Is romantic a fake1
もともと情に近いものはあった。愛情とも、友情ともつかない気持ちが。
僕はチームのメンバーが好きだ。キールは気が合わないだけで嫌いではない。ミハイルとだって仲良くやれていると思いこんでいた。ユーリーだって大切なメンバーだし、リーダーのことは自分がその立場になって改めて尊敬の念を抱いている。当然、ダニーのことだって大切だ。みんなが好きだ。でも、ダニーだけが特別になった。
なぜだろう、と思う。当然だと気づく。必然が手のひらにある。たくさんの理由があって、僕はそのうちのいくつかだけを知っている。
僕はダニーと組むことが多かった。守られることが、多かった。
どうしたって僕の身体能力には限界があって、僕の命には責任がある。状況によっては僕の代わりに危険を引き受ける人間が必要で、そこに僕の意志が介入する余地はない。そして、その役目を背負うのは大抵がダニーだった。
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