人の声が一番綺麗に聞こえるのは 学校の授業が終わり、部活動に行く生徒、他の生徒と雑談をしている生徒、そのまま帰り支度をして教室を出る生徒、様々だ。琥珀と創も、帰り支度をすすめていた、お互いに高校生でありながら認可作家組合に所属しているため、学校中のちょっとした有名人だった。二人はそんな事気にせずに雑談をしながら教室を出ようとすると、二人に声をかける生徒が居た。二人の友達である鈴鹿であった。
「今から帰んの?」
「鈴鹿も帰ろうぜ」
創がそう笑って言うと、廊下から教師が創を見つけて呼んだ。
「おい江波戸、先生と面談って言ったろ?」
「げぇ! 忘れてた!」
「……相変わらずだな……」
教師は呆れつつ笑うと、準備したら来るように、と言ってそのまま忙しそうに廊下を歩いていく。一方、創は鈴鹿と琥珀に手を合わせると、頭を下げて謝る。
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