おかえり、ただいま あれほどの壮絶と言っていい大型没【母なる金字塔】が討伐され、近辺の避難解除や細々とした没の残党狩りなどをしていたらあっという間に夕方も深くなり、もう夜になりそうな空が広がっていた。遠くの方で色んなツクリテやニジゲンから正気に戻そうとして奮闘し、無事戻ってきた巳神も、討伐を協力してくれた集も、先程まで一緒にいたリインやカナタは先に帰っていた。
カナタは本当に一人で帰るのか、と琥珀を心配していたが、琥珀はその気持ちだけ受け取った。
あれほどツクリテというツクリテを誘い込んでいた海は静かに波打つ。琥珀はコインロッカーから取ってきたコートを羽織り一人座り込んで考えていた、海は夜空と夕焼けが混ざったような色を映し出し、平和な海だった。
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