肩章を撫でる 急な雷雨もなくからりと晴れた空に、小さな虹がかかっている。あんなに大量の水を使ってウォーターガンバトルをしたのだから、出来てもおかしくはない。
空気中を漂う水の粒に光が反射して生まれるんだっけか。いつだったか、てるてる坊主を作りながら教えてくれた話を思い出しながらぼんやりしていると、仰向けに転がるアキラの横に誰かが座った。ブラッドだ。
「流石に疲れたようだな」
「全員相手にしたんだから当たり前だろ」
「お前が全員でかかってこいと言ったのだろう」
「途中でメンターが参戦してくるとは聞いてねーよ」
ジト目を向ければ、くすりと笑うブラッドの珍しい姿が視界に入る。下から見上げても顎の形すら美しい男だ。
「楽しかったよ。ありがとな、ブラッド」
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