまでの話です。
リクエスト、ありがとうございました!
次がないように、首輪のサイズを知りたい その日の仕事を終え、ス魔ホを見る。
……業後、魔インの通知が途絶えて一週間が経つ。
始まりは些細なことだったはずだ。
きっかけは、付き合って一年ほどになる彼女が研修生の教育係に任命されたことだった。
「アザミさんに教わったみたいに、私も頑張りますね」
「ああ」
念子の様にすり寄る彼女を撫で、送り出したのがひと月ほど前。
彼女は実技と座学の指導に熱心で、研修生からの評判も良かった。
魔関署に女悪魔は少ない。そのため、若いうちに教育係に選ばれたが、そのせいで研修生に頼られやすい。
――舐められやすいということだ。
研修後、教室に残り明日の準備をしていた彼女を迎えに行き、つい余計なことを言ってしまった。
2948……業後、魔インの通知が途絶えて一週間が経つ。
始まりは些細なことだったはずだ。
きっかけは、付き合って一年ほどになる彼女が研修生の教育係に任命されたことだった。
「アザミさんに教わったみたいに、私も頑張りますね」
「ああ」
念子の様にすり寄る彼女を撫で、送り出したのがひと月ほど前。
彼女は実技と座学の指導に熱心で、研修生からの評判も良かった。
魔関署に女悪魔は少ない。そのため、若いうちに教育係に選ばれたが、そのせいで研修生に頼られやすい。
――舐められやすいということだ。
研修後、教室に残り明日の準備をしていた彼女を迎えに行き、つい余計なことを言ってしまった。
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DONE #mirmプラスmfstと秘書🌸で愛してるゲームをリベンジする話
2/21何度だって愛してる ある日ののどかな昼時。食器をワゴンに積んでいたら、コーヒーを飲んでいたメフィスト様がパッと顔を上げた。
「愛してるゲームのリベンジがしたい」
「愛してますよ、メフィスト様」
「不意打ち!!」
メフィスト様が口を尖らせて目を逸らした。弱すぎると思う。
ランチョンマットを畳んで、カトラリーを回収する。メフィスト様のコーヒーカップを待とうかどうしようか。
――と、メフィスト様が立ち上がり、机の上に上半身を押し倒された。
「愛してる」
「存じております」
メフィスト様の胸ぐらを掴んで口付ける。離れた瞬間に「わたくしも愛しておりますよ」と、囁く。
「ズルいでしょ、それは」
そう言ってメフィスト様はフラフラと壁にもたれかかった。
911「愛してるゲームのリベンジがしたい」
「愛してますよ、メフィスト様」
「不意打ち!!」
メフィスト様が口を尖らせて目を逸らした。弱すぎると思う。
ランチョンマットを畳んで、カトラリーを回収する。メフィスト様のコーヒーカップを待とうかどうしようか。
――と、メフィスト様が立ち上がり、机の上に上半身を押し倒された。
「愛してる」
「存じております」
メフィスト様の胸ぐらを掴んで口付ける。離れた瞬間に「わたくしも愛しておりますよ」と、囁く。
「ズルいでしょ、それは」
そう言ってメフィスト様はフラフラと壁にもたれかかった。
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DONE #mirmプラスmfstと秘書🌸とぬいの話
昨日の続きです。「俺の方がかわいい」ってメフィ様なら言うと思うわけですよ。
2/20それが、人形だとしても、だ「なに、それ」
バビルスから出てきた彼女の肩に、謎の生き物――らしきものが乗っていた。
「これはメフィぬいです」
「メフィぬい?」
ドヤっとした彼女は可愛かったけど、肩に乗っているそいつまでドヤ顔でこちらを見ている。――なんだ、こいつ。
「――と、言うわけでして。私が魔力を込めたらメフィスト様の姿になりました」
「君が考える俺が、こんな感じってこと? ……なるほど」
指でそいつを突こうとしたら、小さい手で叩かれた。
「捨ててくる」
つまみ上げたら、素早く取り返される。
「な、ダメですよ! こんなにかわいいのに!」
「俺の方がかわいいでしょうが!」
彼女は「なに言ってるんですか」と、呆れた顔で家の方へ歩き出す。肩に乗るぬいぐるみが、やっぱりドヤ顔で振り返ってきて、腹立たしい。
957バビルスから出てきた彼女の肩に、謎の生き物――らしきものが乗っていた。
「これはメフィぬいです」
「メフィぬい?」
ドヤっとした彼女は可愛かったけど、肩に乗っているそいつまでドヤ顔でこちらを見ている。――なんだ、こいつ。
「――と、言うわけでして。私が魔力を込めたらメフィスト様の姿になりました」
「君が考える俺が、こんな感じってこと? ……なるほど」
指でそいつを突こうとしたら、小さい手で叩かれた。
「捨ててくる」
つまみ上げたら、素早く取り返される。
「な、ダメですよ! こんなにかわいいのに!」
「俺の方がかわいいでしょうが!」
彼女は「なに言ってるんですか」と、呆れた顔で家の方へ歩き出す。肩に乗るぬいぐるみが、やっぱりドヤ顔で振り返ってきて、腹立たしい。
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DONE #mirmプラスmfst秘書🌸とぬいの話。
メフィ様ぬいを作ったらめちゃくちゃかわいくてテンション上がったので書きました。メフィ様出てこないです。
明日、メフィ様サイドの話を書きます。
2/19手のひらのあなた「パイセーン、こっち、こっちぃ!」
クララちゃんに手を引かれて、私がやって来たのは魔具研の師団室だった。
中に入るとイルマくんとアスモデウスくんもいる。
「見てこれ、かわいいっしょ!!」
「……これは、イルマくんとアスモデウスくん、かな?」
クララちゃんの手の上にはス魔ホと同じくらいの、人形?みたいなものが二体立っていた。イルマくんとアスモデウスくんにそっくりだ。
「そう! これはマチぬいとアズぬい!」
「ぬい?」
「これです」
イルマくんが出してきてくれたのは顔も服もない、まっさらなぬいぐるみだ。アスモデウスくんが手に取ると、途端にクララちゃんそっくりになる。
「このぬいぐるみに魔力を込めると、その時に思う相手の姿になるのです」
983クララちゃんに手を引かれて、私がやって来たのは魔具研の師団室だった。
中に入るとイルマくんとアスモデウスくんもいる。
「見てこれ、かわいいっしょ!!」
「……これは、イルマくんとアスモデウスくん、かな?」
クララちゃんの手の上にはス魔ホと同じくらいの、人形?みたいなものが二体立っていた。イルマくんとアスモデウスくんにそっくりだ。
「そう! これはマチぬいとアズぬい!」
「ぬい?」
「これです」
イルマくんが出してきてくれたのは顔も服もない、まっさらなぬいぐるみだ。アスモデウスくんが手に取ると、途端にクララちゃんそっくりになる。
「このぬいぐるみに魔力を込めると、その時に思う相手の姿になるのです」
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DONE #mirmプラスmfstと犬の話。念子がいるなら、犬もいると思うけど、出てこないね。
2/17犬と悪魔と怖い悪魔 メフィスト様とバベルの帰りに、公園を散歩していたら使い魔らしき犬を散歩させている悪魔がたくさんいた。
夜もわりと遅い時間だけど、ちょうど夜の散歩の時間らしくて、思ったりよりもたくさんの悪魔が歩いているし、みんな犬を連れている。
「犬は好き?」
メフィスト様も同じようなことを考えてらしたのか、すれ違う犬を眺めながら言う。
「好きでも嫌いでもないですけど、好かれないです」
「ああ、犬が好きそうな雰囲気じゃないからね」
「犬が好きそうな雰囲気?」
「ちなみに俺は勝手にシンパシーを感じているけれど、やっぱり好かれない」
「……怖いですからね」
そう言うとメフィスト様は目を丸くした。
「俺、怖い?」
「何を考えているのか、犬目線でわかりにくいというか。あと体が大きくて上からくるから怖いと思いますよ」
935夜もわりと遅い時間だけど、ちょうど夜の散歩の時間らしくて、思ったりよりもたくさんの悪魔が歩いているし、みんな犬を連れている。
「犬は好き?」
メフィスト様も同じようなことを考えてらしたのか、すれ違う犬を眺めながら言う。
「好きでも嫌いでもないですけど、好かれないです」
「ああ、犬が好きそうな雰囲気じゃないからね」
「犬が好きそうな雰囲気?」
「ちなみに俺は勝手にシンパシーを感じているけれど、やっぱり好かれない」
「……怖いですからね」
そう言うとメフィスト様は目を丸くした。
「俺、怖い?」
「何を考えているのか、犬目線でわかりにくいというか。あと体が大きくて上からくるから怖いと思いますよ」
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DOODLE #mirmプラスmfstがカッコつけようとしたら🌸の方がカッコ良かった話
2/16俺のかわいい娘は、たまにやたらとカッコイイ ある日、秘書と共に管轄領地内に新しくできた施設の視察に行った。
視察に行くことは事前に通達してあったので、着いたらすぐに責任者が出てきて案内をしてくれる。
通路を歩いていたら、突然目つきのおかしい悪魔が飛び出してきた。
「お前が! お前のせいで!!」
怒鳴りながら手をこちらに向ける。バチバチと魔力が弾けるような音がした。
「っ」
咄嗟に秘書を庇おうとしたけど、ソイツは白目をむいて倒れてしまった。
「メフィスト様、お怪我はございませんか?」
後ろから涼しい声がする。
振り返ると秘書がいつもと変わらない澄ました顔で俺を見上げていた。
「君が、やったの?」
「はい。殺してはいません。あの、この方は警備に引き渡せばよろしいでしょうか」
866視察に行くことは事前に通達してあったので、着いたらすぐに責任者が出てきて案内をしてくれる。
通路を歩いていたら、突然目つきのおかしい悪魔が飛び出してきた。
「お前が! お前のせいで!!」
怒鳴りながら手をこちらに向ける。バチバチと魔力が弾けるような音がした。
「っ」
咄嗟に秘書を庇おうとしたけど、ソイツは白目をむいて倒れてしまった。
「メフィスト様、お怪我はございませんか?」
後ろから涼しい声がする。
振り返ると秘書がいつもと変わらない澄ました顔で俺を見上げていた。
「君が、やったの?」
「はい。殺してはいません。あの、この方は警備に引き渡せばよろしいでしょうか」
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DOODLE #mirmプラスmfstと秘書🌸とそういう服の話。
下ネタです。我ながらバカな話書いたなって思うけど、楽しかったです。かっこいいメフィ様はいない。
2/15そういう服の取り扱い「この間さ、やたらエッチな給仕服着ていたでしょう?」
「……はい」
休みの日の朝。主――メフィスト様がなんか言い出した。こんなに天気がいいのに、私の主は何を言っているんだろう。
「それで、俺も調べたんだよね。そういう服について」
いらんことを。
先に余計なことをしたのが私である手前、口には出さないけど、なんとなく何を言われるかお察しである。
「それで、最近下着のサイズが合わないって言っていたでしょう」
「言いましたねえ」
「なので、サイズの合う下着と併せて、そういう下着を買おうね」
「……はあ」
そっちかあ。エッチなコスプレ衣装を取り寄せたから、今日届くとかそういう話かと思ったら。
「乗り気じゃない?」
「いきなり話されて、テンションに付いていけないです」
929「……はい」
休みの日の朝。主――メフィスト様がなんか言い出した。こんなに天気がいいのに、私の主は何を言っているんだろう。
「それで、俺も調べたんだよね。そういう服について」
いらんことを。
先に余計なことをしたのが私である手前、口には出さないけど、なんとなく何を言われるかお察しである。
「それで、最近下着のサイズが合わないって言っていたでしょう」
「言いましたねえ」
「なので、サイズの合う下着と併せて、そういう下着を買おうね」
「……はあ」
そっちかあ。エッチなコスプレ衣装を取り寄せたから、今日届くとかそういう話かと思ったら。
「乗り気じゃない?」
「いきなり話されて、テンションに付いていけないです」
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DOODLE #mirmプラスfnrrとバレンタインの話。数日前にめちゃくちゃエモいフェンちゃんのイラストを見てしまい、描かれた方に許可をいただいて書きました。
フェンちゃんは強引であってほしいじゃないですか。
狼は獲物を逃さない はい、バレンタインですね。
魔関署にバレンタインなどない。嘘つきました。バレンタイン自体は存在する。
世間一般的な意味とは違って、魔関署的には仕事がひたすら増えるだけ……甘い雰囲気も彼ピとのキャッキャウフフもなんにもなく、ただただ殺伐とした事案が増えるだけの、鬼のような期間である。
――つまり男女のあれこれによるトラブルの頻発で生活安全課が炎上していた。
生活安全課の少佐から人手不足で泣きつかれた、私の上官であるアザミ大佐が、
「次の昇進試験のために他の課で働いてこい」
と言い、牙隊所属の私もお目付け役の先輩と共に応援に入っている。
まあ要するに火消しに研修の名目でぶち込まれたわけです。その分、先輩ともども考課へ加点してもらうことをアザミ様に約束させたからいいんですけど。
4215魔関署にバレンタインなどない。嘘つきました。バレンタイン自体は存在する。
世間一般的な意味とは違って、魔関署的には仕事がひたすら増えるだけ……甘い雰囲気も彼ピとのキャッキャウフフもなんにもなく、ただただ殺伐とした事案が増えるだけの、鬼のような期間である。
――つまり男女のあれこれによるトラブルの頻発で生活安全課が炎上していた。
生活安全課の少佐から人手不足で泣きつかれた、私の上官であるアザミ大佐が、
「次の昇進試験のために他の課で働いてこい」
と言い、牙隊所属の私もお目付け役の先輩と共に応援に入っている。
まあ要するに火消しに研修の名目でぶち込まれたわけです。その分、先輩ともども考課へ加点してもらうことをアザミ様に約束させたからいいんですけど。
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DOODLE #mirmプラスazm大佐とバレンタインの話。
前半azmさん出てこないです。
短気なのを部下が理解してたら嬉しいなって話。
後ろ手のチョコ「魔関にバレンタインとか、ねえんだよなあ」
「そうですねえ」
ぼやく先輩に相槌を打つ。
今日はバレンタインデーだ。皆のモノが浮かれている。けど、我々牙隊隊員一同はな〜んにも浮かれていない。何故か。
みんな大好き最強きゃわいいアクドル、くろむちゃんの魔苦針ドームバレンタインライブの警備に突っ込まれたからである。
私は准将である先輩と並んで関係者入り口に突っ立っていた。ドームの中からは盛大に盛り上がる声が響いている。
「でもよ、お前はダーリンにチョコレート渡すんだろ?」
「私のダーリン、そんな浮かれたイベントに付き合ってくれると思います?」
私のダーリン……牙隊大佐のアミィ・アザミはライブの警備に牙隊をという話が出た時点でハチャメチャに機嫌が悪かった。そもそもは警備の部署から悪魔を出す予定だったのが、ライブ宛てに爆破予告が届けられ、なにかあったときのためにと急遽割り振られたのである。
4310「そうですねえ」
ぼやく先輩に相槌を打つ。
今日はバレンタインデーだ。皆のモノが浮かれている。けど、我々牙隊隊員一同はな〜んにも浮かれていない。何故か。
みんな大好き最強きゃわいいアクドル、くろむちゃんの魔苦針ドームバレンタインライブの警備に突っ込まれたからである。
私は准将である先輩と並んで関係者入り口に突っ立っていた。ドームの中からは盛大に盛り上がる声が響いている。
「でもよ、お前はダーリンにチョコレート渡すんだろ?」
「私のダーリン、そんな浮かれたイベントに付き合ってくれると思います?」
私のダーリン……牙隊大佐のアミィ・アザミはライブの警備に牙隊をという話が出た時点でハチャメチャに機嫌が悪かった。そもそもは警備の部署から悪魔を出す予定だったのが、ライブ宛てに爆破予告が届けられ、なにかあったときのためにと急遽割り振られたのである。
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DONE #mirmプラスmfstと秘書🌸のバレンタインの話
メフィ様、めちゃくちゃチョコくれそうだよね。
2/14もらう分とあげた分は釣り合うだろうか 今日はバレンタインデー! ということで数日前からいくつかのチョコレートのお菓子を用意しておいた。おやつ時にコーヒーと一緒にお出しする予定だ。
昼過ぎ、コーヒーを淹れながら鼻歌まじりでガトーショコラを切り分ける。チョコレートプリンにココアを振って、ビスコッティを添える。生チョコは小さなグラスに盛り付ける。
「よし、完璧」
我ながら美しいデザートプレートができたと思う。あとはメフィスト様にお出しするだけ!!
――というタイミングで玄関の呼び鈴が鳴った。
厨房を出ると玄関から声が聞こえる。
「?」
メフィスト様が出た? 今までそんなことしたことないのに……?
首を傾げつつ玄関に向かうと、大きな箱を抱えたメフィスト様がニコニコしながら立っていた。
1502昼過ぎ、コーヒーを淹れながら鼻歌まじりでガトーショコラを切り分ける。チョコレートプリンにココアを振って、ビスコッティを添える。生チョコは小さなグラスに盛り付ける。
「よし、完璧」
我ながら美しいデザートプレートができたと思う。あとはメフィスト様にお出しするだけ!!
――というタイミングで玄関の呼び鈴が鳴った。
厨房を出ると玄関から声が聞こえる。
「?」
メフィスト様が出た? 今までそんなことしたことないのに……?
首を傾げつつ玄関に向かうと、大きな箱を抱えたメフィスト様がニコニコしながら立っていた。
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DONE #mirmプラスmfstと家のことを仕切っている秘書🌸の話。
SDってそういうことだよねっていう話です。
2/13貴方を作り上げているのは私の愛だ 朝、食事の用意をしていたらメフィスト様がパジャマのままやってきた。
「ねえ、こんなシャツあったっけ」
見せられたのは先日買ってきたシャツだ。他のシャツが汚れていたので買い換えたのだ。それを伝えるとメフィスト様は首を傾げた。
「もしかして、下着も買い換えた?」
「はい」
「昨日の風呂上りに、なんか違和感があったのだけど、そういうことか。……そっか」
何故かメフィスト様はちょっと肩を落としてしまった。
「あの、なにか大切な品などでしたか?」
「いや、そうじゃないよ。そうじゃなくて……。君に対してキメ顔で迫ってるときも、君に買ってもらって、君に洗ってもらった服を着てるんだよなって気付いちゃって」
「はあ」
ちなみに迫ったあとの布団を干すのもシーツを交換して洗っているのも私だけど黙っておこう。
953「ねえ、こんなシャツあったっけ」
見せられたのは先日買ってきたシャツだ。他のシャツが汚れていたので買い換えたのだ。それを伝えるとメフィスト様は首を傾げた。
「もしかして、下着も買い換えた?」
「はい」
「昨日の風呂上りに、なんか違和感があったのだけど、そういうことか。……そっか」
何故かメフィスト様はちょっと肩を落としてしまった。
「あの、なにか大切な品などでしたか?」
「いや、そうじゃないよ。そうじゃなくて……。君に対してキメ顔で迫ってるときも、君に買ってもらって、君に洗ってもらった服を着てるんだよなって気付いちゃって」
「はあ」
ちなみに迫ったあとの布団を干すのもシーツを交換して洗っているのも私だけど黙っておこう。
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DONE #mirmプラスmfstと秘書🌸がナンパされる話。
なんか似たような話を最近書いた気がします。
こちらは対応がスマートに出来なかったことが気に入らない🌸の話。
2/12後手に回ったことを悔しく思うタイプ その日は買い出しにメフィスト様がついていらして、あれこれ言いながら消耗品や食材を買い込む。
一通りの買い物を済ませて家に転送してからお茶でもということでスタ魔にやってきた。
「俺注文してくるから、席取ってきてよ」
「承知しました。ソファとカウンターどっちがいいですか?」
「ソファがいいな。二人がけの」
「はーい、取ってきます」
店内の奥の方にある二人がけのソファに座ってメフィスト様を待つ。
しばらくしたらテーブルに影が落ちたので顔を上げたら、知らない悪魔だった。
「お姉さん一人? ここいい?」
「いえ、連れがおりますので」
なんだ、コイツ。断っているのに、その男悪魔はへらへらと笑いながら横に座ってくる。
「そんな怖い顔しないでよー。綺麗な顔が台無し」
1096一通りの買い物を済ませて家に転送してからお茶でもということでスタ魔にやってきた。
「俺注文してくるから、席取ってきてよ」
「承知しました。ソファとカウンターどっちがいいですか?」
「ソファがいいな。二人がけの」
「はーい、取ってきます」
店内の奥の方にある二人がけのソファに座ってメフィスト様を待つ。
しばらくしたらテーブルに影が落ちたので顔を上げたら、知らない悪魔だった。
「お姉さん一人? ここいい?」
「いえ、連れがおりますので」
なんだ、コイツ。断っているのに、その男悪魔はへらへらと笑いながら横に座ってくる。
「そんな怖い顔しないでよー。綺麗な顔が台無し」
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DONE #mirmプラスmfstとホラー映画を見る秘書🌸の話
2/9怖い思いは間に合ってます「映画観よ」
そう言ってメフィスト様が持ってきたのは今流行りのホラー映画だった。
誰だよ、そんなもんメフィスト様に教えたの。いや、言われなくてもわかる。イルマくんからバチコちゃん、バチコちゃんからメフィスト様の流れだ。間違いない。
魔具研のお化け屋敷以降、バビルス内でホラー物が流行っているのである。
「……承知しました。今からであれば、飲み物と軽食をご用意いたします」
「ホラー苦手? 顔が引きつっているけれど」
ものすんごい優しい顔で言われた。
「……得意とは言えない程度ですのでお気になさらず」
「無理しなくていいよ?」
ちょっと悩んでからメフィスト様にはソファに浅く座ってもらう。それから私はメフィスト様とソファの背もたれの間に座った。
987そう言ってメフィスト様が持ってきたのは今流行りのホラー映画だった。
誰だよ、そんなもんメフィスト様に教えたの。いや、言われなくてもわかる。イルマくんからバチコちゃん、バチコちゃんからメフィスト様の流れだ。間違いない。
魔具研のお化け屋敷以降、バビルス内でホラー物が流行っているのである。
「……承知しました。今からであれば、飲み物と軽食をご用意いたします」
「ホラー苦手? 顔が引きつっているけれど」
ものすんごい優しい顔で言われた。
「……得意とは言えない程度ですのでお気になさらず」
「無理しなくていいよ?」
ちょっと悩んでからメフィスト様にはソファに浅く座ってもらう。それから私はメフィスト様とソファの背もたれの間に座った。
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DONE #mirmプラスmfstと秘書🌸がクラスメイトに告白され(そうにな)る話。
🌸は告白なのをわかっててすっとぼけていて、mfはそれくらい🌸が告白されたことを面倒に想っているのを察している……と、思われます。
2/8特別なのは俺だけでいい その日、俺の秘書がバビルスに研修報告に行っていたので夕方に迎えに行った。
パトラ室を出たと連絡が来たので校門へ向かうと、彼女がこちらに向かってくるのが見えたので手を振る。
けど彼女が走り出そうとした途端に、横から制服姿の男悪魔が彼女に声をかけた。
その男の熱のこもった眼差しと、彼女の困惑の顔、そして伸ばされた手で用件を察する。
即座に彼女の元へ向かい後ろから抱きすくめた。
「帰ろ」
「メフィスト様!」
彼女がこちらを向いて嬉しそうにする。男悪魔は明らかな敵愾心をこちらに向ける。
「誰だよ!?」
「俺? この子のダーリンですけど。君こそ、この娘のなんなの」
「お、おれは」
「去年同じクラスだったヒトです」
「そっか、じゃあ知らないヒトだね。帰ろ」
863パトラ室を出たと連絡が来たので校門へ向かうと、彼女がこちらに向かってくるのが見えたので手を振る。
けど彼女が走り出そうとした途端に、横から制服姿の男悪魔が彼女に声をかけた。
その男の熱のこもった眼差しと、彼女の困惑の顔、そして伸ばされた手で用件を察する。
即座に彼女の元へ向かい後ろから抱きすくめた。
「帰ろ」
「メフィスト様!」
彼女がこちらを向いて嬉しそうにする。男悪魔は明らかな敵愾心をこちらに向ける。
「誰だよ!?」
「俺? この子のダーリンですけど。君こそ、この娘のなんなの」
「お、おれは」
「去年同じクラスだったヒトです」
「そっか、じゃあ知らないヒトだね。帰ろ」
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DONE #mirmプラスmfstと見当たらない秘書🌸の話
41巻良かったですね。mfst沼に一緒に浸かってくれる方が増えるのをお待ちしています。
2/7シーツの波間に君 書類を確認してもらいたくて、秘書を探す。スケジュール調整を任せっぱなしなので、予定が重なった日は、彼女に聞かないと追加で予定を入れていいかどうか解らない。
「いないなあ」
書斎はもちろん、厨房にもリビングにもいない。寝室にも風呂場にもどこにもいない。
出掛けたはずはない。もし出掛けるなら必ず声をかけていくから。けれど、あまりにも見つからないと不安になってくる。あの娘が俺を置いていなくなるなんてこと、あり得ないってわかっているのに、それでも胸がざわつくのはどうしようもなくて。
「どこに行ったの」
呟いて窓の外を見る。洗濯物がはためいている。もしかして?
外に出て物干しの方を見に行くと、いた。
乾いたシーツの山に埋もれて眠っていた。珍しく尻尾が出ているけれど、くったりとシーツに埋もれている。
865「いないなあ」
書斎はもちろん、厨房にもリビングにもいない。寝室にも風呂場にもどこにもいない。
出掛けたはずはない。もし出掛けるなら必ず声をかけていくから。けれど、あまりにも見つからないと不安になってくる。あの娘が俺を置いていなくなるなんてこと、あり得ないってわかっているのに、それでも胸がざわつくのはどうしようもなくて。
「どこに行ったの」
呟いて窓の外を見る。洗濯物がはためいている。もしかして?
外に出て物干しの方を見に行くと、いた。
乾いたシーツの山に埋もれて眠っていた。珍しく尻尾が出ているけれど、くったりとシーツに埋もれている。
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DONE #mirmプラスmfstと疲れたところを甘やかす🌸の話
2/6ずぶずぶと甘やかされるのが当たり前になっている「あー、疲れた」
バベルにて13冠の集いを終えてフラフラと帰宅する。今日は秘書は家で仕事をしていて、帰ったら充電させてもらおう。
夕方から始めて日付が変わるまで続いてほんとーに疲れた。ナルニアくんがアザゼル様と睨み合いを始めるしベルゼビュート様の愚痴は止まらないしバールの野郎は突っかかってくるし散々だったのだ。魔関署二人の睨み合いは魔関署でやってほしい。イラッとして俺がそこに種火を放り込んだせいで長引いた気もする。
まあ終わったからいいんだ。
家の前に着くと、扉が手をかける前に開く。
「お疲れ様でございます」
「ただいま」
「お帰りなさいませ」
上着を脱ぐ手間も惜しくてかわいい娘を抱きしめた。厚手の上着に埋もれて頬を赤くしている。俺の帰りを待ち構えていてくれたのかと思うとすごく嬉しい。
839バベルにて13冠の集いを終えてフラフラと帰宅する。今日は秘書は家で仕事をしていて、帰ったら充電させてもらおう。
夕方から始めて日付が変わるまで続いてほんとーに疲れた。ナルニアくんがアザゼル様と睨み合いを始めるしベルゼビュート様の愚痴は止まらないしバールの野郎は突っかかってくるし散々だったのだ。魔関署二人の睨み合いは魔関署でやってほしい。イラッとして俺がそこに種火を放り込んだせいで長引いた気もする。
まあ終わったからいいんだ。
家の前に着くと、扉が手をかける前に開く。
「お疲れ様でございます」
「ただいま」
「お帰りなさいませ」
上着を脱ぐ手間も惜しくてかわいい娘を抱きしめた。厚手の上着に埋もれて頬を赤くしている。俺の帰りを待ち構えていてくれたのかと思うとすごく嬉しい。
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DONE #mirmプラスmfstと指ハートを送り合っていたら飛び火する話
こう、わちゃわちゃした話が好きなので、メフィ様といちゃついてはいないけど、楽しいのでたまに書きます。
2/5ファンにハートを テレビを見ていたらクロムちゃんが指ハートをしていた。かわいい!
ということで横で本を読んでいるメフィスト様にもしてみる。
「メフィスト様!」
「なにそれ」
「ファンサです。ハート」
「……誰にでもする?」
「しないです」
「ふうん」
じゃあいいかと頷いてからメフィスト様もパチっとハートを作ってくれる。わ、かわいい!! 破壊力すごい。
それからしばらく二人の間でファンサがブームになり、折を見てハートを送り合っていた。
なのだけど、バベルでメフィスト様と別れるときにハートを送られて送り返しているところをナルニア様に見られた。
ナルニア様は首を傾げてからメフィスト様に話しかけている。普通にハチャメチャ恥ずかしいので、外でやるのはやめようね……。
807ということで横で本を読んでいるメフィスト様にもしてみる。
「メフィスト様!」
「なにそれ」
「ファンサです。ハート」
「……誰にでもする?」
「しないです」
「ふうん」
じゃあいいかと頷いてからメフィスト様もパチっとハートを作ってくれる。わ、かわいい!! 破壊力すごい。
それからしばらく二人の間でファンサがブームになり、折を見てハートを送り合っていた。
なのだけど、バベルでメフィスト様と別れるときにハートを送られて送り返しているところをナルニア様に見られた。
ナルニア様は首を傾げてからメフィスト様に話しかけている。普通にハチャメチャ恥ずかしいので、外でやるのはやめようね……。
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DONE #mirmプラスmfstとコンビニに行く話
メ様はコンビニとか行ったことなさそうだし、発想が上流階級だよね、完全にね
2/4コンビニ菓子を流れるように買い占めないでほしい「うーん」
俺のかわいい秘書がス魔ホを睨んで唸っていた。
「どしたの?」
「あ、メフィスト様。これなんですけど」
見せられたのはチョコ菓子で期間限定と書かれている。
「美味しそうだね」
「ですよね!? んー、食べたいんですけどコンビニ限定なんです。なかなか行くタイミングないから次に学校に行くときに寄るか、諦めて自作するか……」
「えっ、自作できるの? ソッチの方がすごくない……?」
しかし彼女は聞いていなくて、むむむと唸りながらス魔ホの画面を見ている。そんなに食べたいなら強請ればいいのに。
「買いに行きたいならそう言えばいいのに」
「え、や、そうなんですけど」
「俺は君のおねだりを断ったことないと思うけど?」
「そうなんですけどお」
788俺のかわいい秘書がス魔ホを睨んで唸っていた。
「どしたの?」
「あ、メフィスト様。これなんですけど」
見せられたのはチョコ菓子で期間限定と書かれている。
「美味しそうだね」
「ですよね!? んー、食べたいんですけどコンビニ限定なんです。なかなか行くタイミングないから次に学校に行くときに寄るか、諦めて自作するか……」
「えっ、自作できるの? ソッチの方がすごくない……?」
しかし彼女は聞いていなくて、むむむと唸りながらス魔ホの画面を見ている。そんなに食べたいなら強請ればいいのに。
「買いに行きたいならそう言えばいいのに」
「え、や、そうなんですけど」
「俺は君のおねだりを断ったことないと思うけど?」
「そうなんですけどお」
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DONE #mirmプラスmfstが秘書🌸に運転の練習をさせる話。
甘くはないです。運転下手なヒトってこうだよねっていう話。
2/3できるできる「目標は生きて帰ることです」
「……うん。やっぱり俺が運転しようか」
「それじゃあ意味ないじゃないですか」
何かと言えば車の運転である。メフィスト様の秘書をすること早数年の私だけど、私が運転をして移動したことがない。基本的に歩くか飛ぶか、タクシーだ。
けど貴族会や会食なんかだと遅くなったりもするし、良い車で出入りすることで箔がついたりもするので秘書が運転できる方が良い。じゃあなんで今まで運転してこなかったか? 万年ペーパードライバーだからである。免許は持ってる。理論上は運転できるはずなのだ。
というわけで、メフィスト様の13冠の仕事が落ち着いたタイミングで車を借りてきて練習することにしたわけです。
「ドライブに入れてー、アクセル踏んでー」
946「……うん。やっぱり俺が運転しようか」
「それじゃあ意味ないじゃないですか」
何かと言えば車の運転である。メフィスト様の秘書をすること早数年の私だけど、私が運転をして移動したことがない。基本的に歩くか飛ぶか、タクシーだ。
けど貴族会や会食なんかだと遅くなったりもするし、良い車で出入りすることで箔がついたりもするので秘書が運転できる方が良い。じゃあなんで今まで運転してこなかったか? 万年ペーパードライバーだからである。免許は持ってる。理論上は運転できるはずなのだ。
というわけで、メフィスト様の13冠の仕事が落ち着いたタイミングで車を借りてきて練習することにしたわけです。
「ドライブに入れてー、アクセル踏んでー」
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DONE #mirmプラスmfstと豆まきの話。メフィ様、こういうとこあると思ってる。先週の話みたいな感じで神話レベルの話してきそう。
2/2たまに神話レベルの話を見てきたかのように言う「東方の地域に節分というイベントと恵方巻という食べ物があるそうです」
「へえ?」
首を傾げる主のオヤツに豆菓子とロールケーキを出す。飲み物はいつもはコーヒーだけど豆菓子に合わせて緑茶を用意した。
「なんでもですねー、その地域の鬼神様を奉って豆をお供えする行事だそうで。なのでこの時分は豆菓子や豆料理が多く出されると聞きました」
最近はこの時分に豆菓子を食べるのが東方だけではなく近隣一帯に広がっているのだと学校で聞いてきた。
「ふうん。豆ねえ」
メフィスト様は豆菓子をつまみつつ何か考えている。
「豆、お嫌いでしたか?」
「ううん。それは大丈夫。好きでも嫌いでもないかな。けど……その話……」
「?」
なんだったかなとメフィスト様は悩みだしてしまった。なんだろう。メフィスト様もどこかで聞いてらしたのだろうか。
758「へえ?」
首を傾げる主のオヤツに豆菓子とロールケーキを出す。飲み物はいつもはコーヒーだけど豆菓子に合わせて緑茶を用意した。
「なんでもですねー、その地域の鬼神様を奉って豆をお供えする行事だそうで。なのでこの時分は豆菓子や豆料理が多く出されると聞きました」
最近はこの時分に豆菓子を食べるのが東方だけではなく近隣一帯に広がっているのだと学校で聞いてきた。
「ふうん。豆ねえ」
メフィスト様は豆菓子をつまみつつ何か考えている。
「豆、お嫌いでしたか?」
「ううん。それは大丈夫。好きでも嫌いでもないかな。けど……その話……」
「?」
なんだったかなとメフィスト様は悩みだしてしまった。なんだろう。メフィスト様もどこかで聞いてらしたのだろうか。
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DOODLE #mirmプラスazmとkb隊新人🌸の話
新人をがっつり鍛えあげた結果、隊員として優秀になったけど自分に甘えなくなって、やり過ぎたなって思うazm大佐がいてもいいと思うわけよ。
研いで鍛えた私の牙 その日の任務が終わり牙隊の執務室にて各自が日報を書いたり明日の確認をしたりと比較的穏やかに過ごしている。
私……アミィ・アザミは執務室の奥の自席で日報の確認をしつつ、先程終えた任務の報告書を作成している。……している、のだが出口に一番近い席の新人の女悪魔が白い顔で日報を書いているのが視界に入り、気が散る。
ああ、またか。まだ彼女は凄惨な現場に慣れることが出来ずにいる。
そういう時は真っ白な顔で一番最後に日報を持ってくるからわかりやすい。今日もきっとそうなのだろう。
予想通り、隊員が全員退室し、私と彼女と二人きりになって十分程経ったタイミングで彼女は音も立てずに日報を抱えてやってくる。
いつもなら机越しに提出される日報が、今日は机を回って横から渡された。
1160私……アミィ・アザミは執務室の奥の自席で日報の確認をしつつ、先程終えた任務の報告書を作成している。……している、のだが出口に一番近い席の新人の女悪魔が白い顔で日報を書いているのが視界に入り、気が散る。
ああ、またか。まだ彼女は凄惨な現場に慣れることが出来ずにいる。
そういう時は真っ白な顔で一番最後に日報を持ってくるからわかりやすい。今日もきっとそうなのだろう。
予想通り、隊員が全員退室し、私と彼女と二人きりになって十分程経ったタイミングで彼女は音も立てずに日報を抱えてやってくる。
いつもなら机越しに提出される日報が、今日は机を回って横から渡された。
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DONE #mirmプラスmfstと虫が苦手な秘書🌸
ドラ○もんがネズミ相手に核○弾をぶつけようとする話を思い出したので、そういう話です。
2/1吹き飛ばすので、ちょっと待っててください 夜ごはんのあと、風呂から上がって秘書のかわいい娘に風呂を勧めに厨房に行くと、火球をぶっ放そうとしていた。
「待って待って、なにしてるの」
「ちょっと、けしとばそうかと」
「いやいや、何を? 厨房? 家?全部吹っ飛んじゃうから」
「後で直します」
「そういう問題じゃないでしょう」
「あれ」
そう彼女が視線を向けた先にいたのは虫だった。たしかにちょっと大きいけど、摘んで外に放り出せば済むような害虫ですらない虫だ。
「……あの虫に、その厨房どころか家が半壊しそうな火球をぶつけようとしてる?」
「はい。ちょっと無理です」
「いやいやいや、そこで待ってて。火球はしまって」
虫は魔術でパッと外に逃がす。他にいないか周囲の確認もして、たぶん大丈夫。
782「待って待って、なにしてるの」
「ちょっと、けしとばそうかと」
「いやいや、何を? 厨房? 家?全部吹っ飛んじゃうから」
「後で直します」
「そういう問題じゃないでしょう」
「あれ」
そう彼女が視線を向けた先にいたのは虫だった。たしかにちょっと大きいけど、摘んで外に放り出せば済むような害虫ですらない虫だ。
「……あの虫に、その厨房どころか家が半壊しそうな火球をぶつけようとしてる?」
「はい。ちょっと無理です」
「いやいやいや、そこで待ってて。火球はしまって」
虫は魔術でパッと外に逃がす。他にいないか周囲の確認もして、たぶん大丈夫。
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DONE #mirmプラスmfstと愛してるゲームをする話。
弱くても可愛いし、めちゃくちゃに強くても良い。大変良い。
1/31I love you &... ある日の昼下がり。メフィスト様がやる気が出ないとボヤいていた。
書斎の机でぐだっと突っ伏して唸っている。
「なにか甘いモノをお持ちしましょうか」
「それより、俺のやる気の出ること言って」
あれだ、よく言われる「もっとかわいく言って」のもうちょいハードルが上がったバージョンだと思われる。
「そうですねえ」
ふと学校で聞いてきたサバトでよくやるらしいゲームを思い出す。
「愛してるゲームってご存知ですか?」
「知らない」
パッとメフィスト様が顔を上げるので、立ち上がって机の向かいから、ゆっくり微笑む。
「メフィスト様、愛しております」
「えっ、うん、知ってるけど、うん」
「照れたのでメフィスト様の負けです」
「えっ、なにそれ! なにそれ!?」
837書斎の机でぐだっと突っ伏して唸っている。
「なにか甘いモノをお持ちしましょうか」
「それより、俺のやる気の出ること言って」
あれだ、よく言われる「もっとかわいく言って」のもうちょいハードルが上がったバージョンだと思われる。
「そうですねえ」
ふと学校で聞いてきたサバトでよくやるらしいゲームを思い出す。
「愛してるゲームってご存知ですか?」
「知らない」
パッとメフィスト様が顔を上げるので、立ち上がって机の向かいから、ゆっくり微笑む。
「メフィスト様、愛しております」
「えっ、うん、知ってるけど、うん」
「照れたのでメフィスト様の負けです」
「えっ、なにそれ! なにそれ!?」
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DONE #mirmプラスmfstと出迎えの話
1/30ごはん?おふろ?それとも…? ある寒い夜にバベルから帰ると、いつもどおり彼女が出迎えてくれる。
「お帰りなさいませ」
「ただいま」
「お食事の用意ができてございます。それとも寒いですしお風呂を先になさいますか?」
それを聞いて、ふと思いついた。
「あのさ、ごはん? お風呂? それとも私? って言ってくれない?」
そう言うと彼女は胡乱な目つきで俺を見上げた。たぶん、また馬鹿言ってると思われているし、その通りなんだけど。
「メフィスト様」
「うん」
「その発言の良さがわたくしには判りかねますので、ちょっと言ってみてもらっていいですか?」
「うん?」
予想とはだいぶ違う返事に困惑する。
言わせようとしたのに、言わされそうになってる?
いや、言われて嬉しいなら、言ってみても悪くないかも? 馬鹿の発想をしつつ、せっかくなのでキメ顔を彼女に向けた。
747「お帰りなさいませ」
「ただいま」
「お食事の用意ができてございます。それとも寒いですしお風呂を先になさいますか?」
それを聞いて、ふと思いついた。
「あのさ、ごはん? お風呂? それとも私? って言ってくれない?」
そう言うと彼女は胡乱な目つきで俺を見上げた。たぶん、また馬鹿言ってると思われているし、その通りなんだけど。
「メフィスト様」
「うん」
「その発言の良さがわたくしには判りかねますので、ちょっと言ってみてもらっていいですか?」
「うん?」
予想とはだいぶ違う返事に困惑する。
言わせようとしたのに、言わされそうになってる?
いや、言われて嬉しいなら、言ってみても悪くないかも? 馬鹿の発想をしつつ、せっかくなのでキメ顔を彼女に向けた。
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DONE #mirmプラスmfst秘書🌸が髪を切りたい話
1/29長く暗く夜のような ある日の夜、俺の秘書が洗面所の鏡の前で首をひねっていた。
「どうしたの」
「髪を切ろうか悩んでまして」
「え、やだ、もったいない」
「もったいないですか?」
彼女は髪を一房、雑に掴む。
「錬金術の素材になりますし、魔法薬の素材にもなりますし、切って保管するなり売るなりすれば良いのでは」
「……俺、そんなに甲斐性ないつもり、ないんだけど」
思わず低い声を出すと彼女は目を丸くした。
「メフィスト様に甲斐性がないとは流石に思わないですよ。13冠ですし。すみません。実家だとそうしてたので、そういうものだと思っていたんです」
「……」
どうしよう、この娘の実家滅ぼしてきていいかな……。
肩に手を置いて、出来るだけ冷静に話しかける。
1028「どうしたの」
「髪を切ろうか悩んでまして」
「え、やだ、もったいない」
「もったいないですか?」
彼女は髪を一房、雑に掴む。
「錬金術の素材になりますし、魔法薬の素材にもなりますし、切って保管するなり売るなりすれば良いのでは」
「……俺、そんなに甲斐性ないつもり、ないんだけど」
思わず低い声を出すと彼女は目を丸くした。
「メフィスト様に甲斐性がないとは流石に思わないですよ。13冠ですし。すみません。実家だとそうしてたので、そういうものだと思っていたんです」
「……」
どうしよう、この娘の実家滅ぼしてきていいかな……。
肩に手を置いて、出来るだけ冷静に話しかける。
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DONE #mirmプラスmfst秘書🌸が売られた喧嘩を買う話。たまに言ってますけどうちの子は気が短いし喧嘩っ早い。
1/28ダリ先生からは取ってつけたようなお説教をされた その日学校に顔を出したら珍しく他のクラスメイトが何人かいた。
声をかけて教室で互いに近況報告をすると、一人の男悪魔が鼻で笑う。
「は? 雷帝のSDだったくせに、今は盤外王の秘書? 尻軽かよ。どう考えても雷帝の方がすごいじゃん」
お、喧嘩売ってんのか? 言い値で買うが?
「そんな新入りの名前もろくに知られてない悪魔に頭下げて恥ずかしくねえの? あ、そういう男が好きなんだ? モノ好きだなー。雷帝の方が名声も地位も上なのに見る目ねえの」
「……表、出な?」
辛うじてそう言うと、ソイツは言い過ぎたことに気付いたのか僅かに目を逸らす。
周りで冷や汗をかいていた同級生のうち、女子が素早く教室を出て察しの良い男子は距離を置く。
1106声をかけて教室で互いに近況報告をすると、一人の男悪魔が鼻で笑う。
「は? 雷帝のSDだったくせに、今は盤外王の秘書? 尻軽かよ。どう考えても雷帝の方がすごいじゃん」
お、喧嘩売ってんのか? 言い値で買うが?
「そんな新入りの名前もろくに知られてない悪魔に頭下げて恥ずかしくねえの? あ、そういう男が好きなんだ? モノ好きだなー。雷帝の方が名声も地位も上なのに見る目ねえの」
「……表、出な?」
辛うじてそう言うと、ソイツは言い過ぎたことに気付いたのか僅かに目を逸らす。
周りで冷や汗をかいていた同級生のうち、女子が素早く教室を出て察しの良い男子は距離を置く。
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DONE #mirmプラスmfstと流行りの映画を観る話。ところで映画とかドラマとかあるんですかね?
1/27甘い映画より重い貴方の方がいい「これ、流行ってるんだってさ」
そう言ってメフィスト様が持ってきたのはバビルスで流行ってる恋愛映画のディスクだった。
……そんなもん、どこで聞いてきたんだ。や、間違いなくイルマくんに聞いたのだろうけど。
「あー……、すごい甘い話らしいですね」
「知ってるの?」
「学校で流行ってるって聞きました」
「せっかくだし観てみよう」
お菓子や飲み物も用意していざ上映会。
……すごい。めちゃくちゃに甘ったるい。お菓子は塩っぱいの用意すれば良かった。
君は僕の光とか、生きる意味とかなんかそういうことを延々と言って口説いている。
「砂糖菓子もかくやの甘さですね」
「うーん、言われたい? これ」
「や……たぶん、そわってなるんで、いらないです」
1038そう言ってメフィスト様が持ってきたのはバビルスで流行ってる恋愛映画のディスクだった。
……そんなもん、どこで聞いてきたんだ。や、間違いなくイルマくんに聞いたのだろうけど。
「あー……、すごい甘い話らしいですね」
「知ってるの?」
「学校で流行ってるって聞きました」
「せっかくだし観てみよう」
お菓子や飲み物も用意していざ上映会。
……すごい。めちゃくちゃに甘ったるい。お菓子は塩っぱいの用意すれば良かった。
君は僕の光とか、生きる意味とかなんかそういうことを延々と言って口説いている。
「砂糖菓子もかくやの甘さですね」
「うーん、言われたい? これ」
「や……たぶん、そわってなるんで、いらないです」
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DOODLE #mirmプラスazmとお酌とコンプラの話
部下がセクハラされて怒りつつも、その部下を恋人として扱うのってセクハラになるのではと悩むazmの話です。そういうことで悩んでほしい。
この悪魔をかわいいと言うのは魔関署の中で私だけなのは承知している 今夜は魔関署全体の新年会……という名の年末年始お疲れ様会である。
各部署から何人かずつ偉い悪魔と新人が駆りだされて、新人はまあ雑用係だ。お酌をしたり飲み物を追加したり食べ物を取り分けたり忙しい。
ナルニア様直属の牙隊新人である私も例に漏れず、数少ない女悪魔ということでお酌に回っていた。けど一通り酔っ払えば、あとはほとんどの方々は勝手に飲みだすので放っておけばいい。
放っておけないのは機嫌の悪さが溢れ出ている我が上官……アザミ大佐である。
「どしたんですか、そんなお怒りになって」
笑いながら隣に座ると、それはそれは低い声で、
「私は、貴様に娼婦のような真似をさせるために牙を砥いできたわけではない」
「ちょろっとお酌してきただけじゃないですか」
1748各部署から何人かずつ偉い悪魔と新人が駆りだされて、新人はまあ雑用係だ。お酌をしたり飲み物を追加したり食べ物を取り分けたり忙しい。
ナルニア様直属の牙隊新人である私も例に漏れず、数少ない女悪魔ということでお酌に回っていた。けど一通り酔っ払えば、あとはほとんどの方々は勝手に飲みだすので放っておけばいい。
放っておけないのは機嫌の悪さが溢れ出ている我が上官……アザミ大佐である。
「どしたんですか、そんなお怒りになって」
笑いながら隣に座ると、それはそれは低い声で、
「私は、貴様に娼婦のような真似をさせるために牙を砥いできたわけではない」
「ちょろっとお酌してきただけじゃないですか」
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DONE #mirmプラスmfstと視察に行ったら喧嘩を売られた話
うちの🌸は短期で喧嘩っ早いです
1/26戦争の申し込みはこちらまで「まあ、メフィスト様ではありませんか」
「これはこれは」
メフィスト様とメフィスト様の統治下にある地域に最近出来た屋内施設に視察に来ていた。
まあ視察の名目で半分デートだ。
けど、その施設の経営をする女悪魔と鉢合わせてしまい、このようにマジの視察になってしまったわけです。
「わざわざお越しいただきまして。事前にご連絡いただければ、お出迎えいたしましたのに」
「個人的に伺っただけなので」
「まあ、そこまで気にかけていただいて」
「こちらで好きに見て回りますので」
「13冠メフィスト様にお越しいただいたのですから、おもてなしをさせていただきませんと」
とまあ、暑苦しく、押しが強くて、鬱陶しい……ダメだ、苛ついてマイルドに表現できない。
974「これはこれは」
メフィスト様とメフィスト様の統治下にある地域に最近出来た屋内施設に視察に来ていた。
まあ視察の名目で半分デートだ。
けど、その施設の経営をする女悪魔と鉢合わせてしまい、このようにマジの視察になってしまったわけです。
「わざわざお越しいただきまして。事前にご連絡いただければ、お出迎えいたしましたのに」
「個人的に伺っただけなので」
「まあ、そこまで気にかけていただいて」
「こちらで好きに見て回りますので」
「13冠メフィスト様にお越しいただいたのですから、おもてなしをさせていただきませんと」
とまあ、暑苦しく、押しが強くて、鬱陶しい……ダメだ、苛ついてマイルドに表現できない。
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DONE #mirmプラスmfstと休みの日に休まない話
待たされたり放ったらかされたらふててほしいですね
1/25ほったらかさないで、寂しいから「ねえ」
「はあい」
「まだかかりそう?」
「もうちょっとですね」
「さっきもそう言ってたよ」
俺のかわいい子は忙しそうに書類を仕分けたり捨てたりメモを取ったり付箋を貼り付けたり……ともかくひたすら手を動かしている。
今日は休みだから昼にちょっと買い物に出ようとか、朝は言っていた気がするのだけど。
朝ごはんの後に大量の手紙が届いて、それを受け取ってからかれこれ数時間はこの調子だ。
この娘はそういうところがあって、仕事なんて始めたら無限にあるし、やろうと思えば死ぬまで続くんだから適当なところで切り上げればいいのに、あとちょっとあとちょっとと手を動かし続ける。
そろそろつまらなくなってきたので取り上げようか。
792「はあい」
「まだかかりそう?」
「もうちょっとですね」
「さっきもそう言ってたよ」
俺のかわいい子は忙しそうに書類を仕分けたり捨てたりメモを取ったり付箋を貼り付けたり……ともかくひたすら手を動かしている。
今日は休みだから昼にちょっと買い物に出ようとか、朝は言っていた気がするのだけど。
朝ごはんの後に大量の手紙が届いて、それを受け取ってからかれこれ数時間はこの調子だ。
この娘はそういうところがあって、仕事なんて始めたら無限にあるし、やろうと思えば死ぬまで続くんだから適当なところで切り上げればいいのに、あとちょっとあとちょっとと手を動かし続ける。
そろそろつまらなくなってきたので取り上げようか。
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DONE #mirmプラスmfstと雪の中を歩く話
雪、歩き慣れてないと大変なんだよ
1/24雪と転げる私と手を引くヒト「寒いですねえ」
「ねえ」
そんなことを言いながら、私とメフィスト様は並んで歩いている。雪が降っていて飛べないし、足元はベチャベチャで歩きにくい。
「あわっ」
「っ!」
足を滑らせてベチャベチャの雪に突っ込みそうになったけど、手をつないでいたメフィスト様が引っ張ってくれて何とか踏みとどまれた。
「すみません」
「大丈夫。気をつけてね」
そう言いながらメフィスト様は繋いでいた手を引き寄せて、先程よりもゆっくり目に歩こうとして、すっ転んだ。
当然のように私も巻き込まれ、二人してべっちゃべちゃである。
「ごめん……」
「だいじょぶ、です」
正直あんまり大丈夫ではない。メフィスト様は尻餅をついたからズボンとコートの裾が汚れたくらいだけど、私は前に手を引っ張られて倒れたので上から下まで雪と泥でべっちゃりである。
913「ねえ」
そんなことを言いながら、私とメフィスト様は並んで歩いている。雪が降っていて飛べないし、足元はベチャベチャで歩きにくい。
「あわっ」
「っ!」
足を滑らせてベチャベチャの雪に突っ込みそうになったけど、手をつないでいたメフィスト様が引っ張ってくれて何とか踏みとどまれた。
「すみません」
「大丈夫。気をつけてね」
そう言いながらメフィスト様は繋いでいた手を引き寄せて、先程よりもゆっくり目に歩こうとして、すっ転んだ。
当然のように私も巻き込まれ、二人してべっちゃべちゃである。
「ごめん……」
「だいじょぶ、です」
正直あんまり大丈夫ではない。メフィスト様は尻餅をついたからズボンとコートの裾が汚れたくらいだけど、私は前に手を引っ張られて倒れたので上から下まで雪と泥でべっちゃりである。
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DONE #mirmプラスmfst邸にコタツを持ち込む話
1/23こたつの魔力「なにこれ」
「コタツというものだそうです。クララちゃんがくれました」
メフィスト邸のテレビの前のソファセットをコタツに入れ替えたら、風呂上りのメフィスト様が困惑の面持ちでやってきた。
今日の昼間、悪魔学校に行ったらクララちゃんに会い、魔具研の師団室に連れて行かれて設置されていたコタツに入ったのだ。
すごかった。めちゃくちゃ良かった。何故かイルマくんとアスモデウスくんにコタツの良さを説明され、クララちゃんが家系能力でコタツを出してくれて、
「パイセンにも分けてあげるからメフィメフィと使いな?」
なんて言って譲ってくれたのだ。
という一連の流れを掻い摘んで説明したら、メフィスト様はわかったようなわからないような顔で頷きつつ、私を見習ってコタツに入ってきた。
906「コタツというものだそうです。クララちゃんがくれました」
メフィスト邸のテレビの前のソファセットをコタツに入れ替えたら、風呂上りのメフィスト様が困惑の面持ちでやってきた。
今日の昼間、悪魔学校に行ったらクララちゃんに会い、魔具研の師団室に連れて行かれて設置されていたコタツに入ったのだ。
すごかった。めちゃくちゃ良かった。何故かイルマくんとアスモデウスくんにコタツの良さを説明され、クララちゃんが家系能力でコタツを出してくれて、
「パイセンにも分けてあげるからメフィメフィと使いな?」
なんて言って譲ってくれたのだ。
という一連の流れを掻い摘んで説明したら、メフィスト様はわかったようなわからないような顔で頷きつつ、私を見習ってコタツに入ってきた。
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DONE #mirmプラスmfstとマフラーと嫉妬の話
実際に何かあるかどうかの話ではないのよね、こういうの
1/22うちの子がかわいい「今日は寒いのでこちらを」
そう言って秘書(研修中)(かわいい)が差し出したのはマフラーだった。幅広で厚手で、深緑と白と黒のタータンチェックだ。
「……」
受け取ったそれを彼女の首から肩にかけて巻くと、顔が埋もれてすごいかわいい。
思わずキスをしたら顔が赤くなってますますかわいい。どうしよう。家から出したくない。
「あの、メフィスト様?」
「うん」
「ご自身に巻いていただいて」
「……うん」
「私のものもありますので」
彼女が取り出したのは色違いで同じデザインのマフラーだった。
「こっちを俺がしてもいい?」
「構いませんよ」
そう言うとふんわりとマフラーを巻いてくれる。届くように腰を屈めて、それでもちょっと足りなくて背伸びしているのが本当にかわいい。
791そう言って秘書(研修中)(かわいい)が差し出したのはマフラーだった。幅広で厚手で、深緑と白と黒のタータンチェックだ。
「……」
受け取ったそれを彼女の首から肩にかけて巻くと、顔が埋もれてすごいかわいい。
思わずキスをしたら顔が赤くなってますますかわいい。どうしよう。家から出したくない。
「あの、メフィスト様?」
「うん」
「ご自身に巻いていただいて」
「……うん」
「私のものもありますので」
彼女が取り出したのは色違いで同じデザインのマフラーだった。
「こっちを俺がしてもいい?」
「構いませんよ」
そう言うとふんわりとマフラーを巻いてくれる。届くように腰を屈めて、それでもちょっと足りなくて背伸びしているのが本当にかわいい。
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DONE #mirmプラスmfstが風邪を引きかける話
1/21風邪を治す特効薬「けほ」
……主が空咳をしている。今日でかれこれ10回目だ。これはいけねえ。
私は可及的速やかに厨房に戻る。雪男大根をサイコロ型に切ってハチミツに漬けておく。それから加湿器出して、マスクも用意して……。
なんて走り回っている内にハチミツ大根飴が出来たのでお湯で割ってメフィスト様のところへ持っていく。
「これは?」
「ハチミツ大根飴お湯割りです。喉の調子がよろしくないようですので」
「目敏いね」
「何度も咳をしてらっしゃいましたよ。加湿もしますから、今日は早めに休まれてくださいませ」
そう言って書斎を出ようとするとメフィスト様に呼び止められた。
「君は大丈夫?」
「今のところは。ですが、あまりに体調が優れないのであれば移らないようにベッドを別けたり」
918……主が空咳をしている。今日でかれこれ10回目だ。これはいけねえ。
私は可及的速やかに厨房に戻る。雪男大根をサイコロ型に切ってハチミツに漬けておく。それから加湿器出して、マスクも用意して……。
なんて走り回っている内にハチミツ大根飴が出来たのでお湯で割ってメフィスト様のところへ持っていく。
「これは?」
「ハチミツ大根飴お湯割りです。喉の調子がよろしくないようですので」
「目敏いね」
「何度も咳をしてらっしゃいましたよ。加湿もしますから、今日は早めに休まれてくださいませ」
そう言って書斎を出ようとするとメフィスト様に呼び止められた。
「君は大丈夫?」
「今のところは。ですが、あまりに体調が優れないのであれば移らないようにベッドを別けたり」
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DOODLE #mirmプラスazm、付き合ってるし、諸々バレている
鋼鉄の犬と隠し切れない猫の話 定時を一時間程過ぎた牙隊隊室。
日勤の隊員は帰寮済み、夜勤の隊員は各自任務に行ってしまったため、隊室に残っているのは引き継ぎと日報作成の終わらない新米私と、待たされているアザミ大佐のみである。
「書けました!」
「……及第点と言ったところだな。明日はもう少し手早く書き終えるように」
「イエッサ! ところでアザミ様、背中の爪痕もう大丈夫ですか? けっこうがっつり引っかいちゃってましたよね」
そう言うとアザミ大佐はめちゃくちゃ嫌そうな顔をした。
「あの後すぐに魔術で治療したから問題ない。ないが」
「へー、アザミ大佐ったら、新人ちゃんとがっつり爪痕残るようなコトしてるんすか? お盛んッスねえ」
「!?」
隊室の扉から顔を出していたのはフェンリル様で、アザミ大佐が椅子をひっくり返す勢いで立ち上がった。
972日勤の隊員は帰寮済み、夜勤の隊員は各自任務に行ってしまったため、隊室に残っているのは引き継ぎと日報作成の終わらない新米私と、待たされているアザミ大佐のみである。
「書けました!」
「……及第点と言ったところだな。明日はもう少し手早く書き終えるように」
「イエッサ! ところでアザミ様、背中の爪痕もう大丈夫ですか? けっこうがっつり引っかいちゃってましたよね」
そう言うとアザミ大佐はめちゃくちゃ嫌そうな顔をした。
「あの後すぐに魔術で治療したから問題ない。ないが」
「へー、アザミ大佐ったら、新人ちゃんとがっつり爪痕残るようなコトしてるんすか? お盛んッスねえ」
「!?」
隊室の扉から顔を出していたのはフェンリル様で、アザミ大佐が椅子をひっくり返す勢いで立ち上がった。
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DONE #mirmプラスmfstと嫉妬する話。
嫉妬するのもされるのもなんぼあっても良いと思います。
1/20転がされ、慰められる俺 秘書(研修中)が厨房でス魔ホをぽちぽちしていた。普段触っているところを見ないので珍しくて覗いてしまう。
「なにしてるの?」
「来週登校するつもりだったんですけど、イフリート先生の都合が悪いそうなので、いつがいいか相談してました」
「……」
イフリート先生というのは、この娘の担任兼師匠だと言っていた。そりゃ、学生なんだから担任がいて、研修中だから担任に報告に行くのも報告のために予定の確認をするのも当たり前なんだけど。
なんだけど、めちゃくちゃ面白くない。
俺以外の相手と魔インしないでほしい。しかも男悪魔と会うためになんて。
「メフィスト様? 再来週頭なんですけど、今のところ空いているのでそこで」
「やだ」
1079「なにしてるの?」
「来週登校するつもりだったんですけど、イフリート先生の都合が悪いそうなので、いつがいいか相談してました」
「……」
イフリート先生というのは、この娘の担任兼師匠だと言っていた。そりゃ、学生なんだから担任がいて、研修中だから担任に報告に行くのも報告のために予定の確認をするのも当たり前なんだけど。
なんだけど、めちゃくちゃ面白くない。
俺以外の相手と魔インしないでほしい。しかも男悪魔と会うためになんて。
「メフィスト様? 再来週頭なんですけど、今のところ空いているのでそこで」
「やだ」
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DONE #mirmプラスmfstのスーツを選ぶ秘書🌸の話
全然関係ないんですけど、ワンダラー・ガイスト氏はバビデビ用に書いてるazm夢にも出てきます。
1/19趣味がバレている「……」
私は衣装部屋で悩んでいた。明日の貴族との会合でメフィスト様に着ていただくスーツについてである。
「何着ても似合うからなー」
そう、メフィスト様は何を着ても似合う。何を着てもかっこいいので逆に選べない。とりあえず冬物で、お偉いお貴族様に新13冠だからと舐められないよう仕立ての良いもので、尚かつメフィスト様の良さを100%引き出せるもの。
「うーん。こないだストライプだったから……次は無地か……や、でもこっちのスリーピース好きなんだよなあ」
私が! 私がスリーピーススーツが好きなのだ。いいよね、スリーピース。けど、うーん。もうちょっとラフなものでも……。
「ねえ、まだかかる?」
「うっわ、びっくりした。メフィスト様、いかがなさいましたか」
902私は衣装部屋で悩んでいた。明日の貴族との会合でメフィスト様に着ていただくスーツについてである。
「何着ても似合うからなー」
そう、メフィスト様は何を着ても似合う。何を着てもかっこいいので逆に選べない。とりあえず冬物で、お偉いお貴族様に新13冠だからと舐められないよう仕立ての良いもので、尚かつメフィスト様の良さを100%引き出せるもの。
「うーん。こないだストライプだったから……次は無地か……や、でもこっちのスリーピース好きなんだよなあ」
私が! 私がスリーピーススーツが好きなのだ。いいよね、スリーピース。けど、うーん。もうちょっとラフなものでも……。
「ねえ、まだかかる?」
「うっわ、びっくりした。メフィスト様、いかがなさいましたか」
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DONE #mirmプラスmfstとダイエットをしたい秘書🌸の話
ダイエットに協力しないタイプのmfstです
1/18自分に厳しく、君に甘く 風呂上がりに体重計に乗ると、自分史上最大の数字が叩き出されていた。お腹を摘む。摘めるのがもうダメ。
「減らすか……」
おやつとか、おやつとか。
翌日、おやつどきに書斎で仕事をされているメフィスト様にコーヒーとおやつを持っていく。自分の分は魔茶だけだ。コーヒーだと砂糖を入れないと飲めないから。
私が応接セットのソファに座って書類を広げていると、目敏く気づいたメフィスト様が顔を上げた。
「おやつ、君のは?」
「あー、今日は、あんまりお腹すいてなくて」
「そう?」
無事に聞き流してもらえたのでエヘヘと笑って誤魔化して仕事に取り掛かる。
夜ごはんも心持ち少なめ。次の日も、朝はちゃんと食べる。昼もなんとなく少なめ。おやつは無しにしたら、メフィスト様はちょっと笑ってから、
783「減らすか……」
おやつとか、おやつとか。
翌日、おやつどきに書斎で仕事をされているメフィスト様にコーヒーとおやつを持っていく。自分の分は魔茶だけだ。コーヒーだと砂糖を入れないと飲めないから。
私が応接セットのソファに座って書類を広げていると、目敏く気づいたメフィスト様が顔を上げた。
「おやつ、君のは?」
「あー、今日は、あんまりお腹すいてなくて」
「そう?」
無事に聞き流してもらえたのでエヘヘと笑って誤魔化して仕事に取り掛かる。
夜ごはんも心持ち少なめ。次の日も、朝はちゃんと食べる。昼もなんとなく少なめ。おやつは無しにしたら、メフィスト様はちょっと笑ってから、