無自覚な煽りと余計な行動 とある平日の昼間、琥珀は鈴鹿の部屋に遊びに来ていた。鈴鹿と付き合って少し経つが、毎回鈴鹿の部屋に来る度に嬉しいからか、顔が緩んでしまう。遊びに来てする事と言えば、Freyに絵を教えてもらったり、鈴鹿が描いた油画をみて短編小説を書いてみたり、一人暮らしの鈴鹿に料理を作ったり、自分の料理を食べて嬉しそうに笑う鈴鹿の顔を見ると、こちらまで嬉しくなる。
今日もなにか作ろうかと思い、家に来るまでに鈴鹿に頼んで一緒にスーパーへと行き、リクエストを聞きながら食材を買った。まだ作るには少し早いため、食材を冷蔵庫に入れた後、部屋に入って座っている鈴鹿の隣に座る。なにやら鈴鹿はなにか本を開いており、横目で見る。
「何見てるんだ?」
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