masasi9991 @masasi9991 妖怪ウォッチとFLOとRMXとSideMなど平和なのと燃えとエロと♡喘ぎとたまにグロとなんかよくわからないもの ☆quiet follow Yell with Emoji Tap the Emoji to send POIPOI 423
ALL 道タケ漣 デググラ 妖怪ウォッチ 久々綾 かぶもも レクセル RMX クラテパ ヴァルフェン レオクリ ゼロクス ZXA 創作 ジクイア masasi9991DONE現パロのデググラ大事な写真 キミの太い指がスマホの画面の上をちょん、ちょん、とつっついてるのを見ているだけで、とても幸せな気分になる。 「うーん、この写真は……そうだ、先週の夜!」 「真っ白じゃないか。一体何を撮ろうとしたんだ?」 「これはだな、スマホをうっかりベッドの上に落としたときの写真だ!」 「あっはっはっは、よくそんなことを覚えているな! 寝るときかい? それとも起きたとき?」 「寝る前だ。手の上からこうツルリとな」 その瞬間の再現なのか、手に持ったスマホを落とす真似をする。で、やっぱり本当に落としそうになってお手玉した。 「おっとっとっとっと。ふう、ひやっとした。それでな、この次の写真が」 「今の、消さないのかい?」 「む? 消さないぞ。だっておまえが写っていたじゃないか」 794 masasi9991DONE何かと戦っている土蜘蛛さんと大ガマさん道 蛙の脚なら、一飛びだ。快晴! 雲のない空! 跳ね上がり上昇する。皮膚の焦げるような陽光の熱、息詰まる酸素の淀みを飛び越え、風、風、風、空を横切る風を切り、薄まる熱、大気、まだ俗世の天井に並ぶ程度の、高さ。青黒く光る高層ビルの窓ガラス、最上階、ひと目を避けて打っ遣られた屋上の、砂埃の積もった片隅に社があるのを見つけた。 脚は緩んで、その隣へ降り立った。裸足の爪の先が灰色の砂埃に浸かる。コンナところに隠れていたのか。舞い上がる砂埃。ビル風の一つで社は今にも崩れ落ちそうだ。人の子供ほどの背の高さもない社の屋根が、カタンと傾いた。爪先に絡んだ砂埃が、泥のようにぬるくなる。 脚が汚れちまう。ビルの屋上を踵で蹴って、跳ねた。コンクリートの床は水面のように素直に波打ってくれた。水面だ、足先を水で洗って、跳ねる。何しろオレは蛙だから、身体のどこもかしこも濡れているのだ。 775 masasi9991DONEさらに一つ前のかぶももの続き淡い色のマーキング「今度からそういうことは予告してからにしてくれんか。まだ心臓がドキドキ言っとるけぇ」 「もう唇での練習は二人でする仲なのに?」 「そうじゃが、じゃとしてもじゃ!」 「兜くん、かわいい。まだ中学生だもんねー」 ほっぺに手を当てたまま、むっと頬をふくらませる。手で押さえてるとこがむにっとしてる。ちょうど僕がキスしたとこ。柔らかさを思い出して、胸がフワフワした。 でもこれで、ちゃんと年上らしいところ見せられたな。 「ワシもすぐ大きゅうなる。百々人もうかうかしてられんぞ」 「でもずーっと僕の方が年上だけどね?」 「それは、どうしようもないのぅ」 うーん、とうなって兜くんは両腕を頭の上に伸ばして背伸びをした。そうするとちょっとだけ大きく見える。まだちょっとだけ。 1170 masasi9991DONE一つ前の続きのかぶももしかえし リモート劇は二十分ちょっとぐらい。動画としてはそんなに長くない。でもこのラウンジで、二人並んで見てるには、少し間が気になる長さ。お喋りしてたらすぐだけど、兜くんはかなり見入ってる。 画面の中の僕を、キミは見つめてる。僕はその真剣な横顔に視線が向いてしまう。自分の出てる動画を直視するのはまだ恥ずかしいから――っていうのは言い訳だな。 兜くんって年下なんだよね。小さくてフワフワしてる。その、頬とか。年相応に、そう。丸くて大きな目も、あどけないというものなんだろうけど。だけどその真っ直ぐな目、年下なのにすごく強く見える、かも。老けてるとかじゃなくて、なんて言えばいいんだろう。 初めて話をしたときも、初めて触れられたときも、きっともっとずっと前からそんな目をしてたんだろうなって、思うとなんだか……。 1055 masasi9991DONEわたあめのを食べているデググラわたあめ キミの口の中に入っていくにしては、ちょっと小さかったかなと思ったけれど。 「あーん」 「あーん……もぐ」 大きな口はわたあめを通り越しておれの指までがぶっと食べてしまった。 「あははっ。もっと大きくちぎるべきだったな。ふっふっふ、くすぐったい」 「ムム? しまった! おまえの指まで甘かったものだから、つい」 「かなり指にくっついてしまうんだ。このくらいの大きさならどうだ? あーん」 「あーん! ムムム。もっとあーん! む!」 口を大きく開いて、がぶっと行く前にちらっとおれのつまんだわたあめの大きさを確認する。これでは足りないとばかりにもうもう一段階大きく口を開く。これ以上は無理だ、というところまで開けて、さらに首を傾げてかぶりつく位置を考えた。それから満を持して、がぶり。 609 masasi9991DONE演技のお仕事のあとのかぶもも感情のまま 普段と違って首元まできっちり結んだネクタイをやっと緩められた。ちょっと緊張してたかも。作り笑いは得意なんだけど。 今日はぴぃちゃんが「いつもよりも自然な表情ができてますよ」なんて収録の合間に言うものだから、思ったような作り笑いができてなかったのかも。自分がどんな顔でカメラに映っているのか気になって、変な顔してるんじゃないかって……。でもぴぃちゃん、褒めてくれた。だからそれが正解。最後まで自然な表情、正解で居続けられただろうか。意識しちゃうと、作り笑いより難しかった。緊張はそのせいかな。 ネクタイだけ少し緩めて、着替えは楽屋に――楽屋代わりになってる事務所の小さな会議室に、置いてある。今日の収録は315ビルの休憩室を使ったから。最近、配信のお仕事をビルの中で撮ることが結構多い。普段私服で出入りしてる場所を、配信用とはいえ衣装で歩き回るのはちょっと不思議だ。 1380 masasi9991DONEヴァンパイアの道流さんの道タケ漣(道タケ+道漣)闇夜のおとぎばなし□1 らーめん屋は吸血鬼らしい。キューケツキって、何だ。 いや、キューケツキぐらい知ってる。血を吸うバケモンだろ。作り話の。ホントにそんなのがいるワケねー。そのハズだ。 じゃ、オレ様が見たらーめん屋のアレは何だ? 昨日の夜中に寝苦しくて目が覚めた。物音がうるせえ。らーめん屋の家は屋根と壁と布団があって、他の寝床よりはマシなところだ。そのはずなのに、そのときは寝苦しかった。デケえ物音が耳元で聞こえる。……喋ったり、暴れたりなんかはしていない。ただデケえ生き物がモゾモゾと動いている、熱を含んだ物音だ。 デケえのは、らーめん屋だ。こんな夜中に叩き起こしやがって。ウゼエからぶっ飛ばしてやる。 このまま、オレ様のすぐ隣の布団でモゾモゾ動いているらーめん屋に蹴りを入れるつもりだった。きっちり狙いを付けるために、頭までかぶった布団の隙間から隣の布団を覗き見る。 15100 masasi9991DONE兜大吾×花園百々人かぶももなのか大百なのかまだわからない知らないキス「ふふ、こういうのは……知らない、でしょ?」 唇の前に立てた人差し指が、ほんの少し震えたことに気付かれてなければいいんだけど。 人差し指が兜くんの唇に触れそうで、少し怖い。自分で顔を近づけておきながら、怖気づいている。ううん、最初からフリだけで、本当にするつもりなんかなかったんだ。 僕の囁きだけ、キミの唇に触れてしまった。大きな目を丸く開いたキミの顔がすぐそこにある。薄く開いたその唇で、キミはゆっくり息を呑んだ。僕の人差し指に吐息が触れたような気がする。大きな目がまばたきをする。 炬燵に突っ込んだ足が暑い。汗が滲んでる。ここも、すぐ近くに兜くんが居る。初めて兜くんに触れられた日みたいなシチュエーションで、こういうとこには慣れなくて、誰かの家に呼ばれるとかも、もちろん理由はそれだけじゃなくて――ずっと緊張してた。 1389 masasi9991DONEハンドクリームを塗るデググラハンドクリームのおすそ分け「あ。しまった」 もう少しでなくなってしまいそうだ、と思って思い切り絞り出したチューブから、勢いよくハンドクリームが飛び出した。白く柔らかいクリームが手の上に飛び散る。 「どうした? おっ、わはは! それはいつものおまえの、珍しいうっかりだな!」 おれの手をひょいと覗き込んだキミが元気に笑いながらそんなことを言った。 「いつもの珍しい、って妙な言い方だな」 「おまえはいつでもしっかりしているが、ハンドクリームを絞り出すのだけは時々失敗する」 「……ん、欲張ってしまうんだ」 「むふふ。欲張るのはいいことだ。おまえの手はいつでもスベスベであってほしい! おれも欲張りだ」 「キミの手だってスベスベじゃないと」 「おう、いつものだな」 1229 masasi9991DONE年越しのデググラ年越し「なあ、もうここにあるの持ってっちゃっていいかな?」 「おう! ありがとう! ……あっ」 「どうした?」 こたつの上にどんぶり四つを並べて台所を振り返ると、エプロン姿のキミが大慌てでネギを手に追いかけてくる。「あっ」の意味がすぐにわかって、たまらず吹き出した。 「あっはっはっはっは! まだ具が足りなかったか!」 温かい部屋に温かい蕎麦の湯気、おいしい匂い、いつものキミのうっかりが揃っている。笑っているのはもちろんおれだけじゃなくてロックとロッタナもだ。こたつに入った二人は少し眠たそうだけど。 「やはり彩りはな、大切だからな……」 「でもネギってちょっとだけだし味がしないじゃん」 「しかし栄養たっぷりだぞ! しっかり食べて来年も元気に過ごそう!」 901 masasi9991DONE道タケ漣(道タケ+道漣)n番煎じの道流さん便器破壊ネタ 4307 masasi9991DONE小・虎牙道と中・虎牙道 masasi9991DONEおやすみ前のデググラ心臓の音 こうして一つのベッドに潜り込んで目をつむっていると、キミの熱と一緒に鼓動の音が聞こえてくる。キミがおれにぴったり寄り添ってくれているからだ。 それにしても今日はいつもよりもっと鼓動が大きい。おれも同じだ。眠ろうとしてもどうにも落ち着かない。今日は何もしない日なんだが。 静かなベッドの中に二人分の落ち着かない鼓動がしばらく続いて、それからキミが耐えかねたように突然動いておれを太い両腕で強く抱き寄せた。 「眠れないのか!?」 「あはっ、それはキミもだろ?」 「うむ!」 キミに抱き寄せられてキミの胸に顔を押し当てて、キミに密着して……キミの鼓動がさらに大きく聞こえてくる。 「どうしておれが起きてるってわかったんだ?」 1384 masasi9991DONE映画館の道タケ漣映画館にて アイツはどこに行ったんだ、と言うまでもなかった。座席でぴょこぴょこ動いている頭が見える。一応は円城寺さんが取った席に座っているようだが、アイツは何をやっていても落ち着きがない。 「れーん。どうだ、そのポップコーン旨いか?」 「まあまあイケるぜ。くはは!」 「お前、それ三人分だぞ。一人で全部食うなよ」 「遅れてくる方がわりーんだよ」 「そんなに旨いならもう一箱買ってこようか。タケルも特大にするか?」 「円城寺さん。いや、そこまでは……」 特大サイズのポップコーンの容器を抱きかかえてひたすら食べ続けるコイツの隣には、もちろん座る気にはならない。三つ並んで取った席の真ん中を開けて座る。 コイツは本当にふてぶてしい。そう広くない映画館の座席で足を組んでふんぞり返り、円城寺さんからドリンクを受け取っても礼の一つも言わない。 1184 masasi9991DONEクリスマスの準備のデググラサプライズ「すっかり暗くなってしまったなあ」 そう言いながら、キミは焚き火の前から立ち上がった。 「また採掘に出るのか? 今夜はひょっとすると雪でもちらつきそうだぜ」 「いやいや遠くには行かないぞ。おまえにご心配をかけるわけにはいかないからな」 「ああ、そうしてくれると嬉しい」 なにしろ夜の山は真っ暗だ。キミの採掘師としての勘がこんな暗闇なんかでどうにかなるはずがないとは思うが、暗闇の中でキミを待つのはおれが不安だ。行くなら、ついていくけど。 「ちょっとやることがあってな……これだこれだ」 「ん?」 テントの中に放り込んでいた荷物をゴソゴソと探っていたかと思うと、キミはすぐに焚き火の前に戻ってきた。揺れる火の灯りに照らされたそれは、いくつかの小さな宝石の原石だ。 1978 masasi9991DONE陸に上がったばっかりの大ガマさんと土蜘蛛さん蛙の食事「つかぬことを聞くが」 男は立派な裃の懐から一分金を無造作に取り出し、床に並べた。それを私が数えているのを待つ間、ふとそのようなことを言い出した。 「珍しい虫を探しておる。このあたりで見ないような虫だ」 「へえ、虫ですか」 この男は案外お喋りで、昼間そこらを歩いているときには町人の子からお武家様とまで平気で話し込んでいる。まるで誰もが旧知の師に遭ったかのようになる。かれが町外れのあばら家に住み着き始めたときには、きっと幽霊に違いないと噂していたことなど皆忘れてしまったのだろうか。 いや男の見目には充分に幽霊めいている。肌の白さはぞっとするような悪を思わせる。だけれども秀でた額に鋭く切れた目尻の涼しさ、薄い唇、また子分をいくらも抱えて毎夜宴を開いている様は、遊びに手慣れた歌舞伎の役者かとも思われた。の割には身のこなしに上品なところがあり、老人めいたところもあり、やはり正体がつかめない。また誰もかれの姿を芝居小屋で見たこともないと言う。 1375 masasi9991DONE名前を呼びたい道タケ漣普段通りの レッスンルームから出て廊下のベンチに腰を下ろす。まだ少し息が上がっているのを整えながら、ペットボトルの水に口をつけた。壁一枚の向こうから大音量のBGMがくぐもって聞こえる。 だとしても、俺の後に続いてコイツまでレッスンルームから出てきていたのに気が付かなかったのはあり得ない事態だ。 突然俺の横に乱暴に座ったかと思えば、不機嫌そうに黙って口を尖らせそっぽを向く。不機嫌そうなのはいつものことだ。だが黙っているのは普通じゃない。 「水なら自分のを持ってこいよ」 「いらねー」 変だ。俺と同じく直前までのダンスレッスンの熱と汗が残ったままの横顔は、まるで小難しいことを考えているみたいに顰められていた。普通じゃないし、変だし、似合わない。 2744 masasi9991DONEおはようのデググラお名前「デグダス、デグダス」 とんとん、つんつん、ほっぺをつつかれている。ちょっと冷えた指先がくすぐったい。「むふふ」 なんていい夢だろう。グランツが耳元でおれの名前を呼んでいる。とても楽しそうな声だ。今にも笑い出しそうなのを我慢している、そんなときのウキウキはねる声だ。 どうしておれの名前を呼んでいるだけで、そんなにうれしそうなのだろう? とっても不思議だが、おれもそんな気持ちのときもある。同じ気持ちを思い出して、おれもムフムフ夢の中で笑ってしまう。 「今朝はキミの好きなものを作ったぜ」 「うーん」 そうか朝なのか。言われてみれば、眩しいような夢だ。じゃあ起きないと。 ううん、でも、しかしそれにしても、その『キミ』という響きも、たいへんむず痒く幸せなものだなぁ。 981 masasi9991DONEお買い物のデググラ選びきれない マーケットで買い物をするとき、こういった店だとかなり大変だ。 小さな屋台の端から端まで、無数の種類のドーナツと値札が並んでいる。一つの種類につき、残っているのは二つか三つぐらいしかない。もうカラになっているカゴもある。そうなると逆によほど人気のあるフレーバーだったのだろうな、と想像をかきたてられて、購買意欲をそそる。 とはいえおれもデグダスも、それほど優柔不断というわけではない、はずなんだが。 「これとこれとこれ……で、六、七、八個。あとは……」 「これ、おれも食べたいな。あとこのトマトとアンチョビのやつ、酒に合いそうじゃないか?」 「おおっ。じゃあそれ、おれの分も買っていいか!? トマトまんじゅう!」 1064 masasi9991DONE人間の街を歩く土蜘蛛さんと大ガマさん夜歩き 随分、眩しい。夜行性の身には堪える。人の世に擬態して歩くには、そんなことも言ってられないが。 この灯りは繁栄の証だから、人にとっては好いことばかりだろう。眩しさに目を細めながら、その豊かな営みにあやかってコンビニの自動ドアをくぐる。これも初めて人の街に現れた頃は、意味もわからずガラス戸に追突する妖怪が多くて往生したな、と古いことを思い出したのは連れの姿が頭にチラついたからで。あれも打つかった妖怪のうちの一人だった。自動ドアというやつをすり抜けるにしろ動かすにしろ、人ではないものがそれをやるにはちょっとしたコツが要るのだ。 陳列棚から目当てのものを手にとって、無人のレジの前で立ち止まる。商品と腕につけた時計をかざすとものの数秒で会計は終わって、ピッという電子音があとに残った。もちろんちゃんと支払いは済ませてある。ムジナじゃないんだから本物の電子マネーだ。とてもじゃないが枯葉じゃ代わりにならない。ムジナの連中こそ昨今往生しているだろう。 916 masasi9991DONEいちゃいちゃしているデググラ呼吸の音 ふう、と一息をついた。洞窟は静かで、おれのため息ばかりがホワンと響く。少し離れたところでピッケルを振るっていたグランツが振り向いて、声を上げて笑った。 「あっははは。休憩にしようか」 「む。おれのため息は、そんなにうるさかったか?」 「静かだからさ。キミの呼吸の音ばかり聞こえるんだ」 と、ケラケラ笑いながら駆け寄ってくる。 そんなにハアハア言っていたかな? ピッケルを振るっているときはそりゃあもちろん呼吸も荒くなるものだが、そのヒイヒイハアハア言っているのをグランツにしっかり聞かれていたかと思うとちょっとばかり恥ずかしい。 思わず片手で口元を塞いだ。 いつだって一緒に採掘をしているのだから今更なことではあるけれども。 756 masasi9991DONE朝からいちゃいちゃするデググラ食べたいもの正解 ほっぺがむにむにと柔らかいので思わずいつまでもこうしていたくなるのだが……。 「ふふ、くすぐったい……。な、キミも一緒に二度寝しようぜ」 なんて誘惑が、グランツのお口から聞こえてくるのでたいへん危険だ。眠たいグランツの目は片方は閉じたまま、ウィンク。 うつ伏せになって枕に半分沈んだ顔の、むにっとなっているほっぺをつついていると、おれは今にもベッドに吸い込まれてしまいそうだ。グランツはどうしてこうも誘惑がお上手なのか。 「そうはいかない。ムム……、おれはおまえを起こしておいしい朝ごはんを食べてもらうという使命があるのだ! 朝ごはんは元気のもと!」 「んー……。そういえばお腹が空いてるな」 「そうだろうそうだろう! いまにおまえのお腹はグーグー言い始めるはずだ」 914 masasi9991DONEお買い物のデググラ二人でお買い物「これもキミに似合うな」 「そうか?」 振り向いて首を傾げたキミの襟足に、それをそっと添えてみる。ぴょんぴょん跳ねるキミの赤毛に黒のゴムはもちろん深い青のガラス玉もよく似合う。欲を言えばガラスより鉱石の飾りの方がきっとキミには似合うだろう。 「こっちもいい。キミなら……これも。ふふ、選ぶのに時間がかかってすまない。キミには何でも似合うんだ」 「いやいやそれほどでも! むっふっふっふっふ。お買い物は楽しいから仕方がないさ。ところで……」 「あとで晩飯の買い物にも行かないとな。なあ、この焼き芋の飾り、ほんとにキミにぴったりじゃないか?」 「おいしそうだ! それに色もおれの髪にジャストフィットだと!?」 「あっはっはっはっは! これを買ってしまおうか!」 579 masasi9991DONEデググラと焼き芋秋の食べ放題 公園の方から家の前の道まで、すっかりきれいになった。ほうきで集めた落ち葉をまとめて積み上げておくと、これはこれで秋らしくていい。あとはごみ袋でまとめて公園に持っていって、焚き火をするのだ。 そう、焚き火だ! 今日は焚き火の日だ。ビレッジの中央の公園の方角からモクモクと煙が上がっている。すでに集まってきている落ち葉で焚き火が始まっているようだ。 煙が秋の水色の空にゆっくり上り、ゆっくり吹いた風でゆらゆらと揺れ、香ばしい焚き火の香りが……焚き火の中のお芋の焼ける匂いが! 漂っているような気がする。 今日は秋の恒例のビレッジの落ち葉掃きの日だ。落ち葉を集め終わったら、落ち葉で焼いた焼き芋がもらえる。つまり焚き火の日であり、焼き芋の日でもある。そして焼き芋は食べ放題だ。 1304 masasi9991DONEパイズリの日のデググラ 1331 masasi9991DONE現パロ お買い物のデググラ赤ちゃんサイズ いつもここに並んでいるはずなんだが、いくら探してもない。売り切れてしまっているのだろうか? ひとつでいいから、残っていてくれないか。一つずつ手にとって、パッケージに書いてある文字を読む。やわらかめ。しかし、〇〜三歳用。これは違う。 そうしていると、背中をつんつん、とつつかれた。 一番下の商品の棚を見るためにしゃがんで丸めたおれの背中を、つんつん、こちょこちょ。ちょっぴりくすぐったい。顔を見なくてもすぐにわかる、もちろんこれはグランツだ。 「何を探しているんだ?」 「おう、いつも使っている歯ブラシをだな」 「キミがいつも使ってる歯ブラシ? あのメーカーのやつか」 「白に青と緑の線が入っていて、大きめでやわらかい……。ないな。あれが一番いいんだ。やっぱり売り切れか」 737 masasi9991DONEお昼寝前のデググラお昼にもお昼寝 ふわ、と大きなあくびが出た。静かな洞窟の中にほわんと反響して、誰も聞いていないのに少し恥ずかしくなる。仕事中にこんな気が抜けた様子じゃ流石にまずい。 誰も聞いてない、よな? デグダスは……先に進んでいるはずだし。いくらさっきのおれのあくびの声が大きすぎたからって、まさかデグダスのところまで響いて聞こえるなんてことは。 そんな気まずい予感がしたときは、当たることが多いような気がする。 洞窟の先から、ドタドタと急いでこっちにやってくる足音が聞こえた。 「グランツ! だから言っただろう!」 「あっはははは。まさか聞こえてたとはな」 「おれは耳もよければ鼻もいいし勘もいいのだ。うっかりは多いけれども」 「顔もいいしな」 1703 masasi9991DONEハロウィン準備中のデググラお祭りの朝「デグダス、おはよう」 「んがっ?」 朝だ! グランツの声だ! ワッと目を開くと、朝日が眩しい。おれの顔を覗き込むグランツの肌と瞳がキラキラしている。 「朝なのか?」 「そうだぜ。あはっ、まだ寝足りないかい?」 「いや、とってもすっきりとした目覚めだ。今日もぐっすり眠ることができたようだ!」 「それはよかった」 グランツの笑顔は今日もピカピカだ。朝日の眩しさにも全く負けていない。そんな笑顔を一日の始まりから見ることができて、おれはなんて幸せ者なのだろうか。 「でもなんだかまだ夢の中みたいなぼんやりした顔をしていないか?」 「ン、実は」 グランツがさらにおれに顔を近づけると、昼間と違って結んでいない髪がサラリサラリとおれの顔に流れてかかる。おれの頬にこしょこしょ、と。 1295 masasi9991DONE出発前じゃないクラテパ 2405 masasi9991DONEいちゃいちゃしているデググラ昔から しょんぼりと肩を落としてうなだれていても、キミの身体はとても大きい。 「ちょっとかがんでくれないか?」 「おう」 返ってきた一言も元気がない。背を屈めて、頭をうなだれ、赤いくせっ毛がそっと揺れる。それでもおれはちょっと背伸びをして、キミの頭へ手を伸ばした。 「お」 「よしよし。おれはキミが落ち込む必要はないと思うが……。ま、こんな日もある」 「……うむ!」 背は屈めたままだけど、キミの黒い目は元気に見開かれて少し上目遣いにおれを見た。 キミに見つめられながらキミの頭を撫でるのは、なんだかとてもくすぐったい気分だ。手のひらに感じるキミのくせっ毛もくすぐったい。 この場合、キミの方がくすぐったいのかもしれないが。 871 masasi9991DONEデググラの日常ごほうび「よーしよし。今日はお疲れさまだ!」 夕暮れの平原の一角に時間通り集まった弟子たちに、キミは予め用意しておいたアップルジュースのビンを一人一本ずつ手渡していた。昼にマーケットで買っておいたものだから冷えてはいないけど、涼しくなってきたこの季節にはその方がいいだろう。今日の採掘は試験も兼ねていた分、頑張った弟子たちへのキミからのご褒美というわけだ。 マーケットからの帰り道では何本ものビンを抱えてカチャカチャ鳴らしながら運んでいて、うっかり割っちゃったりしないだろうかと心配だったけど、渡し終わってみればちゃんと全員分無事だった。むしろ予備で買った分が一本残っている。 キミはうっかりも多いけど、いつもこんなふうに弟子たちへの気遣いもとても優しくて、おれはただただ羨ましい。 1615 masasi9991DONEデグダスを吸うグランツのデググラ補給 ソファの上にグランツがうつ伏せに倒れている! こんなとき、引っ越しのときにグランツが言った通りに大きめのソファを買っておいてよかったと思う。おれも一緒に横に座ると、まさにぴったりサイズとなるのだ。 とはいえそれは並んで座ったらの話であって、グランツがうつ伏せに倒れているとなると話は別だ。 「グランツ、ただいま」 「ん、おかえり」 ソファに倒れたグランツはお返事の声までまさにぐったりとしており、だんだんそこからずり落ちていくのだった。 おれが隣にお邪魔すると少し顔を上げておれを見つめる。なんともせつなそうな顔だ。そしてやはりそのままずりずりと床に落っこちてしまいそうになるので、両手で支えてソファの上に引っ張り上げた。 833 masasi9991DONEエアスケベのデググラ 1143 masasi9991DONEおやすみ前のデググラ短い赤毛に「だんだん、寒くなってきたなぁ」 なんて言いながら、風呂上がりの火照った身体をぶるり、とキミは揺らした。それから大きな口を大きく開いて大あくび。 「今日はもう寝ようか」 「うむ。こんな日は風邪をひかないようにあったかくしてゆっくり寝ないとな」 ベッドの上に腰を下ろして、もう一度キミは大あくびをした。もう目は半分閉じて、眠たそうにしている。でも、おれが来るのを待ってくれているらしい。 おれもしっかり髪を乾かしてから、ベッドの君の隣に腰掛けた。 「むにゃ」 座って腕を組んだまま寝ようというキミの背中側からそっと手を回し、後ろ髪に指を触れた。 まだ少し濡れて、ひんやりと冷たい。いつも元気に跳ね回ってるキミのくせっ毛も、風呂の後には少しおとなしい。 1096 masasi9991DONEいちゃいちゃしている土ガマ寝言 寝てるときまで顰めっ面だ。こんなに可愛い大ガマ様が隣で添い寝してやってるってのに、一体何が不満なんだか。眉間のシワを指でつつくと、むう。と唸った。いびきか? こいつ、身も心もすっかりお爺ちゃんだからな。にしたってもっと安らいだ寝顔を晒したり出来ねえのかよ。 夜中にふと目覚めて、閉じた窓の外から差し込む月の僅かな灯りで土蜘蛛の顔を覗き込む。つついても顰めっ面に変わりはない。腹が立ってきたからもっとつつく。 「ぐ。お、おおがま」 「お」 いびきに混じって何んだか愉快な寝言が聞こえた。 「はいはい。あんたのかわいい大ガマ様はここにいるぜ」 寝言と会話したって仕方がないが。返事をしながら眉間をまたつつく。寝言の返事の返事の寝言は、またいびきだ。 761 masasi9991DONEいちゃいちゃしているデググラのどにやさしい まったくどこにも悪いところなんてないんだが、キミからベッドに押し込められた。 これが色っぽい意味なら大歓迎だ。いくらでも押し倒されたい。キミになら何をされたっていい。いや、それがそんな意味じゃなくても、キミにだったら本当に何をされたって構わない。 じゃあ今ベッドに押し込められたのも別にいいじゃないか。うん、それ自体は全く嫌じゃない。嬉しくなってるところもある。 朝起きて、少し話をして、着替えもしないままベッドに戻された。 一日安静だ! とキミは宣言して、ドタドタと家の中を動き回っている。 キミに心配されるのは嬉しい。しかし、悪いところもないのに寝ていろと言われても困ってしまう。 「だ、大丈夫だって。病気ってわけじゃないんだ。……ケホッ」 1592 masasi9991DONE紐パンとデググラ 2604 masasi9991DONE寝袋の中でいちゃいちゃしているデググラ起きたあとは「あっはははは、ははっ、……っはあ。ふふふ……」 「落ち着いたか?」 「んふっ、あぁ。あはは」 「よしよし」 寝袋の中のおれの腕の中で頷いたグランツをさらに撫でる。グランツの頭はあたかかく、寝癖の髪も指にふわふわと絡んで気持ちがよく、不思議なことだがおれの手にぴったりくっついてくる。本当はおれがおれが手を離せないだけなのだが。 でもいいじゃないか、野宿の朝のテントの中の二人用の寝袋の中はふたりっきりだ。まぶしい日の出と一緒に置きたからにはこうして少しのんびりする時間もある。 「キミのおかげですっかり目が覚めた」 「実はおれもだ! おれもおれのおかげで目が……あれ?」 「もしかしておれのおかげかな?」 「おお、そうだった! おまえのとびっきりの笑い声でおれもすっかりすっきり目覚めたんだ」 1186 masasi9991DONE段階を踏む久々綾今日の一歩「久々知先輩、ちょっとここに手を置いてください」 「なんで?」 「いいからいいから」 机の上にちょんと置かれた人差し指と中指をぱたぱた動かして、指を人形に見立てて芝居をしているかのような仕草をする。喜八郎らしい遊び心だ。いや、喜八郎に遊び心以外の心があったか? そうなるとこれはいつも通り、つまり意味などない。 「はい」 筆を握ったそのままで、拳の裏を喜八郎の手にちょんと当てた。 それから記帳に戻る。 「ちょっと」 「駄目かな」 「筆を置いていただきたい。こういうのは誠意が大切です」 「うん?」 またよくわからないことを言っている。恐らく喜八郎なりの意味があるのだろうし、それを聞けば理解できないこともないのだろうけど、あいにく今は忙しい。 1527 masasi9991DONE朝からいちゃいちゃしているデググラいい起こし方 ここはどこかな? ぱちっと目が覚めて、一番最初に考えることはそれだ。いつもと違うところだ、ここは。 少々狭くて大いに眩しい。狭いのはまったくおれのせいだ。二人用の寝袋にきゅっと詰まって眠っている。しかし狭いのは悪いことばかりではない。なにしろとっても温かい。いつものベッドの上よりも、ぎゅっとグランツにくっつける。ころんと転がって離れてしまうこともない。いつでもぴったりなのだ。 そして朝は天幕越しに、とても眩しい朝日で目覚めるのだ。 ということはここは山の中のテントの中の寝袋の中だ。そして朝だ。 「グランツ、朝だぞ」 寝袋の中でくっついて、背中に回した腕で腰のあたりをちょんちょんする。……べつに腰を触りたかったわけではないぞ。ただ純粋にグランツをちょんちょんしたかっただけなんだ。 1141 masasi9991DONEデググラのファーストキスですキミとの最初の 疲れてしまって眠れない。まだ身体はじんわり熱いし、鼓動も落ち着いてくれない。こんな夜はキミをしばらく見つめ続けてることにする。 ブランケットに潜り込むなりすぐに目を閉じて、大きな鼻をぴくぴくさせながら深い呼吸を繰り返す。そんなキミの肩と胸が呼吸のたびにゆっくり動いて、二人で潜り込んだブランケットもゆっくりそっと波打つように揺れている。いつも、それに気付くたびにくすぐったい気持ちになって――本当に、揺れるブランケットの柔らかさにくすぐられているせいかもしれないが、こんななんてことないことで思わず吹き出してしまう。 「ふふっ」 「ンぉ?」 「あ……起こしてしまったか?」 パチパチ、とキミは力強く瞬きをする。既に浸っていた眠気を覚まそうとしているのか。実に申し訳ないことをした。 1986 masasi9991DONEお買い物に行くデググラチョコ禁止 買い出しにマーケットへ向かっている最中から明らかにしょぼんとして落ち込んでいる。大きな背中が縮こまって。隣を歩くおれとしては、夕方になっても眩しい夏の日差しを頼もしく遮ってくれるキミの影が小さくなってしまっているのは実に残念だ。 でも男らしい太い眉をしょんぼりと下げているキミの姿はとてもかわいい。 「さっき出かけるときに何か問題でも起こったのか?」 「ううむ……ロッタナに怒られてしまった。今日の晩ごはんはチョコレートは禁止だと」 「晩ごはんにチョコレート? あはははっ、それは確かに、ちょっと難しい問題だな? おれもロッタナに賛成だ」 「ムム。いや違う間違えた! 禁止されたのは明日のおやつのことだ! 今日の採掘のおやつにチョコレートを持たせていたら、おやつの時間にはすっかり解けてしまっていたらしくてな」 1036 masasi9991DONEご飯を食べているデググラ少食かもしれない いつも、ご飯のときはお喋りだ。もちろんご飯のとき以外もグランツはとってもお喋りだ。それによく笑う。しかしやはり採掘師にとって食事は全ての基本、だからこそご飯のときはいつもよりも楽しくお喋りになるものなのだ。 「デグダス、こいつも美味かったぜ」 「ム? ……ごくん。どれだどれだ?」 「ふっふっふ。これだ。……熱っ」 と笑いつつ、グランツは大皿に積まれたチキンを一切れ口に入れた。菜っぱのサラダの上に、ソースで照り焼きにされたチキンがこんもりと積み上がっている。出来たてでまだソースはじゅうじゅうと音を立ててさえいる。音と匂いと焦げ目の色がいかにもうまそうだ。 「んふっ、ふふ、さっきのキミの顔」 熱いと言いつつニコニコ笑って、熱い肉を口の中でハフハフとしつつ、それでもまだお喋りが止まらない。 1080 masasi9991DONEハグの日のデググラハグの日「デグダス!」 目があった途端、グランツは一気に笑顔になった。こんなに遠くてもよくわかる。おーいおーいと大きな声で手を振ってこっちへ走ってくる。 「グランツ! 久しぶりだなあ」 「あっはっはっはっは! 今朝の『行ってきます』から、かなり久しぶりだな?」 「うん、そうだ。おまえと別々に採掘へ向かう日は、一律千円の思いだ。……噛んだだけだぞ、今のは」 「あははは、そんなこと言われたら照れるじゃないか」 グランツは相変わらずニコニコで、そのままスキップを始めそうな足取りで帰り道を歩き出した。 と、思いきや急に立ち止まってクルッと回りこちらを見る。 「そっか、久しぶりか。じゃあこれをしないとな」 「お」 おれの前でグランツが両手を大きく広げた。 616 masasi9991DONEヴァルフェン事後忘我か惰眠か 全く、眠ったような心地がしない。早く起き上がらなければ、早く、主が目を覚ます前にだ。それがいい。このままみっともなく気を失い続けるのは我慢ならない。 だというのに己の瞼をこじ開けることもできずにいる。疲れ切った身体は指一本動かせない――いいや、そんなことはありえない。そのように腑抜けていては、我が主のため成すべきことも成せはしない。本日もやるべきことはごまんとあるのだ。 惰眠を貪っている場合ではない。早くここから抜け出さなければ。少なくとも、ヴァル様が目を覚ます前に。そうでなければ。 「フェンリッヒ」 そう葛藤している間に、朝が来ていた。耳元に囁かれたその声は鼻歌でも歌い始めそうな調子で、随分と機嫌が良さそうだ。 1024 masasi9991DONEセックス中デググラ 1042 masasi9991DONE本編ネタのヴァルフェン血に代わるモノ 後悔、という行為は下らない。そんなことをしている時間があるのなら次の一手を考えるべきだ。我が主のため、立ち止まっている暇などないのだから。 と、いうのがこれまでのオレの自論だった。のだが……今、オレは大いに後悔している。身から出た錆というものを。この状況、どう逃れたらいい。 「さあフェンリッヒ、お前も一緒に考えろ! お前が言い出したことだ」 「いえ、ですから、あれはその場限りの狂言……演技に過ぎなかったと、あのときにも申し上げたではないですか」 「もちろんそれは理解している。しかしだ、いつの日か実際にあのようなことが起きないとも限らない。そのことに俺は気がついてしまった」 「実際に、ですか」 オレを猛烈に後悔させているのは、先だってのオレの些細な策略――閣下の目の前で死んだフリをするという、その愚かなる行いについてだ。 1949 masasi9991DONEかき氷を食べているデググラかき氷の予防「いただきます!」 と、キミは当然かき氷の前で礼儀正しく手を合わせた。小さなお辞儀も。山のように積み上げられたかき氷にキミの額がぶつかりそうで少しヒヤヒヤする。涼しそうだ、という意味でも。 「どうしたグランツ。うらやましいのか? やっぱりこう暑い日は、かき氷だものな!」 「ああ、そうだな」 氷と同様に輝く銀のスプーンをかかげ、キミは満面の笑みだ。 「おまえもかき氷を注文すればよかったのに」 「でもよく冷えた麦ジュースの誘惑に勝てなかった」 「うーん、確かにな。それも確かに、魅力的だった。でもかき氷もいいだろう? うらやましいだろう? そんなに見つめてくるぐらいだ」 「バレてるか」 「そりゃそうだ! おまえの熱い視線で溶けてしまいそうだぞ」 1282 23456