嫌いな夏がやってくる 頭がズキズキとする。冬星は顔を顰めながらお茶を飲んでいた。今日は本家である大東家で定期的に行われている会食の日だった。大東家の分家である並南家はもちろん、同じく分家である小西家、中北家も参加している。本家と分家の繋がりをより一層深める……らしいが、並南家からしたら、そういった時でも【監視】を疎かにすることはなかった。むしろ、こういう時にこそボロというものが出るらしい。
冬星は朝から体調が悪かった。頭が重く、吐くまではいかないが、なんとも言えない吐き気と気分の悪さ。熱がないのが少しの救いだった。相変わらずの無表情だったが、渚月は冬星の顔を見て一目で体調が悪いとわかったからか、今日の会食は欠席した方がいい、と言ってくれたのだが、冬星はそれを断った。
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