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    85_yako_p

    カプ入り乱れの雑多です。
    昔の話は解釈違いも記念にあげてます。
    作品全部に捏造があると思ってください。

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    POIPOI 420

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    DONEなっぱっぱさんとの鋭百合同誌の再録です。(2022/4/10)
    お題になった頭文字はEです。地味に2ページぴったりに収めるために頑張りました
    Earth さらば地球! 僕とマユミくんは火星へと旅立った。
     情報規制とは恐ろしく、僕の与り知らぬところで火星への移住計画はずいぶんと進んでいたらしい。科学の技術は日々進化しているのだ。
     しかし残念なことに日本という国はなーんにも進んでいなかった。たとえば、同性婚に関わるあれやそれ、とか。なので恋人同士である僕とマユミくんはパートナーとしての関係を結ぶに留まっている。僕は『眉見』にはなっていないので、今もマユミくんをマユミくんと呼ぶ日々だ。はじめましてから八年間変わらない呼び名は手垢がついた年月だけ味わい深くなっていったが、そろそろ新しい風が欲しい。
     そんなところに火星移住計画だ。興味本位で取り寄せたパンフレットを眺めるに、人間がいじくりまわした火星はたいそう居心地がよさそうだった。名産品になる予定の果物はおいしそうな見た目をしているし、東京までは爆速スーパージェットスペースシャトルで二時間弱。四季こそないものの気候は温暖で大きな災害もないらしい。家賃はアイドルとして上り詰めた僕たちのお給料なら無理なく払えるし、抽選要項を僕らは満たしている。なにより、火星の法律では同性婚が認められているそうだ。きっとこのパンフレットを作った人間は日本人に違いない。特定の諸外国では当たり前に認められている権利をこれ見よがしにパンフレットに、先進的なアピールとして書いてしまうなんて。
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    DONEタケ漣ワンドロ32「ひる」(2020年のどっか)
    ワンドロ本を作るときの書き下ろしです。クロファン。昼夜逆転。
    大迷惑 最近、昼と夜がひっくり返ってる。おはようと笑うのは三日月で、眠るつもりかと太陽が責め立てる、そんな日々だ。
     何も不摂生というわけじゃなく、これはれっきとした任務なのだ。僕とファングは夜に起きて朝に眠る。仕事場が不夜城なので致し方ない。
     僕はデキる男なので文句は言わない。ファングも行きつけのハンバーガーが食べれないこと以外は気にしていないようだ。どこかで聞いた通り、配られたカードで勝負するしかないのさ。だから当然、逆転した生活にも楽しみを見いださなければならない。退屈はファングの瞳を殺していくので、定期的に刺激を与えないとならないんだ──死んだ目のファングも、それはそれで色っぽいんだけど。
     まず僕たちは起きてすぐに星を見た。僕はそれなりに予習をして星座の名前やロマンチックな逸話とかを仕入れてきたのに、ファングはものの五分で飽きた。ファングが僕の話を聞かないなら僕だって飽きる。あんな遠くの光に価値なんてない。ファングと一緒に笑えないものは総じてガラクタだ。結局星は朝のニュースの代打にもならないと知った。星を見ながら食べるシリアルはちょっとロマンチックだと思っていたのに。
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    DONEタケ漣ワンドロ31「期待」(2020年のどっか)
    ワンドロ本を作るときの書き下ろしです。ケタザザ。発情期ネタです。
    春景色 こんなことになるんだったら、大人になんてなりたくなかった。
     子供のうちに好きだって伝えておけばよかった。



     狩りの群れに混ざるようになってから、三回目の春が来た。春になるといろんな生き物が元気になる。俺は赤い果実と青い羽の鳥がおいしくて好きだ。春はおやつがたくさんあって、秋と同じくらい好きだった。
     ザザキだって昔は春がくるとはしゃいでいた。素振りは見せなかったけど、わかる。目を細める回数が増えて、少し明るい声で話す。それを知っているのが俺だけならいいって、よく思ってた。二人で一緒になって、黄色くて小さい花が咲く野原で追いかけあった。負けない、って笑いながら。
     ザザキのことが好きだった。でも、どこが好きかと言われると困ってしまう。小さい頃から一緒だから、いなくなったときのことが考えられないって言ったほうが正しいのかもしれない。俺に兄弟はいないけど、ザザキのことは家族だって思ってる。悪友って言葉を聞いたって、親友って言葉を聞いたって、真っ先に浮かぶのはザザキのことだ。好きって単語を口に出す時に考える相手だってザザキだった。
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    DONE超常事変。真練と望海の逃避行。
    一途な子がした勘違いの話。軽度の殺人描写あり。メリバ風味(2023/3/17)
    ユートピアはもうすぐそこ ずいぶん寂しいところまで来た。停滞しながらゆるやかに朽ちていくけれど人の熱が溶けている、僕が過ごしたことのない景色が目の前に広がっていた。
     こういう建物より木々が多くて人の呼吸が遠くにあるようなぽつりとした場所が電車を使えば一日もかからずにつけるっていうのは知ってはいたが実感がなくて、隣に望海さんがいることも相まってちょっとした旅行みたいだと思ってしまった。僕はお父さんやお母さんと一緒に旅行をしたことがなかったから、嬉しくて、切なかった。望海さんと一緒にいれて嬉しい。望海さんが本当のお父さんだったらいいのに。いや、違う。僕は望海さんと本当の家族になるためにここまできたんだ。
     僕の持ってるお金は全部おろして持ってきたけれど、少しでも節約したかったから一番安い切符を買って電車に乗った。改札は移気揚々で越えてしまおうかと思っていたけれど、駅には誰もいなくて改札すら存在しなかった。それでもやましいことがある僕らは一煌極致で姿を消して何も遮るもののない改札口を通る。望海さんがぼんやりしてるから、そのあたたかい手を取って、なるべくゆっくりと誰もいない道を歩いた。
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