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DONE #mirmプラスmfstと見当たらない秘書🌸の話
41巻良かったですね。mfst沼に一緒に浸かってくれる方が増えるのをお待ちしています。
2/7シーツの波間に君 書類を確認してもらいたくて、秘書を探す。スケジュール調整を任せっぱなしなので、予定が重なった日は、彼女に聞かないと追加で予定を入れていいかどうか解らない。
「いないなあ」
書斎はもちろん、厨房にもリビングにもいない。寝室にも風呂場にもどこにもいない。
出掛けたはずはない。もし出掛けるなら必ず声をかけていくから。けれど、あまりにも見つからないと不安になってくる。あの娘が俺を置いていなくなるなんてこと、あり得ないってわかっているのに、それでも胸がざわつくのはどうしようもなくて。
「どこに行ったの」
呟いて窓の外を見る。洗濯物がはためいている。もしかして?
外に出て物干しの方を見に行くと、いた。
乾いたシーツの山に埋もれて眠っていた。珍しく尻尾が出ているけれど、くったりとシーツに埋もれている。
865「いないなあ」
書斎はもちろん、厨房にもリビングにもいない。寝室にも風呂場にもどこにもいない。
出掛けたはずはない。もし出掛けるなら必ず声をかけていくから。けれど、あまりにも見つからないと不安になってくる。あの娘が俺を置いていなくなるなんてこと、あり得ないってわかっているのに、それでも胸がざわつくのはどうしようもなくて。
「どこに行ったの」
呟いて窓の外を見る。洗濯物がはためいている。もしかして?
外に出て物干しの方を見に行くと、いた。
乾いたシーツの山に埋もれて眠っていた。珍しく尻尾が出ているけれど、くったりとシーツに埋もれている。
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DONE #mirmプラスmfstと疲れたところを甘やかす🌸の話
2/6ずぶずぶと甘やかされるのが当たり前になっている「あー、疲れた」
バベルにて13冠の集いを終えてフラフラと帰宅する。今日は秘書は家で仕事をしていて、帰ったら充電させてもらおう。
夕方から始めて日付が変わるまで続いてほんとーに疲れた。ナルニアくんがアザゼル様と睨み合いを始めるしベルゼビュート様の愚痴は止まらないしバールの野郎は突っかかってくるし散々だったのだ。魔関署二人の睨み合いは魔関署でやってほしい。イラッとして俺がそこに種火を放り込んだせいで長引いた気もする。
まあ終わったからいいんだ。
家の前に着くと、扉が手をかける前に開く。
「お疲れ様でございます」
「ただいま」
「お帰りなさいませ」
上着を脱ぐ手間も惜しくてかわいい娘を抱きしめた。厚手の上着に埋もれて頬を赤くしている。俺の帰りを待ち構えていてくれたのかと思うとすごく嬉しい。
839バベルにて13冠の集いを終えてフラフラと帰宅する。今日は秘書は家で仕事をしていて、帰ったら充電させてもらおう。
夕方から始めて日付が変わるまで続いてほんとーに疲れた。ナルニアくんがアザゼル様と睨み合いを始めるしベルゼビュート様の愚痴は止まらないしバールの野郎は突っかかってくるし散々だったのだ。魔関署二人の睨み合いは魔関署でやってほしい。イラッとして俺がそこに種火を放り込んだせいで長引いた気もする。
まあ終わったからいいんだ。
家の前に着くと、扉が手をかける前に開く。
「お疲れ様でございます」
「ただいま」
「お帰りなさいませ」
上着を脱ぐ手間も惜しくてかわいい娘を抱きしめた。厚手の上着に埋もれて頬を赤くしている。俺の帰りを待ち構えていてくれたのかと思うとすごく嬉しい。
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DONE #mirmプラスmfstと指ハートを送り合っていたら飛び火する話
こう、わちゃわちゃした話が好きなので、メフィ様といちゃついてはいないけど、楽しいのでたまに書きます。
2/5ファンにハートを テレビを見ていたらクロムちゃんが指ハートをしていた。かわいい!
ということで横で本を読んでいるメフィスト様にもしてみる。
「メフィスト様!」
「なにそれ」
「ファンサです。ハート」
「……誰にでもする?」
「しないです」
「ふうん」
じゃあいいかと頷いてからメフィスト様もパチっとハートを作ってくれる。わ、かわいい!! 破壊力すごい。
それからしばらく二人の間でファンサがブームになり、折を見てハートを送り合っていた。
なのだけど、バベルでメフィスト様と別れるときにハートを送られて送り返しているところをナルニア様に見られた。
ナルニア様は首を傾げてからメフィスト様に話しかけている。普通にハチャメチャ恥ずかしいので、外でやるのはやめようね……。
807ということで横で本を読んでいるメフィスト様にもしてみる。
「メフィスト様!」
「なにそれ」
「ファンサです。ハート」
「……誰にでもする?」
「しないです」
「ふうん」
じゃあいいかと頷いてからメフィスト様もパチっとハートを作ってくれる。わ、かわいい!! 破壊力すごい。
それからしばらく二人の間でファンサがブームになり、折を見てハートを送り合っていた。
なのだけど、バベルでメフィスト様と別れるときにハートを送られて送り返しているところをナルニア様に見られた。
ナルニア様は首を傾げてからメフィスト様に話しかけている。普通にハチャメチャ恥ずかしいので、外でやるのはやめようね……。
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DONE #mirmプラスmfstとコンビニに行く話
メ様はコンビニとか行ったことなさそうだし、発想が上流階級だよね、完全にね
2/4コンビニ菓子を流れるように買い占めないでほしい「うーん」
俺のかわいい秘書がス魔ホを睨んで唸っていた。
「どしたの?」
「あ、メフィスト様。これなんですけど」
見せられたのはチョコ菓子で期間限定と書かれている。
「美味しそうだね」
「ですよね!? んー、食べたいんですけどコンビニ限定なんです。なかなか行くタイミングないから次に学校に行くときに寄るか、諦めて自作するか……」
「えっ、自作できるの? ソッチの方がすごくない……?」
しかし彼女は聞いていなくて、むむむと唸りながらス魔ホの画面を見ている。そんなに食べたいなら強請ればいいのに。
「買いに行きたいならそう言えばいいのに」
「え、や、そうなんですけど」
「俺は君のおねだりを断ったことないと思うけど?」
「そうなんですけどお」
788俺のかわいい秘書がス魔ホを睨んで唸っていた。
「どしたの?」
「あ、メフィスト様。これなんですけど」
見せられたのはチョコ菓子で期間限定と書かれている。
「美味しそうだね」
「ですよね!? んー、食べたいんですけどコンビニ限定なんです。なかなか行くタイミングないから次に学校に行くときに寄るか、諦めて自作するか……」
「えっ、自作できるの? ソッチの方がすごくない……?」
しかし彼女は聞いていなくて、むむむと唸りながらス魔ホの画面を見ている。そんなに食べたいなら強請ればいいのに。
「買いに行きたいならそう言えばいいのに」
「え、や、そうなんですけど」
「俺は君のおねだりを断ったことないと思うけど?」
「そうなんですけどお」
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DONE #mirmプラスmfstが秘書🌸に運転の練習をさせる話。
甘くはないです。運転下手なヒトってこうだよねっていう話。
2/3できるできる「目標は生きて帰ることです」
「……うん。やっぱり俺が運転しようか」
「それじゃあ意味ないじゃないですか」
何かと言えば車の運転である。メフィスト様の秘書をすること早数年の私だけど、私が運転をして移動したことがない。基本的に歩くか飛ぶか、タクシーだ。
けど貴族会や会食なんかだと遅くなったりもするし、良い車で出入りすることで箔がついたりもするので秘書が運転できる方が良い。じゃあなんで今まで運転してこなかったか? 万年ペーパードライバーだからである。免許は持ってる。理論上は運転できるはずなのだ。
というわけで、メフィスト様の13冠の仕事が落ち着いたタイミングで車を借りてきて練習することにしたわけです。
「ドライブに入れてー、アクセル踏んでー」
946「……うん。やっぱり俺が運転しようか」
「それじゃあ意味ないじゃないですか」
何かと言えば車の運転である。メフィスト様の秘書をすること早数年の私だけど、私が運転をして移動したことがない。基本的に歩くか飛ぶか、タクシーだ。
けど貴族会や会食なんかだと遅くなったりもするし、良い車で出入りすることで箔がついたりもするので秘書が運転できる方が良い。じゃあなんで今まで運転してこなかったか? 万年ペーパードライバーだからである。免許は持ってる。理論上は運転できるはずなのだ。
というわけで、メフィスト様の13冠の仕事が落ち着いたタイミングで車を借りてきて練習することにしたわけです。
「ドライブに入れてー、アクセル踏んでー」
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DONE #mirmプラスmfstと豆まきの話。メフィ様、こういうとこあると思ってる。先週の話みたいな感じで神話レベルの話してきそう。
2/2たまに神話レベルの話を見てきたかのように言う「東方の地域に節分というイベントと恵方巻という食べ物があるそうです」
「へえ?」
首を傾げる主のオヤツに豆菓子とロールケーキを出す。飲み物はいつもはコーヒーだけど豆菓子に合わせて緑茶を用意した。
「なんでもですねー、その地域の鬼神様を奉って豆をお供えする行事だそうで。なのでこの時分は豆菓子や豆料理が多く出されると聞きました」
最近はこの時分に豆菓子を食べるのが東方だけではなく近隣一帯に広がっているのだと学校で聞いてきた。
「ふうん。豆ねえ」
メフィスト様は豆菓子をつまみつつ何か考えている。
「豆、お嫌いでしたか?」
「ううん。それは大丈夫。好きでも嫌いでもないかな。けど……その話……」
「?」
なんだったかなとメフィスト様は悩みだしてしまった。なんだろう。メフィスト様もどこかで聞いてらしたのだろうか。
758「へえ?」
首を傾げる主のオヤツに豆菓子とロールケーキを出す。飲み物はいつもはコーヒーだけど豆菓子に合わせて緑茶を用意した。
「なんでもですねー、その地域の鬼神様を奉って豆をお供えする行事だそうで。なのでこの時分は豆菓子や豆料理が多く出されると聞きました」
最近はこの時分に豆菓子を食べるのが東方だけではなく近隣一帯に広がっているのだと学校で聞いてきた。
「ふうん。豆ねえ」
メフィスト様は豆菓子をつまみつつ何か考えている。
「豆、お嫌いでしたか?」
「ううん。それは大丈夫。好きでも嫌いでもないかな。けど……その話……」
「?」
なんだったかなとメフィスト様は悩みだしてしまった。なんだろう。メフィスト様もどこかで聞いてらしたのだろうか。
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DOODLE #mirmプラスazmとkb隊新人🌸の話
新人をがっつり鍛えあげた結果、隊員として優秀になったけど自分に甘えなくなって、やり過ぎたなって思うazm大佐がいてもいいと思うわけよ。
研いで鍛えた私の牙 その日の任務が終わり牙隊の執務室にて各自が日報を書いたり明日の確認をしたりと比較的穏やかに過ごしている。
私……アミィ・アザミは執務室の奥の自席で日報の確認をしつつ、先程終えた任務の報告書を作成している。……している、のだが出口に一番近い席の新人の女悪魔が白い顔で日報を書いているのが視界に入り、気が散る。
ああ、またか。まだ彼女は凄惨な現場に慣れることが出来ずにいる。
そういう時は真っ白な顔で一番最後に日報を持ってくるからわかりやすい。今日もきっとそうなのだろう。
予想通り、隊員が全員退室し、私と彼女と二人きりになって十分程経ったタイミングで彼女は音も立てずに日報を抱えてやってくる。
いつもなら机越しに提出される日報が、今日は机を回って横から渡された。
1160私……アミィ・アザミは執務室の奥の自席で日報の確認をしつつ、先程終えた任務の報告書を作成している。……している、のだが出口に一番近い席の新人の女悪魔が白い顔で日報を書いているのが視界に入り、気が散る。
ああ、またか。まだ彼女は凄惨な現場に慣れることが出来ずにいる。
そういう時は真っ白な顔で一番最後に日報を持ってくるからわかりやすい。今日もきっとそうなのだろう。
予想通り、隊員が全員退室し、私と彼女と二人きりになって十分程経ったタイミングで彼女は音も立てずに日報を抱えてやってくる。
いつもなら机越しに提出される日報が、今日は机を回って横から渡された。
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DONE #mirmプラスmfstと虫が苦手な秘書🌸
ドラ○もんがネズミ相手に核○弾をぶつけようとする話を思い出したので、そういう話です。
2/1吹き飛ばすので、ちょっと待っててください 夜ごはんのあと、風呂から上がって秘書のかわいい娘に風呂を勧めに厨房に行くと、火球をぶっ放そうとしていた。
「待って待って、なにしてるの」
「ちょっと、けしとばそうかと」
「いやいや、何を? 厨房? 家?全部吹っ飛んじゃうから」
「後で直します」
「そういう問題じゃないでしょう」
「あれ」
そう彼女が視線を向けた先にいたのは虫だった。たしかにちょっと大きいけど、摘んで外に放り出せば済むような害虫ですらない虫だ。
「……あの虫に、その厨房どころか家が半壊しそうな火球をぶつけようとしてる?」
「はい。ちょっと無理です」
「いやいやいや、そこで待ってて。火球はしまって」
虫は魔術でパッと外に逃がす。他にいないか周囲の確認もして、たぶん大丈夫。
782「待って待って、なにしてるの」
「ちょっと、けしとばそうかと」
「いやいや、何を? 厨房? 家?全部吹っ飛んじゃうから」
「後で直します」
「そういう問題じゃないでしょう」
「あれ」
そう彼女が視線を向けた先にいたのは虫だった。たしかにちょっと大きいけど、摘んで外に放り出せば済むような害虫ですらない虫だ。
「……あの虫に、その厨房どころか家が半壊しそうな火球をぶつけようとしてる?」
「はい。ちょっと無理です」
「いやいやいや、そこで待ってて。火球はしまって」
虫は魔術でパッと外に逃がす。他にいないか周囲の確認もして、たぶん大丈夫。
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DONE #mirmプラスmfstと愛してるゲームをする話。
弱くても可愛いし、めちゃくちゃに強くても良い。大変良い。
1/31I love you &... ある日の昼下がり。メフィスト様がやる気が出ないとボヤいていた。
書斎の机でぐだっと突っ伏して唸っている。
「なにか甘いモノをお持ちしましょうか」
「それより、俺のやる気の出ること言って」
あれだ、よく言われる「もっとかわいく言って」のもうちょいハードルが上がったバージョンだと思われる。
「そうですねえ」
ふと学校で聞いてきたサバトでよくやるらしいゲームを思い出す。
「愛してるゲームってご存知ですか?」
「知らない」
パッとメフィスト様が顔を上げるので、立ち上がって机の向かいから、ゆっくり微笑む。
「メフィスト様、愛しております」
「えっ、うん、知ってるけど、うん」
「照れたのでメフィスト様の負けです」
「えっ、なにそれ! なにそれ!?」
837書斎の机でぐだっと突っ伏して唸っている。
「なにか甘いモノをお持ちしましょうか」
「それより、俺のやる気の出ること言って」
あれだ、よく言われる「もっとかわいく言って」のもうちょいハードルが上がったバージョンだと思われる。
「そうですねえ」
ふと学校で聞いてきたサバトでよくやるらしいゲームを思い出す。
「愛してるゲームってご存知ですか?」
「知らない」
パッとメフィスト様が顔を上げるので、立ち上がって机の向かいから、ゆっくり微笑む。
「メフィスト様、愛しております」
「えっ、うん、知ってるけど、うん」
「照れたのでメフィスト様の負けです」
「えっ、なにそれ! なにそれ!?」
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DONE #mirmプラスmfstと出迎えの話
1/30ごはん?おふろ?それとも…? ある寒い夜にバベルから帰ると、いつもどおり彼女が出迎えてくれる。
「お帰りなさいませ」
「ただいま」
「お食事の用意ができてございます。それとも寒いですしお風呂を先になさいますか?」
それを聞いて、ふと思いついた。
「あのさ、ごはん? お風呂? それとも私? って言ってくれない?」
そう言うと彼女は胡乱な目つきで俺を見上げた。たぶん、また馬鹿言ってると思われているし、その通りなんだけど。
「メフィスト様」
「うん」
「その発言の良さがわたくしには判りかねますので、ちょっと言ってみてもらっていいですか?」
「うん?」
予想とはだいぶ違う返事に困惑する。
言わせようとしたのに、言わされそうになってる?
いや、言われて嬉しいなら、言ってみても悪くないかも? 馬鹿の発想をしつつ、せっかくなのでキメ顔を彼女に向けた。
747「お帰りなさいませ」
「ただいま」
「お食事の用意ができてございます。それとも寒いですしお風呂を先になさいますか?」
それを聞いて、ふと思いついた。
「あのさ、ごはん? お風呂? それとも私? って言ってくれない?」
そう言うと彼女は胡乱な目つきで俺を見上げた。たぶん、また馬鹿言ってると思われているし、その通りなんだけど。
「メフィスト様」
「うん」
「その発言の良さがわたくしには判りかねますので、ちょっと言ってみてもらっていいですか?」
「うん?」
予想とはだいぶ違う返事に困惑する。
言わせようとしたのに、言わされそうになってる?
いや、言われて嬉しいなら、言ってみても悪くないかも? 馬鹿の発想をしつつ、せっかくなのでキメ顔を彼女に向けた。
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DONE #mirmプラスmfst秘書🌸が髪を切りたい話
1/29長く暗く夜のような ある日の夜、俺の秘書が洗面所の鏡の前で首をひねっていた。
「どうしたの」
「髪を切ろうか悩んでまして」
「え、やだ、もったいない」
「もったいないですか?」
彼女は髪を一房、雑に掴む。
「錬金術の素材になりますし、魔法薬の素材にもなりますし、切って保管するなり売るなりすれば良いのでは」
「……俺、そんなに甲斐性ないつもり、ないんだけど」
思わず低い声を出すと彼女は目を丸くした。
「メフィスト様に甲斐性がないとは流石に思わないですよ。13冠ですし。すみません。実家だとそうしてたので、そういうものだと思っていたんです」
「……」
どうしよう、この娘の実家滅ぼしてきていいかな……。
肩に手を置いて、出来るだけ冷静に話しかける。
1028「どうしたの」
「髪を切ろうか悩んでまして」
「え、やだ、もったいない」
「もったいないですか?」
彼女は髪を一房、雑に掴む。
「錬金術の素材になりますし、魔法薬の素材にもなりますし、切って保管するなり売るなりすれば良いのでは」
「……俺、そんなに甲斐性ないつもり、ないんだけど」
思わず低い声を出すと彼女は目を丸くした。
「メフィスト様に甲斐性がないとは流石に思わないですよ。13冠ですし。すみません。実家だとそうしてたので、そういうものだと思っていたんです」
「……」
どうしよう、この娘の実家滅ぼしてきていいかな……。
肩に手を置いて、出来るだけ冷静に話しかける。
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DONE #mirmプラスmfst秘書🌸が売られた喧嘩を買う話。たまに言ってますけどうちの子は気が短いし喧嘩っ早い。
1/28ダリ先生からは取ってつけたようなお説教をされた その日学校に顔を出したら珍しく他のクラスメイトが何人かいた。
声をかけて教室で互いに近況報告をすると、一人の男悪魔が鼻で笑う。
「は? 雷帝のSDだったくせに、今は盤外王の秘書? 尻軽かよ。どう考えても雷帝の方がすごいじゃん」
お、喧嘩売ってんのか? 言い値で買うが?
「そんな新入りの名前もろくに知られてない悪魔に頭下げて恥ずかしくねえの? あ、そういう男が好きなんだ? モノ好きだなー。雷帝の方が名声も地位も上なのに見る目ねえの」
「……表、出な?」
辛うじてそう言うと、ソイツは言い過ぎたことに気付いたのか僅かに目を逸らす。
周りで冷や汗をかいていた同級生のうち、女子が素早く教室を出て察しの良い男子は距離を置く。
1106声をかけて教室で互いに近況報告をすると、一人の男悪魔が鼻で笑う。
「は? 雷帝のSDだったくせに、今は盤外王の秘書? 尻軽かよ。どう考えても雷帝の方がすごいじゃん」
お、喧嘩売ってんのか? 言い値で買うが?
「そんな新入りの名前もろくに知られてない悪魔に頭下げて恥ずかしくねえの? あ、そういう男が好きなんだ? モノ好きだなー。雷帝の方が名声も地位も上なのに見る目ねえの」
「……表、出な?」
辛うじてそう言うと、ソイツは言い過ぎたことに気付いたのか僅かに目を逸らす。
周りで冷や汗をかいていた同級生のうち、女子が素早く教室を出て察しの良い男子は距離を置く。
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DONE #mirmプラスmfstと流行りの映画を観る話。ところで映画とかドラマとかあるんですかね?
1/27甘い映画より重い貴方の方がいい「これ、流行ってるんだってさ」
そう言ってメフィスト様が持ってきたのはバビルスで流行ってる恋愛映画のディスクだった。
……そんなもん、どこで聞いてきたんだ。や、間違いなくイルマくんに聞いたのだろうけど。
「あー……、すごい甘い話らしいですね」
「知ってるの?」
「学校で流行ってるって聞きました」
「せっかくだし観てみよう」
お菓子や飲み物も用意していざ上映会。
……すごい。めちゃくちゃに甘ったるい。お菓子は塩っぱいの用意すれば良かった。
君は僕の光とか、生きる意味とかなんかそういうことを延々と言って口説いている。
「砂糖菓子もかくやの甘さですね」
「うーん、言われたい? これ」
「や……たぶん、そわってなるんで、いらないです」
1038そう言ってメフィスト様が持ってきたのはバビルスで流行ってる恋愛映画のディスクだった。
……そんなもん、どこで聞いてきたんだ。や、間違いなくイルマくんに聞いたのだろうけど。
「あー……、すごい甘い話らしいですね」
「知ってるの?」
「学校で流行ってるって聞きました」
「せっかくだし観てみよう」
お菓子や飲み物も用意していざ上映会。
……すごい。めちゃくちゃに甘ったるい。お菓子は塩っぱいの用意すれば良かった。
君は僕の光とか、生きる意味とかなんかそういうことを延々と言って口説いている。
「砂糖菓子もかくやの甘さですね」
「うーん、言われたい? これ」
「や……たぶん、そわってなるんで、いらないです」
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DOODLE #mirmプラスazmとお酌とコンプラの話
部下がセクハラされて怒りつつも、その部下を恋人として扱うのってセクハラになるのではと悩むazmの話です。そういうことで悩んでほしい。
この悪魔をかわいいと言うのは魔関署の中で私だけなのは承知している 今夜は魔関署全体の新年会……という名の年末年始お疲れ様会である。
各部署から何人かずつ偉い悪魔と新人が駆りだされて、新人はまあ雑用係だ。お酌をしたり飲み物を追加したり食べ物を取り分けたり忙しい。
ナルニア様直属の牙隊新人である私も例に漏れず、数少ない女悪魔ということでお酌に回っていた。けど一通り酔っ払えば、あとはほとんどの方々は勝手に飲みだすので放っておけばいい。
放っておけないのは機嫌の悪さが溢れ出ている我が上官……アザミ大佐である。
「どしたんですか、そんなお怒りになって」
笑いながら隣に座ると、それはそれは低い声で、
「私は、貴様に娼婦のような真似をさせるために牙を砥いできたわけではない」
「ちょろっとお酌してきただけじゃないですか」
1748各部署から何人かずつ偉い悪魔と新人が駆りだされて、新人はまあ雑用係だ。お酌をしたり飲み物を追加したり食べ物を取り分けたり忙しい。
ナルニア様直属の牙隊新人である私も例に漏れず、数少ない女悪魔ということでお酌に回っていた。けど一通り酔っ払えば、あとはほとんどの方々は勝手に飲みだすので放っておけばいい。
放っておけないのは機嫌の悪さが溢れ出ている我が上官……アザミ大佐である。
「どしたんですか、そんなお怒りになって」
笑いながら隣に座ると、それはそれは低い声で、
「私は、貴様に娼婦のような真似をさせるために牙を砥いできたわけではない」
「ちょろっとお酌してきただけじゃないですか」
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DONE #mirmプラスmfstと視察に行ったら喧嘩を売られた話
うちの🌸は短期で喧嘩っ早いです
1/26戦争の申し込みはこちらまで「まあ、メフィスト様ではありませんか」
「これはこれは」
メフィスト様とメフィスト様の統治下にある地域に最近出来た屋内施設に視察に来ていた。
まあ視察の名目で半分デートだ。
けど、その施設の経営をする女悪魔と鉢合わせてしまい、このようにマジの視察になってしまったわけです。
「わざわざお越しいただきまして。事前にご連絡いただければ、お出迎えいたしましたのに」
「個人的に伺っただけなので」
「まあ、そこまで気にかけていただいて」
「こちらで好きに見て回りますので」
「13冠メフィスト様にお越しいただいたのですから、おもてなしをさせていただきませんと」
とまあ、暑苦しく、押しが強くて、鬱陶しい……ダメだ、苛ついてマイルドに表現できない。
974「これはこれは」
メフィスト様とメフィスト様の統治下にある地域に最近出来た屋内施設に視察に来ていた。
まあ視察の名目で半分デートだ。
けど、その施設の経営をする女悪魔と鉢合わせてしまい、このようにマジの視察になってしまったわけです。
「わざわざお越しいただきまして。事前にご連絡いただければ、お出迎えいたしましたのに」
「個人的に伺っただけなので」
「まあ、そこまで気にかけていただいて」
「こちらで好きに見て回りますので」
「13冠メフィスト様にお越しいただいたのですから、おもてなしをさせていただきませんと」
とまあ、暑苦しく、押しが強くて、鬱陶しい……ダメだ、苛ついてマイルドに表現できない。
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DONE #mirmプラスmfstと休みの日に休まない話
待たされたり放ったらかされたらふててほしいですね
1/25ほったらかさないで、寂しいから「ねえ」
「はあい」
「まだかかりそう?」
「もうちょっとですね」
「さっきもそう言ってたよ」
俺のかわいい子は忙しそうに書類を仕分けたり捨てたりメモを取ったり付箋を貼り付けたり……ともかくひたすら手を動かしている。
今日は休みだから昼にちょっと買い物に出ようとか、朝は言っていた気がするのだけど。
朝ごはんの後に大量の手紙が届いて、それを受け取ってからかれこれ数時間はこの調子だ。
この娘はそういうところがあって、仕事なんて始めたら無限にあるし、やろうと思えば死ぬまで続くんだから適当なところで切り上げればいいのに、あとちょっとあとちょっとと手を動かし続ける。
そろそろつまらなくなってきたので取り上げようか。
792「はあい」
「まだかかりそう?」
「もうちょっとですね」
「さっきもそう言ってたよ」
俺のかわいい子は忙しそうに書類を仕分けたり捨てたりメモを取ったり付箋を貼り付けたり……ともかくひたすら手を動かしている。
今日は休みだから昼にちょっと買い物に出ようとか、朝は言っていた気がするのだけど。
朝ごはんの後に大量の手紙が届いて、それを受け取ってからかれこれ数時間はこの調子だ。
この娘はそういうところがあって、仕事なんて始めたら無限にあるし、やろうと思えば死ぬまで続くんだから適当なところで切り上げればいいのに、あとちょっとあとちょっとと手を動かし続ける。
そろそろつまらなくなってきたので取り上げようか。
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DONE #mirmプラスmfstと雪の中を歩く話
雪、歩き慣れてないと大変なんだよ
1/24雪と転げる私と手を引くヒト「寒いですねえ」
「ねえ」
そんなことを言いながら、私とメフィスト様は並んで歩いている。雪が降っていて飛べないし、足元はベチャベチャで歩きにくい。
「あわっ」
「っ!」
足を滑らせてベチャベチャの雪に突っ込みそうになったけど、手をつないでいたメフィスト様が引っ張ってくれて何とか踏みとどまれた。
「すみません」
「大丈夫。気をつけてね」
そう言いながらメフィスト様は繋いでいた手を引き寄せて、先程よりもゆっくり目に歩こうとして、すっ転んだ。
当然のように私も巻き込まれ、二人してべっちゃべちゃである。
「ごめん……」
「だいじょぶ、です」
正直あんまり大丈夫ではない。メフィスト様は尻餅をついたからズボンとコートの裾が汚れたくらいだけど、私は前に手を引っ張られて倒れたので上から下まで雪と泥でべっちゃりである。
913「ねえ」
そんなことを言いながら、私とメフィスト様は並んで歩いている。雪が降っていて飛べないし、足元はベチャベチャで歩きにくい。
「あわっ」
「っ!」
足を滑らせてベチャベチャの雪に突っ込みそうになったけど、手をつないでいたメフィスト様が引っ張ってくれて何とか踏みとどまれた。
「すみません」
「大丈夫。気をつけてね」
そう言いながらメフィスト様は繋いでいた手を引き寄せて、先程よりもゆっくり目に歩こうとして、すっ転んだ。
当然のように私も巻き込まれ、二人してべっちゃべちゃである。
「ごめん……」
「だいじょぶ、です」
正直あんまり大丈夫ではない。メフィスト様は尻餅をついたからズボンとコートの裾が汚れたくらいだけど、私は前に手を引っ張られて倒れたので上から下まで雪と泥でべっちゃりである。
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DONE #mirmプラスmfst邸にコタツを持ち込む話
1/23こたつの魔力「なにこれ」
「コタツというものだそうです。クララちゃんがくれました」
メフィスト邸のテレビの前のソファセットをコタツに入れ替えたら、風呂上りのメフィスト様が困惑の面持ちでやってきた。
今日の昼間、悪魔学校に行ったらクララちゃんに会い、魔具研の師団室に連れて行かれて設置されていたコタツに入ったのだ。
すごかった。めちゃくちゃ良かった。何故かイルマくんとアスモデウスくんにコタツの良さを説明され、クララちゃんが家系能力でコタツを出してくれて、
「パイセンにも分けてあげるからメフィメフィと使いな?」
なんて言って譲ってくれたのだ。
という一連の流れを掻い摘んで説明したら、メフィスト様はわかったようなわからないような顔で頷きつつ、私を見習ってコタツに入ってきた。
906「コタツというものだそうです。クララちゃんがくれました」
メフィスト邸のテレビの前のソファセットをコタツに入れ替えたら、風呂上りのメフィスト様が困惑の面持ちでやってきた。
今日の昼間、悪魔学校に行ったらクララちゃんに会い、魔具研の師団室に連れて行かれて設置されていたコタツに入ったのだ。
すごかった。めちゃくちゃ良かった。何故かイルマくんとアスモデウスくんにコタツの良さを説明され、クララちゃんが家系能力でコタツを出してくれて、
「パイセンにも分けてあげるからメフィメフィと使いな?」
なんて言って譲ってくれたのだ。
という一連の流れを掻い摘んで説明したら、メフィスト様はわかったようなわからないような顔で頷きつつ、私を見習ってコタツに入ってきた。
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DONE #mirmプラスmfstとマフラーと嫉妬の話
実際に何かあるかどうかの話ではないのよね、こういうの
1/22うちの子がかわいい「今日は寒いのでこちらを」
そう言って秘書(研修中)(かわいい)が差し出したのはマフラーだった。幅広で厚手で、深緑と白と黒のタータンチェックだ。
「……」
受け取ったそれを彼女の首から肩にかけて巻くと、顔が埋もれてすごいかわいい。
思わずキスをしたら顔が赤くなってますますかわいい。どうしよう。家から出したくない。
「あの、メフィスト様?」
「うん」
「ご自身に巻いていただいて」
「……うん」
「私のものもありますので」
彼女が取り出したのは色違いで同じデザインのマフラーだった。
「こっちを俺がしてもいい?」
「構いませんよ」
そう言うとふんわりとマフラーを巻いてくれる。届くように腰を屈めて、それでもちょっと足りなくて背伸びしているのが本当にかわいい。
791そう言って秘書(研修中)(かわいい)が差し出したのはマフラーだった。幅広で厚手で、深緑と白と黒のタータンチェックだ。
「……」
受け取ったそれを彼女の首から肩にかけて巻くと、顔が埋もれてすごいかわいい。
思わずキスをしたら顔が赤くなってますますかわいい。どうしよう。家から出したくない。
「あの、メフィスト様?」
「うん」
「ご自身に巻いていただいて」
「……うん」
「私のものもありますので」
彼女が取り出したのは色違いで同じデザインのマフラーだった。
「こっちを俺がしてもいい?」
「構いませんよ」
そう言うとふんわりとマフラーを巻いてくれる。届くように腰を屈めて、それでもちょっと足りなくて背伸びしているのが本当にかわいい。
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DONE #mirmプラスmfstが風邪を引きかける話
1/21風邪を治す特効薬「けほ」
……主が空咳をしている。今日でかれこれ10回目だ。これはいけねえ。
私は可及的速やかに厨房に戻る。雪男大根をサイコロ型に切ってハチミツに漬けておく。それから加湿器出して、マスクも用意して……。
なんて走り回っている内にハチミツ大根飴が出来たのでお湯で割ってメフィスト様のところへ持っていく。
「これは?」
「ハチミツ大根飴お湯割りです。喉の調子がよろしくないようですので」
「目敏いね」
「何度も咳をしてらっしゃいましたよ。加湿もしますから、今日は早めに休まれてくださいませ」
そう言って書斎を出ようとするとメフィスト様に呼び止められた。
「君は大丈夫?」
「今のところは。ですが、あまりに体調が優れないのであれば移らないようにベッドを別けたり」
918……主が空咳をしている。今日でかれこれ10回目だ。これはいけねえ。
私は可及的速やかに厨房に戻る。雪男大根をサイコロ型に切ってハチミツに漬けておく。それから加湿器出して、マスクも用意して……。
なんて走り回っている内にハチミツ大根飴が出来たのでお湯で割ってメフィスト様のところへ持っていく。
「これは?」
「ハチミツ大根飴お湯割りです。喉の調子がよろしくないようですので」
「目敏いね」
「何度も咳をしてらっしゃいましたよ。加湿もしますから、今日は早めに休まれてくださいませ」
そう言って書斎を出ようとするとメフィスト様に呼び止められた。
「君は大丈夫?」
「今のところは。ですが、あまりに体調が優れないのであれば移らないようにベッドを別けたり」
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DOODLE #mirmプラスazm、付き合ってるし、諸々バレている
鋼鉄の犬と隠し切れない猫の話 定時を一時間程過ぎた牙隊隊室。
日勤の隊員は帰寮済み、夜勤の隊員は各自任務に行ってしまったため、隊室に残っているのは引き継ぎと日報作成の終わらない新米私と、待たされているアザミ大佐のみである。
「書けました!」
「……及第点と言ったところだな。明日はもう少し手早く書き終えるように」
「イエッサ! ところでアザミ様、背中の爪痕もう大丈夫ですか? けっこうがっつり引っかいちゃってましたよね」
そう言うとアザミ大佐はめちゃくちゃ嫌そうな顔をした。
「あの後すぐに魔術で治療したから問題ない。ないが」
「へー、アザミ大佐ったら、新人ちゃんとがっつり爪痕残るようなコトしてるんすか? お盛んッスねえ」
「!?」
隊室の扉から顔を出していたのはフェンリル様で、アザミ大佐が椅子をひっくり返す勢いで立ち上がった。
972日勤の隊員は帰寮済み、夜勤の隊員は各自任務に行ってしまったため、隊室に残っているのは引き継ぎと日報作成の終わらない新米私と、待たされているアザミ大佐のみである。
「書けました!」
「……及第点と言ったところだな。明日はもう少し手早く書き終えるように」
「イエッサ! ところでアザミ様、背中の爪痕もう大丈夫ですか? けっこうがっつり引っかいちゃってましたよね」
そう言うとアザミ大佐はめちゃくちゃ嫌そうな顔をした。
「あの後すぐに魔術で治療したから問題ない。ないが」
「へー、アザミ大佐ったら、新人ちゃんとがっつり爪痕残るようなコトしてるんすか? お盛んッスねえ」
「!?」
隊室の扉から顔を出していたのはフェンリル様で、アザミ大佐が椅子をひっくり返す勢いで立ち上がった。
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DONE #mirmプラスmfstと嫉妬する話。
嫉妬するのもされるのもなんぼあっても良いと思います。
1/20転がされ、慰められる俺 秘書(研修中)が厨房でス魔ホをぽちぽちしていた。普段触っているところを見ないので珍しくて覗いてしまう。
「なにしてるの?」
「来週登校するつもりだったんですけど、イフリート先生の都合が悪いそうなので、いつがいいか相談してました」
「……」
イフリート先生というのは、この娘の担任兼師匠だと言っていた。そりゃ、学生なんだから担任がいて、研修中だから担任に報告に行くのも報告のために予定の確認をするのも当たり前なんだけど。
なんだけど、めちゃくちゃ面白くない。
俺以外の相手と魔インしないでほしい。しかも男悪魔と会うためになんて。
「メフィスト様? 再来週頭なんですけど、今のところ空いているのでそこで」
「やだ」
1079「なにしてるの?」
「来週登校するつもりだったんですけど、イフリート先生の都合が悪いそうなので、いつがいいか相談してました」
「……」
イフリート先生というのは、この娘の担任兼師匠だと言っていた。そりゃ、学生なんだから担任がいて、研修中だから担任に報告に行くのも報告のために予定の確認をするのも当たり前なんだけど。
なんだけど、めちゃくちゃ面白くない。
俺以外の相手と魔インしないでほしい。しかも男悪魔と会うためになんて。
「メフィスト様? 再来週頭なんですけど、今のところ空いているのでそこで」
「やだ」
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DONE #mirmプラスmfstのスーツを選ぶ秘書🌸の話
全然関係ないんですけど、ワンダラー・ガイスト氏はバビデビ用に書いてるazm夢にも出てきます。
1/19趣味がバレている「……」
私は衣装部屋で悩んでいた。明日の貴族との会合でメフィスト様に着ていただくスーツについてである。
「何着ても似合うからなー」
そう、メフィスト様は何を着ても似合う。何を着てもかっこいいので逆に選べない。とりあえず冬物で、お偉いお貴族様に新13冠だからと舐められないよう仕立ての良いもので、尚かつメフィスト様の良さを100%引き出せるもの。
「うーん。こないだストライプだったから……次は無地か……や、でもこっちのスリーピース好きなんだよなあ」
私が! 私がスリーピーススーツが好きなのだ。いいよね、スリーピース。けど、うーん。もうちょっとラフなものでも……。
「ねえ、まだかかる?」
「うっわ、びっくりした。メフィスト様、いかがなさいましたか」
902私は衣装部屋で悩んでいた。明日の貴族との会合でメフィスト様に着ていただくスーツについてである。
「何着ても似合うからなー」
そう、メフィスト様は何を着ても似合う。何を着てもかっこいいので逆に選べない。とりあえず冬物で、お偉いお貴族様に新13冠だからと舐められないよう仕立ての良いもので、尚かつメフィスト様の良さを100%引き出せるもの。
「うーん。こないだストライプだったから……次は無地か……や、でもこっちのスリーピース好きなんだよなあ」
私が! 私がスリーピーススーツが好きなのだ。いいよね、スリーピース。けど、うーん。もうちょっとラフなものでも……。
「ねえ、まだかかる?」
「うっわ、びっくりした。メフィスト様、いかがなさいましたか」
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DOODLE #mirmプラスfnrrとnrnaが同一人物って知らなくて、fnrrにさんざんnrnaの好きなところを話してたら実はnrnaだって聞いて天パる🌸の話。
本音は筒抜け、気付かぬは私ばかり 今日からの勤め先となるナルニア様の執務室の扉を叩こうとしたら、背の高い男悪魔が出てきた。
「誰っすか? 見覚えのない女の子っすね」
「えと、今日からナルニア様の秘書室に配属となりました。なのでご挨拶に」
「そうなんすね。ナルニアさんならいないっすよ。あ、俺はフェンリルっす。ナルニアさん、アンリさんの下、魔関署局次長っす。フェンちゃんでいいよ。よろしくね」
「……よろしく、お願いします」
立て板に水の勢いで言われて、よくわからなかったけどとりあえず頭を下げた。
「秘書室の場所はわかる? こっちっすよ」
「わ、わかります」
こちらの返事を待たずにフェンリル様はすたすたと行ってしまう。背が高いから足も長くてあっという間に先に行ってしまう。
2121「誰っすか? 見覚えのない女の子っすね」
「えと、今日からナルニア様の秘書室に配属となりました。なのでご挨拶に」
「そうなんすね。ナルニアさんならいないっすよ。あ、俺はフェンリルっす。ナルニアさん、アンリさんの下、魔関署局次長っす。フェンちゃんでいいよ。よろしくね」
「……よろしく、お願いします」
立て板に水の勢いで言われて、よくわからなかったけどとりあえず頭を下げた。
「秘書室の場所はわかる? こっちっすよ」
「わ、わかります」
こちらの返事を待たずにフェンリル様はすたすたと行ってしまう。背が高いから足も長くてあっという間に先に行ってしまう。
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DONE #mirmプラスmfstとダイエットをしたい秘書🌸の話
ダイエットに協力しないタイプのmfstです
1/18自分に厳しく、君に甘く 風呂上がりに体重計に乗ると、自分史上最大の数字が叩き出されていた。お腹を摘む。摘めるのがもうダメ。
「減らすか……」
おやつとか、おやつとか。
翌日、おやつどきに書斎で仕事をされているメフィスト様にコーヒーとおやつを持っていく。自分の分は魔茶だけだ。コーヒーだと砂糖を入れないと飲めないから。
私が応接セットのソファに座って書類を広げていると、目敏く気づいたメフィスト様が顔を上げた。
「おやつ、君のは?」
「あー、今日は、あんまりお腹すいてなくて」
「そう?」
無事に聞き流してもらえたのでエヘヘと笑って誤魔化して仕事に取り掛かる。
夜ごはんも心持ち少なめ。次の日も、朝はちゃんと食べる。昼もなんとなく少なめ。おやつは無しにしたら、メフィスト様はちょっと笑ってから、
783「減らすか……」
おやつとか、おやつとか。
翌日、おやつどきに書斎で仕事をされているメフィスト様にコーヒーとおやつを持っていく。自分の分は魔茶だけだ。コーヒーだと砂糖を入れないと飲めないから。
私が応接セットのソファに座って書類を広げていると、目敏く気づいたメフィスト様が顔を上げた。
「おやつ、君のは?」
「あー、今日は、あんまりお腹すいてなくて」
「そう?」
無事に聞き流してもらえたのでエヘヘと笑って誤魔化して仕事に取り掛かる。
夜ごはんも心持ち少なめ。次の日も、朝はちゃんと食べる。昼もなんとなく少なめ。おやつは無しにしたら、メフィスト様はちょっと笑ってから、
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DONE #mirmプラスmfstと手を取る話。🌸は悪魔学校6年生で秘書(研修中)。
矢印の大きい男が癖なんです。🌸の矢印もそれなりに大きいけど、それどころではなく大きいのがいいんだよ。
1/17白く細く、力強い手 夜、かわいい秘書(研修中)とソファで並んでテレビを見ている。彼女の片手が俺の膝の上にあるので握ったり撫でたりする。
細くて、油断したら折れそうなので優しくそっと、でも温かさを感じたいからたまに力を入れる。柔らかくて、けど、水仕事をするから少し荒れている。
浮いた血管には血が流れていて生きているのがわかる。そりゃそうなんだけど、実感できるとやっぱり嬉しい。
小さな手は俺の手の中に収まるくらいしかなくて、両手で掴んだら全然見えない。けれどこの小さな手に引っ張られていると思うと大事にしたい。
「メフィスト様」
「うん?」
「テレビ見てます?」
「あんまり。間違えた。全然」
「やはり」
そう言うと彼女はテレビを消してしまった。俺 はテレビが何を映していていたかも分からないくらい観ていなかったけど、彼女は観ていたのではないのか。
915細くて、油断したら折れそうなので優しくそっと、でも温かさを感じたいからたまに力を入れる。柔らかくて、けど、水仕事をするから少し荒れている。
浮いた血管には血が流れていて生きているのがわかる。そりゃそうなんだけど、実感できるとやっぱり嬉しい。
小さな手は俺の手の中に収まるくらいしかなくて、両手で掴んだら全然見えない。けれどこの小さな手に引っ張られていると思うと大事にしたい。
「メフィスト様」
「うん?」
「テレビ見てます?」
「あんまり。間違えた。全然」
「やはり」
そう言うと彼女はテレビを消してしまった。俺 はテレビが何を映していていたかも分からないくらい観ていなかったけど、彼女は観ていたのではないのか。
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DONE #mirmプラスmfstに留守番を言いつけられる🌸の話
バベルで暴れたことは反省しているけれど、kmrsに食って掛かったことは反省していない。仕留めそこねたことは後悔している。
1/16留守番と大量のお土産 メフィスト様が魔界塔へ行くというのでお供をしようとしたら止められた。
「……また暴れられると困るので」
「先日はすみませんでした」
あれはキマリス様が悪いと思っているけれど、暴れたのは私なので態度だけでもしおらしくしておく。
キマリス様の暗殺はもちろん諦めていない。
「それにね」
メフィスト様が目を逸らして言い淀んだ。
「あの悪魔に君がからかわれているのは、やっぱり面白くないし」
「あの方刺してきていいですか?」
「それはダメ。なんでそんなに殺意高いの」
「メフィスト様からすれば面白くない程度の話かもしれませんが、わたくしとしては暗殺ランキング第一位です。二位はいません」
「そんなに……」
であれば、とメフィスト様は笑った。
948「……また暴れられると困るので」
「先日はすみませんでした」
あれはキマリス様が悪いと思っているけれど、暴れたのは私なので態度だけでもしおらしくしておく。
キマリス様の暗殺はもちろん諦めていない。
「それにね」
メフィスト様が目を逸らして言い淀んだ。
「あの悪魔に君がからかわれているのは、やっぱり面白くないし」
「あの方刺してきていいですか?」
「それはダメ。なんでそんなに殺意高いの」
「メフィスト様からすれば面白くない程度の話かもしれませんが、わたくしとしては暗殺ランキング第一位です。二位はいません」
「そんなに……」
であれば、とメフィスト様は笑った。
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DONE #mirmプラスmfstと🌸でダメになるソファでダメになる話
1/15いろいろあれそれダメになる「これはダメだ」
「ダメですねえ」
何かと言えばダメになるソファだ。
だいぶ前に発売されて人気だった品だけど、この度メフィスト邸のリビングに導入したところ、このようにメフィスト様と仲良くダメになっている次第である。
沈んだのが夜で良かった。昼間だったら仕事を放棄していた。けど夜は夜でやることあるんだよなあ。
「起き上がれる気がしない」
「そうですねえ。週も半ばですし、やること山ほどあるんですけどお」
「もう明日でいいんじゃない?」
「メンタルまでダメになってしまいます」
体がいい感じに沈んで起き上がれない。無限に寝てしまう。うっかり大きいのを二つ買ったのがいけなかった。並べて置いて、それぞれで沈んだら、マジでどちらも起きてこない。
865「ダメですねえ」
何かと言えばダメになるソファだ。
だいぶ前に発売されて人気だった品だけど、この度メフィスト邸のリビングに導入したところ、このようにメフィスト様と仲良くダメになっている次第である。
沈んだのが夜で良かった。昼間だったら仕事を放棄していた。けど夜は夜でやることあるんだよなあ。
「起き上がれる気がしない」
「そうですねえ。週も半ばですし、やること山ほどあるんですけどお」
「もう明日でいいんじゃない?」
「メンタルまでダメになってしまいます」
体がいい感じに沈んで起き上がれない。無限に寝てしまう。うっかり大きいのを二つ買ったのがいけなかった。並べて置いて、それぞれで沈んだら、マジでどちらも起きてこない。
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DOODLE #mirmプラスazmと年越し仕事の話
ポイぴくに入れるの忘れてました
12/31貴方の横で年を越す「……こちら異常なし、どうぞ」
「異常なし了解。貴様そろそろ休憩だったな。交代要員が来次第休憩へ」
「休憩了解。……アミィ様も休憩一緒ですよね。蕎麦食べましょ、蕎麦」
「内線でいらんことを言うな!」
怒られて内線が切られた。交代の方はすぐに来て、お前怒られるぞ〜とか言われるから、笑っておく。
牙隊新人の私が今、何をしているのかと言えば年越しイベントの警備である。年末年始はどうしてもその手のイベントが多くてナルニア様直下の牙隊ですら警備に駆りだされる。
年が明けたらお偉い様方の年始の挨拶の警備が割り当てられているので、1月は休めない。ぎゃふん。
そんなことを考えながら詰所に用意された簡易食堂に行くと、既にアミィ様が座っていた。
1104「異常なし了解。貴様そろそろ休憩だったな。交代要員が来次第休憩へ」
「休憩了解。……アミィ様も休憩一緒ですよね。蕎麦食べましょ、蕎麦」
「内線でいらんことを言うな!」
怒られて内線が切られた。交代の方はすぐに来て、お前怒られるぞ〜とか言われるから、笑っておく。
牙隊新人の私が今、何をしているのかと言えば年越しイベントの警備である。年末年始はどうしてもその手のイベントが多くてナルニア様直下の牙隊ですら警備に駆りだされる。
年が明けたらお偉い様方の年始の挨拶の警備が割り当てられているので、1月は休めない。ぎゃふん。
そんなことを考えながら詰所に用意された簡易食堂に行くと、既にアミィ様が座っていた。
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DONE #mirmプラスmfstに写真を撮られる話
撮られるのにも慣れてないとろくな顔にならないっていう話
1/14自撮りと他撮り「はい、こっち向いて」
そう言われて振り向くと写真を撮られた。
「うん。かわいく撮れた」
「左様ですか」
……私は写真が好きではない。今まで撮られた写真は、ほんとーにろくな顔をしていなかった。
けど、メフィスト様は時折私の写真を勝手に撮ってはなにやら満足そうに見返している。
「一緒に撮ろう」
「承知しました」
それで主が満足するならとメフィスト様の横に並ぶ。というか、この方はそんなに写真撮ってどうするんだ。
「どんどん可愛くなるよね」
「……は?」
意味がわからなくて、思わず低い声を出してしまってメフィスト様が目を丸くする。
「失礼しました。その、意味がわからなくて」
「写真嫌いだもんね。けど、俺が小まめに写真撮ってるからさ、だいぶ慣れてきてるよ?」
775そう言われて振り向くと写真を撮られた。
「うん。かわいく撮れた」
「左様ですか」
……私は写真が好きではない。今まで撮られた写真は、ほんとーにろくな顔をしていなかった。
けど、メフィスト様は時折私の写真を勝手に撮ってはなにやら満足そうに見返している。
「一緒に撮ろう」
「承知しました」
それで主が満足するならとメフィスト様の横に並ぶ。というか、この方はそんなに写真撮ってどうするんだ。
「どんどん可愛くなるよね」
「……は?」
意味がわからなくて、思わず低い声を出してしまってメフィスト様が目を丸くする。
「失礼しました。その、意味がわからなくて」
「写真嫌いだもんね。けど、俺が小まめに写真撮ってるからさ、だいぶ慣れてきてるよ?」
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DONE #mirmプラスkmrsと反りのあわないmfst秘書🌸の話
1/13反りのあわない悪魔の話 新年最初の13冠の集いが開催された。私はメフィスト様を送り届けた後、魔界塔の食堂へと向かう。集いのおこぼれでメニューが豪華で嬉しい。
途中まではオペラさんもいらしたけど、イルマくんにごはんを用意するからと帰っていった。
「あ、久しぶり」
「……どうも」
入れ違いでやってきたのは魔関署のキマリス様だった。
私はこの悪魔が苦手だ。なんというか、可愛らしい顔の反面、流れるように引っ掻き回してくる。前回ここで会っていらんこと言われてメフィスト様を怒らせたことを忘れていない。
「あはは、嫌われちゃって」
「余計な事をおっしゃいますので」
「本音だけどね。仕事ができる子がキマリスの家に来たら嬉しいし、アミィくんを丸くしてくれてもありがたい」
1389途中まではオペラさんもいらしたけど、イルマくんにごはんを用意するからと帰っていった。
「あ、久しぶり」
「……どうも」
入れ違いでやってきたのは魔関署のキマリス様だった。
私はこの悪魔が苦手だ。なんというか、可愛らしい顔の反面、流れるように引っ掻き回してくる。前回ここで会っていらんこと言われてメフィスト様を怒らせたことを忘れていない。
「あはは、嫌われちゃって」
「余計な事をおっしゃいますので」
「本音だけどね。仕事ができる子がキマリスの家に来たら嬉しいし、アミィくんを丸くしてくれてもありがたい」
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DONE #mirmプラスmfstの食わず嫌いをなおす秘書🌸の話。
完全に捏造です。
1/12いい年(推定1000歳)して食わず嫌いするな! メフィスト様はト魔トが嫌いだ。見かけが気持ち悪くて嫌だ、ということで食べたことはないらしい。典型的な食わず嫌いである。
「ト魔トを使えないのは地味に不便なのよね」
ト魔トは万能野菜なので、サラダにも主菜にも麺類にもスープにも使える。だと言うのに、
「俺、ト魔ト嫌い」
という我が主の一言によってメフィスト邸の食卓には一切上がらない。たまに私がバビルスに顔を出すときに食堂で食べたりする。私はト魔ト嫌いじゃないし、普通に食べるので。
しかもト魔トって見た目の主張が激しいから隠すのが難しい。サラダは論外だし汁が出るから野菜を隠すのに鉄板のハンバーグにも入れられない。
と、くれば残るはカレーだ。それはそれで皮を剥いてからでないとバレるので面倒なのだけれど、しかし主の食わず嫌いを直すためだ。わたくしはSD(非公認)として心を鬼にしてぶち込む所存!!
1084「ト魔トを使えないのは地味に不便なのよね」
ト魔トは万能野菜なので、サラダにも主菜にも麺類にもスープにも使える。だと言うのに、
「俺、ト魔ト嫌い」
という我が主の一言によってメフィスト邸の食卓には一切上がらない。たまに私がバビルスに顔を出すときに食堂で食べたりする。私はト魔ト嫌いじゃないし、普通に食べるので。
しかもト魔トって見た目の主張が激しいから隠すのが難しい。サラダは論外だし汁が出るから野菜を隠すのに鉄板のハンバーグにも入れられない。
と、くれば残るはカレーだ。それはそれで皮を剥いてからでないとバレるので面倒なのだけれど、しかし主の食わず嫌いを直すためだ。わたくしはSD(非公認)として心を鬼にしてぶち込む所存!!
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DONE #mirmプラスmfstにいたずらされたのでやり返す話
自分はいたずらするけど、やり返されたら焦るのかわいいよね
1/11やられたら倍にして返すタイプ「はい、どーぞ」
食後のアイスを食べていたメフィスト様が、突然スプーンを差し出してきた。
「……どうも?」
くれるならもらおうかと口を開けたら、
「やっぱり止めた」
と、スプーンを引っ込める。意味わかんないな。たまにメフィスト様はそういうじゃれあいをしたがる。
正直面倒だと思っている。普通に意味わかんないし。
「メフィスト様」
「はい」
私が真顔で見返すと、気が引けたのかメフィスト様の顔が引きつる。
立ち上がって手元のアイスをスプーンですくいメフィスト様の横へと移動する。
「メフィスト様、あーん」
「え」
「あーん」
「……」
恐る恐る口を開けたメフィスト様に微笑んでからアイスを口に突っ込んで鼻へとキスをした。
817食後のアイスを食べていたメフィスト様が、突然スプーンを差し出してきた。
「……どうも?」
くれるならもらおうかと口を開けたら、
「やっぱり止めた」
と、スプーンを引っ込める。意味わかんないな。たまにメフィスト様はそういうじゃれあいをしたがる。
正直面倒だと思っている。普通に意味わかんないし。
「メフィスト様」
「はい」
私が真顔で見返すと、気が引けたのかメフィスト様の顔が引きつる。
立ち上がって手元のアイスをスプーンですくいメフィスト様の横へと移動する。
「メフィスト様、あーん」
「え」
「あーん」
「……」
恐る恐る口を開けたメフィスト様に微笑んでからアイスを口に突っ込んで鼻へとキスをした。
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DONE #mirmプラスmfstと新年会という名の貴族会に参加する話
貴族会で卒のない対応をするmfst見たくない? 私は見たいよ。
1/10貴族宛ての顔を作る さて、新年最初の貴族会である。とはいえ目ぼしい貴族の方々とは既に新年の挨拶で顔を合わせているので、今回は顔見せくらいしかしない。
「俺は! 踊らない!!」
と、出掛けに言い張ったので、
「左様ですか。それであれば上手くお断りください。ご自身で! 軋轢なく!! お断りください!」
と、こちらからも言い含めてある。貴族同士の交流の場で目に余るような喧嘩をしてはいけませんよ? という秘書からの太めの釘だ。
そういうわけなので、メフィスト様は穏やかに踊りの誘いを断っていた。
そもそも貴族会で踊るとはどういうことか。意中の殿方とイチャイチャするためか、もしくは密談のためである。メフィスト様は私以外の悪魔とイチャイチャする気もなければ、秘書である私に聞かせられないような話を聞く気はない、という態度を一貫して取っている。それならそれで良い。良くないのは私に愛人だのなんだの噂が立つことくらいだ。
986「俺は! 踊らない!!」
と、出掛けに言い張ったので、
「左様ですか。それであれば上手くお断りください。ご自身で! 軋轢なく!! お断りください!」
と、こちらからも言い含めてある。貴族同士の交流の場で目に余るような喧嘩をしてはいけませんよ? という秘書からの太めの釘だ。
そういうわけなので、メフィスト様は穏やかに踊りの誘いを断っていた。
そもそも貴族会で踊るとはどういうことか。意中の殿方とイチャイチャするためか、もしくは密談のためである。メフィスト様は私以外の悪魔とイチャイチャする気もなければ、秘書である私に聞かせられないような話を聞く気はない、という態度を一貫して取っている。それならそれで良い。良くないのは私に愛人だのなんだの噂が立つことくらいだ。
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DONE #mirmプラス寝言を捏造するmfstの話
1/9かわいいのにたまにカッコイイのはズルい 俺のかわいい秘書が腕の中ですよすよと寝ている。やたらと幸せそうな顔で寝ていて、どんな夢を見ているのか気になる。普段は目が覚めたらいないことが多いけど、今日は珍しく俺の方が先に目が覚めたのだ。
かわいいのでマジマジと眺めていたらもそもそと動いて、ゆっくりと目が開いた。
「ん、めふぃ、さま」
「おはよ」
「おはよ、ござ、ふわ……ます」
「ずいぶん俺の名前呼んでたけど、どんな夢を見てたの?」
100%の嘘だ。寝息以外特になにも漏らしていなかった。いなかったけど、彼女の幸せそうな夢に俺が出てこないわけがないのでそう言ってみた。
「えっ、声に出てましたか? メフィスト様とデートしてる夢見てました」
……俺との夢であって嬉しい反面、言わせてしまった感も拭えない。
910かわいいのでマジマジと眺めていたらもそもそと動いて、ゆっくりと目が開いた。
「ん、めふぃ、さま」
「おはよ」
「おはよ、ござ、ふわ……ます」
「ずいぶん俺の名前呼んでたけど、どんな夢を見てたの?」
100%の嘘だ。寝息以外特になにも漏らしていなかった。いなかったけど、彼女の幸せそうな夢に俺が出てこないわけがないのでそう言ってみた。
「えっ、声に出てましたか? メフィスト様とデートしてる夢見てました」
……俺との夢であって嬉しい反面、言わせてしまった感も拭えない。
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DONE #mirmプラスmfstと雪が降る話
雪慣れしてないとちょっとの雪でもテンション上げてしまうよね
1/8雪が降ると走りたくなる「わ、雪! 雪ですよメフィスト様!」
その日の夕方、書斎のカーテンを閉めようとしたら窓の外をひらひらキラキラと雪が舞っていた。
「ほんとだ。この辺りはあまり降らないのに珍しいね」
「わー、久しぶりに見ました。白いです!!」
「そりゃ白いけども。……外に見に行く?」
「行きたい、ですけど仕事が〜〜〜」
なにしろ夕方だ。邸内のカーテンを全部閉めたら夜ごはんや風呂の支度がある。書斎の書類だってまだまだ片付かない。
「結構降ってるし、夜ごはん終わる頃には多少積もってるかもしれないから、その頃に少し散歩に行こうか」
「いいんですか!? やったあ。ごはん、用意してきます!!」
話のわかる主だ。私は飛び跳ねながら書斎を飛び出した。
977その日の夕方、書斎のカーテンを閉めようとしたら窓の外をひらひらキラキラと雪が舞っていた。
「ほんとだ。この辺りはあまり降らないのに珍しいね」
「わー、久しぶりに見ました。白いです!!」
「そりゃ白いけども。……外に見に行く?」
「行きたい、ですけど仕事が〜〜〜」
なにしろ夕方だ。邸内のカーテンを全部閉めたら夜ごはんや風呂の支度がある。書斎の書類だってまだまだ片付かない。
「結構降ってるし、夜ごはん終わる頃には多少積もってるかもしれないから、その頃に少し散歩に行こうか」
「いいんですか!? やったあ。ごはん、用意してきます!!」
話のわかる主だ。私は飛び跳ねながら書斎を飛び出した。
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DONE #mirmプラスmfstと新年の挨拶の話。
仕事始めももちろんダルいけど、二日目には違ったダルさがあるよねって話。
1/7問屋は降ろすタイミングが重要なんですよ「今年も何卒ご贔屓に」
「こちらこそ、良い関係を続けられればと」
「13冠メフィスト様のご多幸をお祈り申し上げます」
「ありがとう、今年もよろしく」
さて1月である。とくれば、13冠メフィスト様のところには地域内の貴族や有力な家系の悪魔たちが家に挨拶に来る。そういう悪魔達に愛想よくするのも13冠の仕事の一つなので頑張って頂きたい。
秘書である私はメフィスト様の後ろに控えて、時折盗聴防止魔術を使いながらやってきた悪魔たちの情報や次に来る悪魔のことを伝えている。
『まだ来る?』
こぽっと音が沈んでメフィスト様が聞く。
『あと3組、お約束がございます』
『多い!』
『それが終われば一息つけますから』
メフィスト様は肩を竦めているけど、それも私にわかる程度で表向きには愛想よく穏やかな笑みを絶やさない。
1094「こちらこそ、良い関係を続けられればと」
「13冠メフィスト様のご多幸をお祈り申し上げます」
「ありがとう、今年もよろしく」
さて1月である。とくれば、13冠メフィスト様のところには地域内の貴族や有力な家系の悪魔たちが家に挨拶に来る。そういう悪魔達に愛想よくするのも13冠の仕事の一つなので頑張って頂きたい。
秘書である私はメフィスト様の後ろに控えて、時折盗聴防止魔術を使いながらやってきた悪魔たちの情報や次に来る悪魔のことを伝えている。
『まだ来る?』
こぽっと音が沈んでメフィスト様が聞く。
『あと3組、お約束がございます』
『多い!』
『それが終われば一息つけますから』
メフィスト様は肩を竦めているけど、それも私にわかる程度で表向きには愛想よく穏やかな笑みを絶やさない。
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DONE #mirmプラス仕事始めのmfstの話。🌸は普段パンツスーツないしペラ様みたいなパンツスタイルの給仕服だと思ってます。
1/6仕事を始めるから背中を押して 悪魔メフィストフェレスの本質は仕える者である。つまり、仕えられる側にはそんなに慣れていない。
何が言いたいかと言えば、母性全開でよしよしされて俺は一体どうしたら!!!という話である。
今日は仕事始めで、朝から憂鬱だった。起きたくない。13月中は朝から晩まで腕の中にいたかわいい娘はさっさと起きてしまい、一人でベッドでうだうだしている。いや、していた。
秘書兼SD(非公認)がやってきて、いつもよりだいぶ甘い声で
「おはようございます、メフィスト様♡」
と言うから布団から顔を出したら笑顔で、やたらと可愛らしい給仕服を着ていたのだ。(いつもは完全に真顔で布団を剥ぎ取られる。というかいつ買ったんだ、あんなヒラヒラした服)
994何が言いたいかと言えば、母性全開でよしよしされて俺は一体どうしたら!!!という話である。
今日は仕事始めで、朝から憂鬱だった。起きたくない。13月中は朝から晩まで腕の中にいたかわいい娘はさっさと起きてしまい、一人でベッドでうだうだしている。いや、していた。
秘書兼SD(非公認)がやってきて、いつもよりだいぶ甘い声で
「おはようございます、メフィスト様♡」
と言うから布団から顔を出したら笑顔で、やたらと可愛らしい給仕服を着ていたのだ。(いつもは完全に真顔で布団を剥ぎ取られる。というかいつ買ったんだ、あんなヒラヒラした服)
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DONE #mirmプラス13月の最後にmfstを甘やかす話
酔っ払ってぐだぐだするmfstを甘やかしたかったんだよ
1/5休みの最後に甘やかして「は〜〜〜」
テレビの前のソファで、メフィスト様はダラダラしている。なにしろ今日で13月も終わりで、明日からは割と普通に忙しいのだ。
私の方は13月ということで、いつもよりはゆっくりさせて頂いていたけれど、それはそれとして家事は発生するのでメフィスト様ほどは休んでいない。今も干していたリネン類を取り込んで畳んでいる。
「働きたくない」
「左様ですか」
「もうちょっとかまってほしい」
「わたくし、既にほぼ通常営業ですからね」
「……」
主はつまらなさそうな顔でこちらを見ている。このまま放置すると確実に拗ねるので、手を止めてソファの横に腰を下ろした。
「メフィスト様。今の作業を終えたらアイスを持ってきますから一緒に食べましょう」
1051テレビの前のソファで、メフィスト様はダラダラしている。なにしろ今日で13月も終わりで、明日からは割と普通に忙しいのだ。
私の方は13月ということで、いつもよりはゆっくりさせて頂いていたけれど、それはそれとして家事は発生するのでメフィスト様ほどは休んでいない。今も干していたリネン類を取り込んで畳んでいる。
「働きたくない」
「左様ですか」
「もうちょっとかまってほしい」
「わたくし、既にほぼ通常営業ですからね」
「……」
主はつまらなさそうな顔でこちらを見ている。このまま放置すると確実に拗ねるので、手を止めてソファの横に腰を下ろした。
「メフィスト様。今の作業を終えたらアイスを持ってきますから一緒に食べましょう」
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DONE #mirmプラスmfstと初売りに行く話
1/4初売りお揃い甘やかされ「初売り! ですよ!」
「うーん、すごい混みようだ。帰る?」
年明けの初売りを行っているデビモールは、それはそれは混んでいる。油断するとたぶんあっという間に逸れそうで、私は繋いでいたメフィスト様の手を強く握り、ついでに反対の手で腕も掴んだ。
「お戻りですか? お気をつけて♡」
「流れるように放流しないでくれる? もちろんお付き合いしますよ」
メフィスト様は苦笑して私の手を握り直した。私はうへへと笑って歩き出す。目的は私のコートや冬物だ。
「これどうですか?」
「かわいいね」
「こっちは?」
「似合ってるよ」
「これは、うーん」
「いいと思うけど」
「そればっかじゃないですか」
不満の声を上げるとメフィスト様はしれっと
794「うーん、すごい混みようだ。帰る?」
年明けの初売りを行っているデビモールは、それはそれは混んでいる。油断するとたぶんあっという間に逸れそうで、私は繋いでいたメフィスト様の手を強く握り、ついでに反対の手で腕も掴んだ。
「お戻りですか? お気をつけて♡」
「流れるように放流しないでくれる? もちろんお付き合いしますよ」
メフィスト様は苦笑して私の手を握り直した。私はうへへと笑って歩き出す。目的は私のコートや冬物だ。
「これどうですか?」
「かわいいね」
「こっちは?」
「似合ってるよ」
「これは、うーん」
「いいと思うけど」
「そればっかじゃないですか」
不満の声を上げるとメフィスト様はしれっと
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DONE #mirmプラスmfstとおみくじを引きに行く話。
神社はないだろうけど、魔神が祀られてたりしないかな?ってことで。
1/2足して割って、中吉くらい?「魔神くじ、ですか」
「そうそう。今人気なんだって。引きに行こうよ」
年始早々にメフィスト様に誘われたのは魔界で今人気だというおみくじだった。なんでも今年一年の運勢が書いてあって、それがかなり詳細かつシビアな内容で面白いらしい。
初日はほぼ寝て過ごしてしまったので二日目にお出かけするのもやぶさかではない。揃って認識阻害眼鏡をかけて、くじが引けるという魔神様のお社に向かう。
「わ、すごい並んでますね」
「昨日はもっとすごかったらしいよ。出掛けにテレビでいってた」
「今も相当並んでるのに」
2人で列に並ぶ。列の横に屋台が出ていて、ちゃっかりしてるなと思いつつ、あれこれ買ってしまった。
「メフィスト様、この焼き串美味しいですよ」
951「そうそう。今人気なんだって。引きに行こうよ」
年始早々にメフィスト様に誘われたのは魔界で今人気だというおみくじだった。なんでも今年一年の運勢が書いてあって、それがかなり詳細かつシビアな内容で面白いらしい。
初日はほぼ寝て過ごしてしまったので二日目にお出かけするのもやぶさかではない。揃って認識阻害眼鏡をかけて、くじが引けるという魔神様のお社に向かう。
「わ、すごい並んでますね」
「昨日はもっとすごかったらしいよ。出掛けにテレビでいってた」
「今も相当並んでるのに」
2人で列に並ぶ。列の横に屋台が出ていて、ちゃっかりしてるなと思いつつ、あれこれ買ってしまった。
「メフィスト様、この焼き串美味しいですよ」
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DONE #mirmプラスmfstとアクドル武闘会を見る🌸の話。
キャワイイが不足している。
12/31生涯イチ推し私の主「ひゃー! くろむちゃん、かんわいーー!!!」
「そだね」
「あーん、イルミちゃんとリンディちゃんのかわいさったら!! 推せる!」
「そ、だね?」
「んぎゃっ、ギャリーちゃんかっこよ!!!!」
「……」
年末である。私はメフィスト邸の大きいテレビの前で元気にペンラを振り回していた。テレビはアクドル武闘会を映していて、この世のキャワイイが詰まっている。うちわも用意すれば良かった。来年に向けて作っておこう。
「そんなにアクドル好きだっけ?」
「や、そこまででは。くろむちゃんは好きですけど、アクドル好き!ってほどではないです」
「その割にテンション高いけど」
「……最近、かわいいに飢えているんです」
そう、私の周りにかわいいがない。基本的にメフィスト様に侍っているので、関わるのがメフィスト様とその他有象無象である。挨拶に来る貴族(ほぼおじさん)とか、バベルで会う偉い悪魔(だいたいおじさん)くらい。私の生活圏内にいるかわいいはバチコちゃんと、ごく稀に遭遇するアムリリス様、パイモン様くらいだ。バチコちゃんやパイモン様を流石にキャワイイキャワイイと撫でくりまわしたり出来ない。
1053「そだね」
「あーん、イルミちゃんとリンディちゃんのかわいさったら!! 推せる!」
「そ、だね?」
「んぎゃっ、ギャリーちゃんかっこよ!!!!」
「……」
年末である。私はメフィスト邸の大きいテレビの前で元気にペンラを振り回していた。テレビはアクドル武闘会を映していて、この世のキャワイイが詰まっている。うちわも用意すれば良かった。来年に向けて作っておこう。
「そんなにアクドル好きだっけ?」
「や、そこまででは。くろむちゃんは好きですけど、アクドル好き!ってほどではないです」
「その割にテンション高いけど」
「……最近、かわいいに飢えているんです」
そう、私の周りにかわいいがない。基本的にメフィスト様に侍っているので、関わるのがメフィスト様とその他有象無象である。挨拶に来る貴族(ほぼおじさん)とか、バベルで会う偉い悪魔(だいたいおじさん)くらい。私の生活圏内にいるかわいいはバチコちゃんと、ごく稀に遭遇するアムリリス様、パイモン様くらいだ。バチコちゃんやパイモン様を流石にキャワイイキャワイイと撫でくりまわしたり出来ない。
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DOODLEかわいいあのヒトには既にトゲが刺さっていた 魔関署に研修にやってきた俺は早々に打ちのめされていた。まず普通に訓練が厳しい。寮住まいで早朝から夜に布団に倒れるまで逃げ場もなければ愚痴を吐く余裕すらなく扱かれている。
もうヤダ。辞めたい。辞めて地元で畑とか耕したい。そんな泣き言を言いつつも俺が投げ出さずにいるのは何故か。
ハチャメチャに可愛くて優しい先輩がいるからである。ナルニア様直属部隊である牙隊に入署一年目から所属しているという優秀な女悪魔で、なのに偉そうにせず俺みたいな下っ端研修生にも優しく接してくれるすんごいヒトだ。おんなじ牙隊大佐のアミィ様とは正反対。アミィ様も凄いヒトだけどとにかく怖くて仕方ない。厳しい話し方も鋭い目付きも、なんもかんもが恐ろしいのだ。
1198もうヤダ。辞めたい。辞めて地元で畑とか耕したい。そんな泣き言を言いつつも俺が投げ出さずにいるのは何故か。
ハチャメチャに可愛くて優しい先輩がいるからである。ナルニア様直属部隊である牙隊に入署一年目から所属しているという優秀な女悪魔で、なのに偉そうにせず俺みたいな下っ端研修生にも優しく接してくれるすんごいヒトだ。おんなじ牙隊大佐のアミィ様とは正反対。アミィ様も凄いヒトだけどとにかく怖くて仕方ない。厳しい話し方も鋭い目付きも、なんもかんもが恐ろしいのだ。
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DOODLE刺に引っかかれる 魔関署本庁の爪隊執務室にて、私は半泣きで法学を教わっていた。正面の席ではキマリス大佐が苦笑している。
「君、戦闘能力は高いのに座学はからきしだね」
「返す言葉もございません」
「そこ、第3級犯罪魔の取り扱いについての記載が間違っている。身柄の確保権は少佐ではなく大尉から可能」
「あれえ」
「犯罪区分の正答率は上がってきたかな。たまに間違えるけど、問題をちゃんと読んで」
「はい」
「あと、こっちなんだけど……」
悪魔学校にいたときから座学は苦手だった。魔歴は論外として戦術学とかも苦手なので(というか授業中起きていられないので)、よく罠や搦手に引っかかっていたタイプだ。
室内にいる他の爪隊の先輩方や同期の研修生たちは日報を書いたり研修報告をしたりと、比較的穏やかな雰囲気に包まれている。穏やかでないのは私一人だけど、事件が少ない時の夕方はだいたいこうなので誰も気にしなくなった。
1136「君、戦闘能力は高いのに座学はからきしだね」
「返す言葉もございません」
「そこ、第3級犯罪魔の取り扱いについての記載が間違っている。身柄の確保権は少佐ではなく大尉から可能」
「あれえ」
「犯罪区分の正答率は上がってきたかな。たまに間違えるけど、問題をちゃんと読んで」
「はい」
「あと、こっちなんだけど……」
悪魔学校にいたときから座学は苦手だった。魔歴は論外として戦術学とかも苦手なので(というか授業中起きていられないので)、よく罠や搦手に引っかかっていたタイプだ。
室内にいる他の爪隊の先輩方や同期の研修生たちは日報を書いたり研修報告をしたりと、比較的穏やかな雰囲気に包まれている。穏やかでないのは私一人だけど、事件が少ない時の夕方はだいたいこうなので誰も気にしなくなった。
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DOODLE鋼鉄の悪魔と番犬鋼鉄の悪魔と番犬
「アザミ大佐、今から出るから留守は任せるっすよ」
「承知しました、フェンリル様」
背の高い白髪の悪魔が、私の横にいたアミィ様にひらひらと手を振った。アミィ様はかしこまりましたと頭を下げて、反対の隣にいたキマリス様も同じように腰を折るので私も真似をする。
「そだ、キリエライト大佐。アンリさんから頼まれてた件なんすけど」
フェンリルと呼ばれた悪魔がキマリス様と話し始める。私はアミィ様のコートを引いた。
「ねえ、アミィ様。このイケメンはどなたですか?」
「……こちらはフェンリル様。ナルニア様、アンリ様に次ぐ魔関署の3番手……ということになっているが」
「はじめまして、お嬢さん。アザミ大佐、この娘は? こんな娘牙隊にいたっけ?」
1170「アザミ大佐、今から出るから留守は任せるっすよ」
「承知しました、フェンリル様」
背の高い白髪の悪魔が、私の横にいたアミィ様にひらひらと手を振った。アミィ様はかしこまりましたと頭を下げて、反対の隣にいたキマリス様も同じように腰を折るので私も真似をする。
「そだ、キリエライト大佐。アンリさんから頼まれてた件なんすけど」
フェンリルと呼ばれた悪魔がキマリス様と話し始める。私はアミィ様のコートを引いた。
「ねえ、アミィ様。このイケメンはどなたですか?」
「……こちらはフェンリル様。ナルニア様、アンリ様に次ぐ魔関署の3番手……ということになっているが」
「はじめまして、お嬢さん。アザミ大佐、この娘は? こんな娘牙隊にいたっけ?」
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DONE #mirmプラスmfstと秘書🌸で仕事を納める話。帰る間際ってなんか出てくるよね。
12/30仕事始め、無事納まった! 仕事納めのはずが仕事が納まらなくて泣いている我々である。
私は朝から家の大掃除を済ませ、年末から13月に向けておかずの作り置きをして簡単な昼ごはんを用意して書斎へと向った。
書斎ではメフィスト様が顔色を悪くしつつ書類の山に向き合っている。
「お昼をお持ちしました」
「ありがと、置いておいて」
机の端に皿を置いてから私も手伝う。何がなんでも年内に終わらせなくては月が越せないものは、たぶんもうそんなにないはずなのだ。
「メフィスト様、こちらお目通しを」
「急ぐ?」
「急ぎます」
「これは?」
「これも急ぎますね。これ、どこから出てきたんですか」
「わかんない……」
そんな感じでごちゃつきながらも仕分けて処理してを繰り返す。幸い年内に返事をしなくてはいけないものはそんなになくて、メフィスト様に返事をもらって午後の早い内に送り出せたので、まあ間に合うはずだ。
1019私は朝から家の大掃除を済ませ、年末から13月に向けておかずの作り置きをして簡単な昼ごはんを用意して書斎へと向った。
書斎ではメフィスト様が顔色を悪くしつつ書類の山に向き合っている。
「お昼をお持ちしました」
「ありがと、置いておいて」
机の端に皿を置いてから私も手伝う。何がなんでも年内に終わらせなくては月が越せないものは、たぶんもうそんなにないはずなのだ。
「メフィスト様、こちらお目通しを」
「急ぐ?」
「急ぎます」
「これは?」
「これも急ぎますね。これ、どこから出てきたんですか」
「わかんない……」
そんな感じでごちゃつきながらも仕分けて処理してを繰り返す。幸い年内に返事をしなくてはいけないものはそんなになくて、メフィスト様に返事をもらって午後の早い内に送り出せたので、まあ間に合うはずだ。
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DONE #mirmプラスmfstと秘書🌸で年末の買い出しに行く話
めちゃくちゃ所帯じみてる
12/29買い出しに行くなど さて年末である。13月いっぱい、出来る限り引きこもるために、私とメフィスト様はデビモールに買い出しに来ていた。
「わー、混んでますね」
「すごいな。帰る?」
「まだなんにも買ってないです!」
このようにメフィスト様はややテンション低めで、やたらと帰りたがっていた。理由は昨晩の貴族会でバール様に絡まれたからで、終日引きこもっていたいということだ。
「家にいていただいて構いませんと申しましたのに」
「君を一人では行かせられない」
「何でですか。今まで普通に買い出しは一人でしてておりましたよ」
「……なんでも、です」
そう言って握られた手に力が入る。まあ、いいか。
「左様ですか。ともかく行きましょう」
一つ一つは大したものではないけれど、買うべきものは山のようにある。食材はもちろん、洗剤みたいな消耗品やメフィスト様の防寒具なんかも見に行きたい。
810「わー、混んでますね」
「すごいな。帰る?」
「まだなんにも買ってないです!」
このようにメフィスト様はややテンション低めで、やたらと帰りたがっていた。理由は昨晩の貴族会でバール様に絡まれたからで、終日引きこもっていたいということだ。
「家にいていただいて構いませんと申しましたのに」
「君を一人では行かせられない」
「何でですか。今まで普通に買い出しは一人でしてておりましたよ」
「……なんでも、です」
そう言って握られた手に力が入る。まあ、いいか。
「左様ですか。ともかく行きましょう」
一つ一つは大したものではないけれど、買うべきものは山のようにある。食材はもちろん、洗剤みたいな消耗品やメフィスト様の防寒具なんかも見に行きたい。
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DONE #mirmプラスmfstと貴族会で英雄に会う話。思いついたから書いたけど、あまり親切な話ではなかった。
けどみんな気になるでしょ? brとsr姫がどうなってるのか。私はめちゃくちゃ気になるよ。
12/28手腕と用途 年内最後の貴族会。こぽっと音を沈ませて盗聴防止の魔術が発動する。後ろに控えるかわいい秘書に確認を取る。
『これで一通りかな』
『いえ、もう一方、挨拶が必要な方が』
『……帰ろう』
「よお、久しいな。盤外の」
秘書の後ろからぬっと出てきたのは雷帝……英雄バールだった。俺のかわいい娘は元々こいつの秘書だったから会わせたくなかったのだけど。
「どうも、お久しぶりです。バール様」
「ご無沙汰しております」
秘書を後ろに下げようとすると、バールが彼女と俺の間に立った。どうしてくれようと思うけど、彼女が止めろと目配せするので一旦止める。
「俺の手から離れて、ずいぶんよろしくやってるようじゃねえか」
「……バール様のお噂についてもかねがね聞いております」
1336『これで一通りかな』
『いえ、もう一方、挨拶が必要な方が』
『……帰ろう』
「よお、久しいな。盤外の」
秘書の後ろからぬっと出てきたのは雷帝……英雄バールだった。俺のかわいい娘は元々こいつの秘書だったから会わせたくなかったのだけど。
「どうも、お久しぶりです。バール様」
「ご無沙汰しております」
秘書を後ろに下げようとすると、バールが彼女と俺の間に立った。どうしてくれようと思うけど、彼女が止めろと目配せするので一旦止める。
「俺の手から離れて、ずいぶんよろしくやってるようじゃねえか」
「……バール様のお噂についてもかねがね聞いております」