意味なんて知られなくていい あれから、枢にプレゼントを贈った。灯都は受け取ってくれないのでは、と思っていたが、灯都の予想とは裏腹に、枢は受け取ってくれた。ポケットに突っ込む様子をぼんやりと見る。その後、いつも枢と共にいる柩夜から夜岸と灯都になにやら小さな包みを渡された。
「わ、クッキーだ」
夜岸が包みを開けて灯都に見せる。中には十字架の形のしたクッキーが入っていた。生地はプレーンとココア味、表面にはアイシングされており可愛らしかった。灯都も開けてみると、夜岸の中身と同じクッキーだった。
「……」
「……灯都、プレゼント渡したんだね」
「……夜岸に隠してたつもりはなかったけど……」
灯都は申し訳なさそうに言った、それに対して夜岸は大丈夫だから、と笑う。大丈夫だと言われても、灯都の心は晴れなかった。
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