───夢を見る。
見慣れたダークスーツの後ろ姿が、どれだけ呼んでも、手を伸ばしても、その声が届いてないかのように前だけを見て、そして閉じられたシャッターの向こうに消えていく夢。
その越えられない壁を前にして、俺はずっと、立ち尽くすしかできなくて。響いた銃声は、鐘のようにずっと頭の中で反響し続けた。
[来栖暁に育てられたあけちごろうくんと雨宮蓮くんの話~]
やっぱアレ。明智吾郎だよ!明智吾郎!絶対そう!!
斑目のシャドウを倒して、歪んだ美術館は異世界ごと崩壊した。
疲労も取れた翌日の昼休み。竜司も隣のクラスからやってきて三人で昼ご飯のパンを頬張っていると、振り返った杏がそう言い出した。
あけちごろー?誰だよそれ
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