星、聞いてくれるか「……星にだけなら話せれる、聞いてくれるか?」
とある一室、ジュードと呼ばれるニジゲンは椅子に座り、写真に写っている人物に向けて話しかけていた。星、と呼ばれた写真の人物は、ジュードを創った創作者───ツクリテだった。もう亡くなってしまい、ジュードは今、その星の知り合い───エリーの所に居候していた。
ジュードは薄暗い部屋の中、星など見えない空が映る窓から、ほんの少しだけ入る月の光に照らされつつ、静かに語るかのように口を開く。
「……ここの暮らしにもだいぶ慣れた、エリーや、ここに住んでいるニジゲン達からも、良くしてもらっている。星の埋葬を手伝ってくれたニジゲンも、ここにいるんだ」
星との長いようで短かった暮らしも良かったか、と言われるとそうはいかなかった。星と出会った時には既に、星の体は病魔で侵されており、長年の無理が祟ったのか、あっという間に衰弱してそのまま空へと消えてしまった。
1971